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20話 - 祭の始まり

誤字・脱字・文法の誤りがあったらごめんなさい。

「忙しい!」

 思わず、全力で絶叫する。

「俺は今、猛烈に忙し――」

「やかましい、黙って働け!」

 俺の絶叫はおじさんの怒声と鉄拳の前に沈黙した。




 精霊祭はイシュタリア皇国を挙げての大祭である。

 皇国は歴史ある古い国であり、精霊祭は伝統ある行事だ。

 その催しには皇国内だけでなく他国からも、少なくない人数が観光に訪れる。

 でもってラグネに店を構える商人にとっては一大行事。まさに書き入れ時。

 俺とおじさんは出店の内側にある厨房で忙しく動いている。

 おじさんはメニューを作るのに、俺は皿洗いと食器のセットなど。

 さらには。

「おとう! ミートパスタとミルクドリア! それに、オニオンスープ!」

「おう! アッシュ! 皿だ!」

「あいさ! 只今!」

 店の表から聞こえてきた娘――ジュリサ――の声に親父さんが大きな声で返し、俺に皿の用意を命令する。

 現在、表では可憐なメイド服を身に纏った娘三人が忙しく働いている。

 娘三人というのはこの店の娘であるジュリサに、俺が巻き込んだルーナとウルだ。

「我が君、ドリンクだ。ピーチとグレープ。それに、ビールを三つだ」

「OK、待ってろ」

 厨房に入ってきたルーナに手早く返し、それぞれを用意して渡す。

「あいよ」

「良い。では預かろう」

 器用にもいくつ物グラスを手に持ったルーナは危なげない足取りで厨房を出て行く。

 そして、入れ替わりにウルが入ってくる。

「おじさん、ホットサンドを二つです。それにアッシュ兄はデザートのフルーツヨーグルトをお願します。蜂蜜は控えめで」

「おう!」「あいよ!」

 ……。

 運よくラグネの大通りに出店を出すことに成功したらしいのだが、この通り五人が常時フル回転の状態であった。


 ちなみに店の外は見目麗しい少女が可憐なメイド服に身を包みウェイトレス業に精を出している。

 そして男衆が厨房をやっているのは当然のことと言えよう。

 ……同じ男ならこの意味、分かってくれるよな。

 激務の間、ふと遠い目をした。

 当然、直後におじさんの鉄拳をくらったのだが。




「疲れた。も、駄目。……死ぬ」

 机に突っ伏し、轟沈する。

 今は店を閉めて、午後に向けての準備中なのだ。

 午前中からフル回転で動いていた出店も、昼を過ぎると少しばかり時間が出来る。

 まぁ、この後は祭の見学を終えた客や休憩に入ってくる客。それにその後には夕飯を外で食べようとする人で溢れる。

 つまりは、文字通り今の時間が最後の休憩なのだ。

「腕が痛いよ~。皿が怖いよ~。皿が~」

「何を言っているんだ、お前は……。まだ、若いのに」

 ドンッ。

 突っ伏した俺の前に親父さんが冷えたオレンジジュースを置いてくれる。

「まぁ、飲んどけ。午後は今以上の激戦になるぞ」

「………………いただきます。うまー」

 口の中を通り抜ける爽やかな柑橘系の酸っぱさが心地いい。

 そんな俺のだらけっぷりに、近くに座っていた娘三人も苦笑いをする。

 ちなみに俺以外の父娘親子に人外二人はピンピンしていたりもするのだが。


 そして、俺が疲労によってピクリとも動かなくなって暫く。

 店の外から呼びかける声が、響いた。

「あのーすみません」

 柔らかい女性の声だ。

 ……?

 はて、何やら聞いたことのあるような声だこと。

 見ればルーナが苦笑いをしていた。

 ……お?

「あ、申し訳ありません。今は準備中――」

 そして、訪ねてきた件の女性に対応するために表に出たジュリサの声が途絶える。

 次いで。

「お、お、おおおおおお、おとう! おとう! お客さん! ていうか――」

 慌てたようにジュリサが駆け込んでくる。

 ……およ?

