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かずさは地面に横たわりながらその塊を凝視していた。
「とめられないの……」
かずさは自分の肌が粟立っているのを感じていた。
「なんだあれは……」
カブトムシと対峙していた信也も動きを止めて塊を眺める。
舞と熊谷を遠くに横たわらせたヘレルは自分の片翼を前にもってきてじろりと覗かせた目で塊を見定めていた。
ピンクの塊の中心から光が凄まじいはやさで排出された。
それと同時にピンク色のゼリーはその全てがはじけて飛んだ。
ベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャ。
「ポポーン」
超巨大なポポンが現れた。
男はぽかんとする。
「な……」
放出された光ははじけてそこから花がでてくる。
ポポンを見上げて、
「わたし小さくなったのかな」
自分の手を見る。
「いや、なってない」
「なんなんだこれは、僕はこんなものを作ろうとしていたのか? いや、そんなはずは」
男は、ただ呆然と立ち尽くす。
「助けてくれ」
と口から言葉がこぼれた。
カブトムシもいつのまにか消えている。
ポポンを眺める信也。
「でかいな」
ポポンは男を見下ろしていた。
あーんと口をあけて男を丸呑みにした。
どこだろうここは。
とても居心地のいい……
どこか懐かしい。
白い空間に漂っている男の目の前に、光の粒子が集まって女性の形になった。
その女性は男を優しく抱きしめた。
ふわりと柔らかな良い香りが記憶を呼び覚ます。
頭の痛みが消えていった。
男も優しく相手を抱きしめ返す。
「僕は一生君を想っていたい」




