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握りしめていた両手から光が漏れてきた。
温かい温もり。
そっと開けてみると、水晶が光輝いていた。
助けに来てくれたポポ?
ああ、ポポンか。
またわたしは手を握りしめて胸に押し当てた。
「結局役に立たなかったけどね」
「そんなことないポポ。来てくれて嬉しいポポ」
「あの時、せっかく励ましてくれてたのにひどいことしてごめんね」
「氣にしてないポポ、仲直りポポ」
「ポポンを助けられなかったよ……」
頬を雫が流れ、手にぽたりと落ちた。
「大丈夫、いまから二人で助かるポポ」
「私たち死んでないの? どうやって?」
「この呪文を教えておくポポ」
「凄い力を感じるぞお! ついにくる! この時を待っていたんだ!」
(あれ、僕はなにを……頭が、頭が痛い、助けてくれ、たすけて)
稲光がはしり風が吹く。
ゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボ!
泥の海に一キロメートルはあるのだろうか巨大な渦潮が発生した。渦に吸い込まれて行き場をなくした空氣が底の方から上がってきて泥の泡の膜をはじけさせていた。渦の中心から泥が巻き上がり竜巻の様になった。曇天と繋がり雲も渦を巻き始める。
ゴゴゴゴゴゴゴと体が押されるほどの突風が吹く。
突然、巨大竜巻が無くなった。まるで消し飛んだかのように。
薄ピンクがかった透明な大きなゼリーの塊が浮いている。
「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!!!」
(僕はこんなことをしたいなんて思っていない!)