 その様子にルーナ以外が全員が首を傾げる。

 やがて。

「……あの…………ああ良かった、やっぱりいましたね、アッシュ様」

 件の人物、というかこの国の皇女であるローズレット殿下がひょっこりと顔を覗かせた。


「こ、これは皇女殿下。よくいらっしゃいました。小汚いところでありますが……」

 普段から冷静沈着なおじさんが顔を赤くしたり青くしたりしながら慌てて応対する。

 それはそうだろう。

 ラグネにある、ただの大衆食堂にこの国の皇の娘が顔を出したのだから。 

 分かりやすく説明するのなら皇族の来訪である。

 この国に住まう一市民としては理解できる限度を軽く飛び越えたのだろう。

 混乱の極みに叩き込まれた父娘が素敵にテンパっている。

「ジュリサ、ジュースだ! 一番高いの!」

「は、はい!」

「後、フルーツ! いや! 茶請けのケーキを!」

「あっ、アイサーッ!」

 慌てて、ジュリサが運び込んだ荷物をあさり始める。

 傍から見ると少しかわいそうな程の慌てぶりだった。

 ……ちなみに、俺とルーナは普段と変わらず。ウルにいたっては首を傾げていた。


「暫くぶりです」

 ローゼが穏やかな笑みで挨拶をしながら、纏っていた厚手の外套を脱ぐ。

 恐らくは軽い変装のつもりなんだろう。

 そのまま、用意された椅子に腰掛けると渡されたジュースを一口優雅な仕草で口に含む。

「美味しいです。すいません、突然押しかけた上に、こんな物まで頂いて……」

「い、いえ! 皇女殿下のお口にあったのなら幸いです」

 ローゼの謝辞におじさんが緊張したように返す、背後ではジュリサがローゼの素顔を見てポーっと夢うつつの状態になっている。

 まぁ、俺たちは見慣れているが、見慣れていない人から見れば中々にお目にかかれない程の美少女だ。その気持ちも理解できないわけではない。

「ありがとうございます」

 そんなおじさんとジュリサにローゼが笑顔で頭を下げる。

 相変わらず礼儀正しい娘である。


 ……。

 突っ伏していた体を起こして向き合う。

「よくここが分かったな」

「はい。伯母様の力をお借りしました」

 その言葉に苦笑いしながら問う。

「カルディエの姐さんの力……。なるほど諜報機関を動かしたのかい?」

 ……なんというか親馬鹿ならず姪馬鹿? 姪一人のために軍の暗部を動かすとか……。

 諜報機関というのは軍部の暗部。

 破壊・暗殺・誘拐、それに密偵や情報操作などの暗い仕事を司る部署。

 本来は国のための機関であり、一個人でおいそれと動かしていいもんじゃない。

 ……本来なら、な。

 俺の微妙な表情にさらに追撃が掛かる。

「そんな感じです。アッシュ様のことですからおそらくはルーナちゃん辺りにメイド服を着せているだろうと思ったので、叔母様にたのんで、メイド服を着ている銀髪の少女、もしくはメイド服を着ている少女探して欲しいと頼んだんです」

「おおう、何一つ間違っていないところがすげぇ」

 素直に感心する。

「ふふ。後は、こっそりとお城を抜け出してきました♪」

 ……。

 …… Σ(゜∀゜;) 。

 …………………………………………………………は?


