表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

新しい日常(仮)

作者: 邪神Q

第一話だけの半分テスト、残りはある程度(10話くらい?)書き纏まってから

公開するつもりです。


砂塵舞う 0と1で構成された町なみで、理論的に組み上げられた仮想の大気を吸いつつ、今日は

目の前に広がる無駄にだだっ広い玄関ホールの入り口端で突入の為の最終確認をしていた


「なーにが"今日は簡単なクリアリングと新兵器のテスト"だ、7:3位までならまだしも、どう考えても

 クリアリングが9割近いじゃねえかっ!終わったら報酬割増にでもしてもらんと気が済まん!

 そもそもこの前だって魔法だとか剣のお稽古だってやらさせたしよう・・・

 いったい何のゲームを作ろうとしてるんだ」


「それだけならマシだけど俺なんてコイツの実戦形式テストさせられて

 いるんだからな?関節の稼動部の感覚フィードバックがぬるぬるの

 適当過ぎて泣きそうなんだが・・・」


 そういう(H・M)は中身を現実からロードしているので操作しているのは

軍が研究している"遠隔操作で危険地帯での操縦が可能なロボット"で

骨格に付属している油圧シリンダーと人工筋肉の組み合わせで

しなやかさと最大出力を追及したエア軍事用モデル(仮)だ

追加として防弾ベストとしてスペクトラを着込み

骨格を覆っているカバーにはケプラーを使い、その中には衝撃により硬質化する

リキッドアーマーと原理の近い液体が人工筋肉、シリンダーと一緒に詰まっている

卓上の理論では 中距離での.357マグナム弾直撃にも耐えられ、AP弾にも高い減衰力を持つ。

――欠点は激しい動きをすると中に入っている液体が固くなり動きが鈍くなるという事

また、それは着弾時も着弾部に起こる。

見た目としてはなんというか...旧世代のゲームのキャラモデルをこの現実(VR内)に放り込んだ

様な感じだ

それは頭部に大きなカメラが1つだけで他は何も付いていないのが理由なのかもしれない


現実でも少し前からこれの四足歩行するモデルが試作されていたが

まぁ実際に動かしてみると

重い、遅い、バランスが悪くすぐ転倒するというペーパーウェイトにすらならない代物だった

しかもそれを人型にするとなると...


「ああ、そういえば今日はそんなのを使っていたのか、確かに実際に動かそうとしても重力とか

 バランサーの性能的に使い物にならないんじゃなかったか?

例えるならリアルガンダム。

軍はそもそも現実の技術力では作れないものをVRで再現するんだか

バカなの? 死ぬの?」


「あんたら愚痴ばっか言ってないで次のエリアに行く用意する! 只でさえ弾薬が少ないのに憂さ晴らしに馬鹿撃ちするから

残り少ないんだからね? あと、ふざけているんなら額ぶち抜くよ?」


「何で語尾を若干ツンデレ風味にした

そしてお前のような男女に興味はない...と思っていたが最近少し心が揺れるのは何だろうか

 恋なのか。

 ・・・というのは半分嘘だからな、謝るから銃、こっち向けるな

 あと今から本気出せばハンドガンでも大丈夫、問題ない。何事も気合いだ」


へいへい、とマイアの声を二人で話半分に聞き流しつつ残り少なくなった弾薬をボックスから取り出し、

各銃のマガジンに弾を二発ずつ少なく詰めていく。

自分はFAMAS、H・M(フランクメイソン)はH&K社のG36でマイアはミニミ軽機関銃(M249)

・・・何故二発少なく入れるかというとこのゲーム、マガジンに入るだけ弾を詰めるとまれにジャム(給弾不良)ったりするのでその可能性を出来る限り少なくする為だ。今となっては癖、習慣に近くなっている。


  支度を終え始まってから四つ目(予定では最後になる)建物の入り口を蹴り開けつつ入る

最初に自分がFAMASを持ち、進行方向通路の中ほどにある一つ目の視覚的な遮蔽物となりそうな

ロッカーへと走りこもうとするがその際、話してもいないが息が合ったように二人は通路前の角と玄関前に

それぞれスタンバイする。 言ってもいないのに、さすがだ

前に伸びる通路の角から兵士が出てきたので反射的にダッシュからロッカー手前へのスライディングへと

変える、そして開いた上から見える敵に合わせるように

H・Mの持つH&K G36とセミオートで目の前の敵に向かって5.56mmサブソニック(亜空速)弾を吐き出す。

(マイアの持っているのはMINIMI軽機関銃でサプレッサーが付いていない為、撃つのを躊躇った)

