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ップを入れてハンバーグのソースを作ってトロリとかけて。
「よし、でーきた」
エプロンの腰の紐を引く。
さっきから廊下をアルデバランがうろついているようだ。
目を向ける。
「ん?」
二匹いるように見えた。
目を擦りながら廊下に行く。
ワン!とアルデバランの鳴き声。
見るとアルデバランの前に花がへたりこんで座っている。
「あらちょうどよかった、ご飯できたわよ」
花はただただ呆然としていた。
「なに……これ」
部屋に戻ってベッドに座り、また水晶を眺めていた。
(魔法……)
ギュウウウウウン。
水晶から精霊が飛び出す。
「うわわ」
花は突然でてきた精霊に驚いてしまった。
「ポポポポポポポポポポポポー」
ベッドに転がる。
「やっと出られたポポ」
「ちょっとあなたさっきの魔法どういうことなのよ、いきなり小さくなったり、姿が変わったり」
「面白かったポポ、もっとやるポポ!」
転がり続ける精霊。
「ポポンは何も知らないポポー」
結局この精霊と魔法の力については何もわからないままだ。
「お腹すいたポポ! お腹すいたポポ!」
手足をばたつかせている。
「あなた、何を食べるのよ……」