 一瞬の硬直の後に我に返る。

「おいおいおいおい! いいのか、この国の皇女様だろうに」

「いいんです。どうせお城にいても貴族の方々とお食事会をするかお茶会をするかだけですから」

 なんというか「権利と義務」の義務を全力で放り投げている感じだ。

「……。そんなもんかねぇ」

 ローゼの表情を見て、なんとも言いがたい声音で呻きが漏れる。

「そんなもんですよ」

 実にいい笑顔を浮かべるローゼ。

 ……やれやれ。

 とローゼが肩に掛けていたポーチから櫛を取り出す。

「ルーナちゃん、此方においで」

「む? おおっ! 宜しく頼むぞ、娘」

「はい♪」

 ルーナがローゼの手に櫛を発見し、歓喜の声をあげる。

 そのままローゼは自らの膝に腰掛けたルーナの髪を梳かし始める。

「にゅう♪」

 ルーナも気持ち良さそうに目を細める。

 そういや、旅の間のルーナの髪の手入れはローゼの仕事だったな。

「それに、私は皇女様なんて呼ばれるのはここに来てからですよ。お母様と暮らしていたときはそんな事は知らずに育ちましたから」

 ルーナの髪を優しく梳かしながら此方に言葉を綴る。

 ……そういや、そうだったな。

「ふふ。やっぱりお城の中にいるより、こうやってアッシュ様と話したり、ルーナちゃんの髪を手入れするほうが楽しいですし、気が楽ですよ」

「………………。……そうかい」

 ローゼの穏やかな笑みに、ま、いっか、と諸々の事情を忘却の彼方に放り投げる事にした。


 因みに、おじさんとジュリサは一連の会話を前に見事に固まっていた。




 先日、ローゼは正式にこの国の皇女殿下として認められた。


 正妻の毒殺未遂と第一皇子のエンデラ王国への亡命未遂の二つがあっただけに、ローゼの存在は、民と他の貴族達の大半に大いに歓待された。

 精霊祭の前夜祭に皇女殿下のお披露目をかねてと、宰相一派の貴族が反対を押し切りラグネの街で皇女のお披露目パレードを行ったのだ。

 おかげで、今では街のどこかしこでもローゼの話を聴くことが出来る。

 本人曰く、私は日陰の存在でよかったのに、との事らしいが。

 ……まぁ、厳しいだろうな。

 ともあれ、皇位継承権を有してはいるが体内に精霊王ノアがいない(とされている)ため、ローゼは比較的に自由に動けている。

 まぁ、宰相やその一派が、未だローゼの中に精霊王がいると信じて(まぁ、間違ってはいないし、本当に信じているのかは知らんが)ローゼを次期皇王にしようと暗躍しているとカルディエの姐さんが言っていたきもする……。