 銃身の先に付けられた消音器(サプレッサー)と相まって小さな音が少ししただけだったが、中にいる

可能性のある他の奴ら(NPC)が気付く可能性があるので

大きな上司(ビックボス)も言っていた古くからの教えに従い、()った兵士を丁度良い近くのロッカーに隠すことにする


「結構あっけねーな、前回なんて入り口に10人ぐらい固まってただろ、しかも臨戦体勢で。

 それからしたら果てしなく温く、果てしなくEASYだな

 お偉いさんに言われなかったのか? "EASYモードは小学生までだよな"ってな!」


「H・Mは平常運転て言え平常運転だけど、全く何を分からないことを言っているんだか、

 (腰ポーチから作戦の地図を取り出し、場所を確認する)

 ・・・見取り図ではこの前の部屋を抜ければ例の乗り物があるからそれを奪って

 回収ポイントに急行、道の間にいる兵を適当にやれば良いってさ」


「うーい、取り敢えずこの次の部屋をやれば後は"バス"が出るんだろ?つまり、運転は任せた。

そうと(勝手に)決まれば突っ込むぜ!」


「おい馬鹿、あの小野田のことだから絶対何かある―――」


俺がそう言い終わる前に彼、H・M(バカ)が扉を開け、待ち伏せていた敵に撃たれる

敵がいることにやっと気づいたH・Mはすぐに引っ込んだがこっちの横を弾丸が何発か抜けていった

H・Mを見ると当たった箇所の部品はふっ飛び、オイルと内容物をいくらかそこら辺に飛び散らせた。


「うおっ?! やべぇシリンダーとメインカメラがやられた! 損傷率28%、右腕使用不能!」


「ほらみろ・・・て、利き腕がやられたのかよ、てかあの弾強化スーツ抜けんのか、生身の奴が喰らったら

 簡単に千切れんぞ?」


「あーやっばりあんたの勘が当たったようだね、そしてハム、今さっきこいつの事を馬鹿

 呼ばわりしたけど取り止めるよ、ハムの方が、馬鹿だったってね」

  

(言っていなかったが、マイアはH・Mの事を略してハムと呼ぶ)


「いやいや、こいつと並べんなよ、前から分かっていた事じゃあないか」


うわひでえ、と言われたが無視する

こういう受け答えはいつものことだ

H・M だって気にしてないだろう(多分)


しかし・・・、改めて見てみると腕の中に入っている骨とそれに付属する補助シリンダーがぽっきりと折れている。そのせいで人工筋肉はまだ動くとしてもそれを支える骨格が壊れていて使えない


「仕方ねえ、アレ(・・)を使うからサポートしてくれ、どっち道 コイツのテストもあったしな

 よし、1、2の3でやるからな1・・2・・」

 

「それを使っても失敗したらどうすんのよ・・って 早、もう!」


「3! セイフティ解除、NOA(ノア)出力65%起動」


NOA―――|Nerve of Accelerate《神経加速機構》

今の所10秒間だけ反射神経などの情報の伝達速度を高速化、一瞬を何十倍にも引き伸ばす

おまけとして効果の続いている数秒の間、筋肉のリミッターを外して人間離れした動きができる

終わった後は少しの間体と感覚の大きなズレが生じるが、それ以外には殆どデメリットは無い

ちなみに、理論上では540倍まで加速するがそこまで加速したとしても

使い道がないためほぼ意味はない


思考や感覚が引き伸ばされ始めると同時に

目の前の部屋に飛び込む

中には五人、横にならんで備え付けの重機関銃?の銃口をこちらに向けている

そのトリガーが引かれるよりも先に加速する。

完全に引き伸ばされると飛んでくる弾丸が視認できるようになった。

かすらない程度に四肢を捻り、避ける

避けたら捻った体はその勢いのまま一回転

回る間に腰のホルスターからベレッタを引き抜き馬賊撃ち(銃を横にし、撃ったときの反動でさらに水平に並んだ的を撃つ撃ち方)

で左から並んだ"的"に合わせて次々引き金を引く。

約三秒---

たったそれだけの時間で部屋の中の敵を無力化する


「なんだよあれすげぇな、あんな動きが出来るならセガールとガチでやりあえるんじゃね?」


中に入った俺がやられていないので倒しきったと思ったのだろう。

普通に部屋内へと入ってくる(そうは言っても銃には手をかけているが)


「確かに まぁ、代わりに実際に使えるようにするには、全然技術力が足りないらしいけどね」


「良いだろ..倒したんだし..あー少し目眩が出そうだ」


少し休憩した後、目的の物がある広場(?)まで来た

目標物が置いてある回りは金網が張っており外から直接侵入するならカッターを持ってこないと入れない

位のものだ。その真ん中に鎮座している物は兵器というより生物のように見える

形は蟻の腹をトラックの荷台に変えたような感じで

地球を防衛する軍に出てくるあの巨大蟻を見ているようだ


「・・・で、これが話の乗り物か?

