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ザバーンッ!

 水面のせせらぎと穏やかな南風、白い砂とゴツゴツした岩と、透きとおったブルー。

 照りつける太陽は肌をじりじりと焼いた。

 ビーチサンダルをはいた足で波打ち際を歩くと、冷たい波が肌に氣持ちよかった。

「冷たー」

 大きな波がきた。

 履いていたビーチサンダルが脱げてさらわれる。

「あ……」

 一瞬のうちに遠くまでいってしまった。

 サンダルを目で追いかける。

 私はしばらくのあいだ漂っているサンダルを眺めていた。




おねえちゃんは白いワンピースと帽子に白い日傘をさしていた。

 横に旦那さんがいて寄り添うように岩場に座っている。

 私は走り出して海に飛び込んだ。

 バシャンッ!

 私は魚になった。

 水面(みなも)のゆらぐ天井窓から光のカーテンが降りて揺らめく。

 ひんやりと冷たい海の水に体の熱が馴染んでいく。

 珊瑚の花畑が広がって、縞模様、青、オレンジ、白、薄水色、赤からオレンジのグラデーションがかかったものや淡い紫色の魚たちがいっぱいいた。

あ、イカだ。

 ひれをうねらせながら泳いでいる。

 岩の下にはタコが隠れていた。

 黄緑のさまよう魚たちの群れ。

 ウニやシャコ貝がいて、茶色い甲羅とマダラ肌のウミガメがはばたいていく。

深い所まで来ていた。

 いつの間にか横に白い美しい魚がいる。おねえちゃんだ。

 白い魚はまるでついてこいと言わんばかりに先を泳いでいった。

 しばらくついていくと、いきなり止まった。

そこは海の底のもっと底、ぽかりと穴が空いて光の届かない闇があった。

 そこで動かずにいたおねえちゃんを見ながらなんだろうといぶかしんでいると、闇の底の方から光の欠片が群れをなして立ちのぼってくるではないか。

 目をこらすと、光の欠片ではなくて海の妖精たちだった。

 まばゆい光を放っている。

 輝く妖精たちは、私たちの横を通っていった。

 まわりは光でいっぱいになった。


 いつの間にか私とおねえちゃんは人の姿になっていた。

「あの人を助けてあげて」

「え?」


 

 (すい)(めん)に頭を出すと、いつの間にか太陽は海に沈もうとして夕陽になっていた。


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