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「・・・えぇー・・・・いきなりどうしたのー・・・」
俺が誰に対してでもなくつぶやいた言葉が静まり返った教室に響いた。
馬路、なした?いきなり皆固まって怖いわ。
しかも、皆俺たちの会話に注目してたのか知らないけど、こっち向きながら固まってるから余計怖い。
瞬きすらしていない教室中の生徒と目が合う。
もちろん、それには圭斗も幸介も笑ってたはずのりんごちゃんも入ってる。
・・・えぇー・・・・俺のあほっぽい笑いってそんな固まっちゃうほどキモイのか・・・・・・。
俺、そんなにぶさいくか。そりゃ、圭斗や幸介、りんごちゃんやしーちゃんに比べたらカスみたいな顔かもしれないけど・・・。
「・・・おちこむわー・・・・・」
そう、小さくつぶやく。そしたら、幸介がうごいた。それも、さっきまで固まってたのはどうした、ってくらいすばやく。
「なんや?!なんか嫌なことでもあったんか?!大丈夫か?!」
「・・・えぇー・・・・・」
近い。顔が近い。なぜか必死な様子でくわっと目を見開いて身を乗り出しながら訪ねてくる幸介に若干引く。
「・・・ベツニナンデモナイデスヨーダ」
さっき固まられた仕返しに、ちょっと口をつきだしながら拗ねてますアピールしながらカタコトで話す。
そしたら、今まで固まってた人達が動き出した。
『はうっ・・・・・・意識飛んでた・・・』
『やべぇ・・・いまのは、やべぇ・・・・』
『てか、その、今の、顔も・・・・・やばい・・』
『もう・・・・、幹也様ぁっっ』
誰かが俺の名前を様付きで叫ぶと、つられたように他の生徒たちが俺をみつめたまま幹也様、とか、山本、とかとりあえず俺の名前を連呼しだした。
こえぇ・・・・
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