 しかしながら、正直なところ何だかんだでローゼの背後には娘を溺愛してやまない皇王と姪に信じられないほど甘いアイオライト卿がいるからそれほど心配はしていない。

 それにいざとなったら、俺も手を貸すつもりである。

 ガート卿は正直好かん。

 というより嫌いだ。

 いざとなったら喜んで暗殺ぐらいはしよう。

 ……。

 ま、今はローゼがこうやって笑えるようになったことを喜ぶべきかね。




「今回は伯母様がここまで連れてきて下さったんです。それにお父様も、好きにしろって言ってくださって」

「うわーお」

 この国の長と軍部の長とは思えない言動と行動に、口から変な言葉が漏れる。

 ……あんたら何やってんだよ。

 渋い顔の老人と強面の姐さんの顔が脳裏を過ぎる。

「後、伯母様が蝿掃除もしとくって、アッシュ様に言えば分かるって。いったいなんのことでしょうか? 蝿?」

「……」

 ……どうりで。

 ローゼがこの店に来た瞬間に、周囲の気を探って刺客や密偵がいないか調べたのだが、その反応が一切なかったのだ。

 一応ルーナの鼻にも聞いてみたのだが、答えは、否。

 民と貴族の大半がローゼを歓待しているが、ベリドットやその一派など、少ないが敵は確実にいる。

 付け加えるのならローゼに干渉し、あわよくば自らの陣営の手を伸ばそうとする貴族はそれこそ星の数ほどいるだろう。

 故に、周囲に害意がないことに不自然を感じたのだが……。

 その理由が今ようやく分かった。

 おそらくはローゼの後をつけようした宰相やその他貴族の手の者をカルディエの姐さんが一人残らず片付けたのだろう。おそらく慈悲の一欠けらも持たずに。

 そして、周囲に護衛の気配すらないということは、ローゼの面倒を俺に任せたということ。

 ……。

 ……仕方ない。今回は任されておこう。

 苦笑一つ。

 ――展開・起動。

 周囲に対侵入者用の感知・迎撃結界を展開した。




 ……。


「も、駄目、死ぬ、疲れた、死ぬ、駄目、死ぬ、死ぬ」

 夜、閉店後の店内。

 椅子をいくつも並べてそこに横たわる。

 口から虚ろな言葉が連続して漏れ出る。

 ちなみに、おじさんは売り上げの集計、ジュリサは店の外に置かれていた余分な椅子と机を片付けをしている最中。タフなものである。

 本職と付け焼刃の差を思い知らされた感じである。

 そして俺の横では人外二人が平然とお茶を啜っている。此方も存外タフなものである。

 倒れているのは俺だけ。

 ……なぜだ?

 ついでに。

「お疲れ様です、アッシュ様」

 なぜか帰らずに、店に居座ったローゼがこれまたお茶を片手に苦笑していた。

 ……。

 曰く、お城には帰りたくありません、と。

 ……。

 ………………あんた、そりゃないでしょに。


 俺の意識がどこか知らない世界に召されてから暫く。

「おら、賄いだ」

 集計が終わって、ひと段落がついたのだろう。

 おじさんが賄い兼夕食のピザを持ってくる。

 ジャガイモ、スライスソーセージ、コーン、ミートソース、チーズ等と中々に豪勢な一品だ。そしてそれらが厚手の生地の上で湯気を立てている様は実に上手そうである。

 いささか以上に気合の入った一品だ。

 そして、その横にはジュリサが飲物を。

「で、殿下もどうぞ。その、お口に合えばいいのですが……」

「いいんですか? 私まで」

 帰り支度を始めていたローゼが驚いたように目をぱちくりさせる。

「か、構いませんとも!」

「っ! っ!」

 おじさんの横でジュリサが首を上下にシェイクさせている。

 僅かな間が空き、ローゼが頭を下げる。

「…………分かりました。店主様のご好意に甘えさせていただきます」

 というわけで、ローゼも参加。

 皆が座り、飲物が行き渡ったところでおじさんが音頭をとる。

「んじゃ、まあ、皆さん合掌。でもって――」

「「「「「「いただきまーす」」」」」」


 うまー!

 とろけたチーズと熱々のミートソースが実に絶品だ。

 ほくほくのジャガイモとコーンの甘み、それに程よいソーセージのアクセント。

 見た目に恥じない一品である。

 本来ならここに玉葱なども加えるのだが、ルーナが玉葱を苦手とするために今回は入っていないのだ。

 ……。

 ここで一つ豆知識。犬は葱、玉葱が苦手である。

 皆さんも飼い犬に餌を与えるときは注意しよう。

 やったねこれでまた一つ賢くなったよ、ママン。

 ……。

 あー、ごほんっ。

 ともあれ。

「美味い! 流石はおじさん! 俺もピザは何度かチャレンジしているが、未だこの味は出せないんだよなぁ……」

 厚手でボリュームMAXのピザをパクつきながら唸る。

 やはり火加減と焼く時間に秘密があるのだろうか? それとも竈の性能だろうか?

 うむむむと唸る。

 それを見ておじさんが笑う。

「そりゃおまえ、俺だって研究や練習したりして今の腕があるんだから、一夕一朝で真似されちゃ俺がたまらんよ」

「……むう」

 その言葉にもう一度唸る。

 しかし、この味は何時味わっても素晴らしい。

「くやしいのう、くやしいのう」

「わははは!」

 俺の呟きにおじさんが豪快に笑った。


 さて、ピザが半分ぐらいになった頃だろうか。

 唐突にジュリサが厨房から出てくる。

 そして、その手には料理らしき何か、on・the・皿。

 ……おや? おやおや?