馬鹿みてぇにでかいタチコマモドキだな」


「話だけしか聞いてないからいまいちだけどこれしかなさそうだし決定じゃない?

それとマニュアルあるけど見る?・・"乗ったら起動用音声コマンド入力、その後は自分で動かせ"

としか書いてないけど」


「さすが、俺らのクライアント、いつも俺たちに必要な情報すら説明してくれないよな

 俺もそれくらい無茶の言える立場になってみてぇな、そこに痺れる 憧れるゥ!」


「自分から馬鹿を証明するみたいな話をするなよ...じゃ、このまま待ってても説明しに来るつもりは毛頭ないだろうし、何か行動しなけりゃ埒が明かないし、乗るだけのってみようぜ?

あ、そう言えばH・M運転は任せたって言ったよな? ・・・じゃあ俺がやっちまうかな!」


反論される前にダッシュでそれに近づき、乗り物の運転席のハッチを開け乗り込む

中は見た目よりも大きく作ってあり右の壁面に非常ランプと一緒に電源を入れるためのツマミが付いていて

ツマミの説明には左から時計回りに休止、起動 少し離れた所に自爆と書いてある

何で自爆スイッチが、ここに付いているんだ?とは思いつつも起動まで捻る


電源が付き、シート(座席)の上に目の位置にディスプレイの付いたヘッドギアが降りてくる

見た感じでおもむろにそれを被ってみると画面の電源が入り、起動準備OKの文字が黒の背景に

白文字で表示された。

多分、ここで(出撃前の本当に最低限の)説明にあったアレを言えばいいのだろう


「確かコマンドは

 ・・・システム、セーフモードで起動 感覚接続テスト開始」


宣言をしたとたん背筋に電気が走るような衝撃がし、一度視界が黒く染まる

そして直接内側から響いてくるような声で


"外部カメラON・・・視野共有ok

神経接続・・・ok

駆動系統同期確認...ok

兵器動作チェック・・・ok

フェイズ1クリア

システムオールグリーン

続いてフェイズ2、スタンバイモードに移行します"


言葉が紡がれるごとに

だんだん感覚が戻ってくる

自分の目の代わりにカメラ。

手足の代わりに四脚が

少しずつ自分の体としてなじんでくる

しかも何故か、逆に元々これが自分の体だったかのように


「これで良いのか?・・おーい!」

大層面倒な物だと思っていたがそうでもないようだ

ひとまず、準備が終わったようなので二人を呼んでみる

普通に話したつもりだったが少々大声過ぎたらしい、キィンとスピーカーがハウリングを起こす


「だーっ!、大声でスピーカーで喋るな!ウチらの鼓膜を破る気かっツーの!」


「まったくだ、・・・あーあ、こんな面白そうな物だったんなら運転を任せるなんて

 言わなきゃ良かったな」


「あーすまん。今から後ろのハッチを空けるから乗ってくれ

 えーと、こうか?」


体の後ろの(・・・・・・)方に集中する。

そこに自分の体の延長線があるつもりで動かす。

「あだっ」ゴン

変な声が聞こえたが、上手くいった様だ


「危なっ・・・勢い良く開けないでよ。ハム思い切りぶつかったし」


「慣れてないからな、それぐらいい多めに見てくれよ

 今の視界がカメラと繋がっているらしくて同時に全方位見えるから

 頭ン中で処理しづらいんだよ」


はいはいそうですか、と

運よく当たらなかったマイアはもろに当たって倒れているH・Mを踏みつけてから乗り込む

ぐぇ、とか聞こえたがまあ良いか、で済ませた。

その後は復帰したH・Mも乗り込み


「乗ったぞー(わよー)」

「行くぜ全力進軍っ!」


性能を見るために・・・いや自分がやってみたかったわけじゃないよ?

