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俺が首を傾げてると、タイミングよく授業終了のチャイムが鳴り響いた。
先生が、それでは、終わります。って言って教室を出て行く。
そしたら、皆意識を取り戻したのか、ポツポツと教科書とかを片付けだした。
「みみみ、幹也っっ」
「ん?どうしたの幸介ー」
「幹也、英語喋れるん?!」
「え?まあ、いちおー?てかー、それがどうかしたー?」
「いや、さっき先生と話してたから・・・。びっくりして」
「あー、そっか。俺、帰国子女なんだよねー」
「はっ?!」
(そういう設定にしてるから、適当に流せ)
「あ、ああ・・そうなんか。だから英語話せるんか」
「うんー。」
小声で、俺の設定を教えるとぎこちなく幸介が頷いた。
幸介、俺が英語話せるって知らなかったっけ。まあ、今までそういう話題になんかならなかったし仕方ないけど。
あ、皆が固まってたのって、俺が英語喋ったから?
そこまでびっくりするかなぁ。皆、エーサイ教育?とかいうので英語は習わなかったんだろうか。
別に、どうでもいいけど。
俺の中で英語って、日本語と同じくらい馴染んでるから違和感とかないんだけど、やっぱり日本人だし英語は浸透してないのかな。まあ、これもどうでもいいけど。
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