 背にブワッと嫌な汗が噴き出る。

 ……おおう。ジュリサが料理、だと。

 いやいやまさか、流石に三年間で腕が上がっていないということはないだろう。

 ……大丈夫大丈夫。とりあえずは落ち着こう。

 手がガクガクとふるえ、足もガクガクとふるえている。

 舌は乾ききり、背は脂汗でべっとりとしている。

 ……いくらジュリサでも少しは成長したはずだ。うん、落ち着け、俺。

 だが。

「アシュレイ、お前が責任もって食べろよ」これはおじさん。

「我が君、我はまだ命が惜しい」これはルーナ。

「……(ガクガクブルブル)」これはウル。

「…………アッシュ様、生きて戻って下さいね(瞳の端に涙を溜めて)」これはローゼ。

 ……。

 額から流れた汗が目に入り込んで痛い。

 それと同時にかつての苦い記憶が頭をよぎる。

 具体的には、ジュリサの作った料理を口に含み……――。

 ……。

「アシュレイ君に手料理を振舞うのも久しぶりだから――」

 その何かが乗った皿を俺の前に、そっと置く。

 もわっ。

 ――っ!!!!!!

 何で人が作った料理から刺激臭がするのだろうか?

 そして、なぜ全うな食材から作った料理が毒々しい蛍光色の紫色なんだろうか?

 俺の本能の全てが、撤退を告げている。

 逃げよ、と。

「――頑張っちゃった♪ えへっ」

 ……が、頑張っちゃった♪ じゃねえええええええええええええええええ!

 え? 何これ、地味に死刑宣告食らってね?

 これどうすればいいの?

 こんなもん犬の餌にも…………はっ。

 そうだ! ここには犬が一匹いるではないか!

「ルー――」

 ……。

 何故か、おじさん、ルーナ、ウル、ローゼの四人はおじさんのピザを持って、別のテーブルに移動していた。

 おおう。これが、いわゆるハブられるという奴か。いや、村八分?

 ふと、おじさんがいかつい顔を顰めて厳かに言う。

「……アシュレイ」

「な、なんでしょうか?」

「…………骨は拾ってやる。……残っていれば、だが」

「は、はは……」

 思わず口から虚ろな笑いが漏れる。

「ねぇ、早く食べてみてよ♪」

「……」

 チラリとジュリサを見ると、その瞳は一点の曇りもなく輝いている。

「……へ、へへ。俺、これを食べ終えたらルーナ達とにゃんにゃんするんだ」

 見目麗しい少女三人の艶やかな下着姿思い浮かべる。

 うむ。やはり黒はいい。

 ……。

 何か立てちゃいけないようなフラグが盛大に立ったような気もするが……。

「…………いざっ」

 ――あむっ。



 ……。



 その日、俺は星になった。






 後日談である。


 精霊武闘祭とは精霊祭で行われる伝統ある闘技大会であり、その参加者の殆どが精霊使いであり、また参加の条件には精霊使いであることが必須である。

 ただし、例外的に一般出場枠で参加した人物のみ、精霊使いである必要はない。

 だが一般参加枠はたった一つしかなく、それを得るためには予選会で優勝する必要があるのだ。

 当然、一般出場枠は貴族や有力者の推薦が得られなかった精霊使いや他国から来ている実力者などが狙っているため、それを得るのは至難の業であり、予選会自体が中々の激戦区なのだ。


 当然の如く俺はそれを制した。

 仮面をかぶり、並み居る精霊使いや実力者などの猛者を叩きのめして一般出場枠をもぎ取ったのだ。


 ……。


 尤も、何故か体中に出来た紫色の斑点と四十度を越える熱のせいで本来の力の一割も出せなかったが……。


 南無三。

ご感想・ご意見・各種批評・間違いの御指摘などをお待ちしております。


コメントで質問があったのですが、魔王は少し休載です m(_ _)m


申し訳ありませんです、ハイ。


元々作者は熱が入らなければ書かないタイプなので、今は雪華に熱が入っていて他は後回しという状態です。


一応、元々プロットは完成していますし、ジパング編とその後もストーリー自体は出来上がっています。


徐々にですが続きも書いてはいるので、気長にお待ちくださいなw

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