停止から一気に最高速へ、エンジンの回転速度を上げる。それを各部位に伝達し、舗装された道路を走る

その速度ははっきり言って早すぎて足元のコンクリが今にもはがれてしまいそうな程だ

道中にいる敵は後ろのコンテナ横に付いているガトリングを使って倒す。というか、他の二人は後ろに

収容されている為、撃てないと言うだけなのだが・・・・


この後は言わずもがな、一方的にちょこちょこいる敵を倒しながら特に損傷もなく

(塗装がいくらか剥がれてしまったが)

回収地点へと到着した。


後輪をロックさせながら車体を横にスライド、減速しつつ壁ギリギリに幅寄せ停車する。

 ・・・今、壁際に人が立っていてそれを轢きそうになったが、気にしない


「とうちゃーく」

「ふーん、結構揺れたね。どうせゲームなんだし、そういうのは少しは軽減してくれても

 良いんじゃないの?」

「洗濯機に入れた洗濯物の気持ちが分かるな・・

 それだけの揺れを動かしてる本人はそういうの感じないようだから、余計に酷いぜ。

 もう少しでシェイクの二人前が出来上がるとこだったぞ」


自分を含め三人の内、H・Mは何故か(機械のはずなのに)乗り物酔いになり、

マイアは言っている割にはそういう風には見えず

操縦していた自分は揺れは特に感じなかったが。


中から出てきて早々、愚痴やら感想やら好き勝手に言い始める三人の言葉を遮るようについさっき

車体と壁にサンドイッチにされそうだった男(たしか小野田とか言った筈だ)が顔色を変えずに

言葉を発した。


「・・・任務ご苦労、言っていなかったがこれで最終テストが終了した

 結果として君たち三人は残ったテストプレイヤーの中でも同着一位と言っても良い

 成績だった。そのためある組織への勧誘があるのだが――」


「おいちょっと待て、最終テストとか一位、とか色々あるが

 組織?勧誘?何言ってるんだ」

 「いやアレだろ、このゲームを作った会社・・・確かWWS(WorldWideSystems)の関係だろ」

 「めんどくさいから、つまりどういうことが言いたいのよ?」


マイアは遠回りな言い回しが気に入らないようだ

それを察したのかどうかは分からないが、小野田は俺たち3人にさっきよりも

衝撃的な話を持ち出した。


「この世界、いやこの世界を含む他次元、パラレルワールドとでも言おうか

 それが危険に晒されている。それを防ぐ為の組織が<The Guardian>、それが

 君たちに入ってもらいたい組織の名だ。元論、仕事として報酬は出す」


説明しながらいくつかのウィンドウを出す、それには全身が鱗に覆われた人型の生物や

形自体が人とは異なる何かの写真や映像などがあり、

それは捏造や加工ではないという"本物が出す、インパクト"とでもいうものが浮き出ていた

(何故か要所々々にネタなのかVサインをする二足歩行の猫だとか大きすぎて扉に嵌った竜とか

 意外とノリが良いなと思わせる変なものも混ざっていたが。そういうのが日常的にあるのか)


 ・・・最後に君たちがゲームだと思っていたシミュレーターの置いてあるWWS本社の付近にも

異世界から来た人や物がある街があるということまで説明し、

"今日の話はここまで、街の場所と入る為の合言葉を教えるから今日の帰りにでも寄ってみるといい"

とだけ言い残し小野田はログアウトした。


「あのジョークを言わない小野田が言うんだからマジもんかもね

 それに、森岡市なら出て20分も歩けば着くし、今までゲーム・・・じゃないんだっけ?

 まあ良いや、リアルで顔を合わせたことなかったし、一緒に行かない?」


「もし本当なら、この夏休み飽きる事は無さそうだな!

 テンション↑上がってきた↑ww」


マイアの提案はアリ・・・だな。

最初の方は人数がいすぎて話どころじゃなかったし、知らない仲でもないし今なら

話しかけやすいだろう 

・・・H・Mはあっちでもこのテンションだったら嫌だが。


「三人で行くで決まりでいいよな? それなら待ち合わせはVRルームを出てすぐか、本社前ってことで。

 道中にでもお互い、自己紹介でもしながら行こうか」


「だな(だね)」


そう三人で決め、二人よりも先に待ち合わせ場所で待ち伏せていようと軽く挨拶をした後一足先に

ログアウトボタンを―――押した

伏線とか専門用語とか下書きが嵩張っているので第2話の前に纏めを

投稿することになるかもです

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