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大切な君のピースが頭から消えてゆく。
日に日に消えていく。
忘れたくない。
もう、
僕は駄目かもしれない。
君の思い出がきえてしまったら、
僕は僕ではなくなってしまう。
キューブ状に凝固したそれがカランと音を立てた。
冷えた珈琲のはいったグラスは汗をかいている。
「いってくる」
信也は席を立ち上がろうとする。
「まっておじさん、花ちゃんが言いたいことがあるって」
と萌が言う。
花がなにやら紙に書いて信也に見せる。
わたしも連れていってください
「駄目だ」
その言葉を一瞥した信也は硬く言った。
花は信也の放った言葉を聞いた瞬間、口をへの字にしてポロリポロリと雫をこぼす。
「あー、おじさんが女の子泣かせたー」
信也は腕組をした。
「危険なんだよ」
花は紙に書き殴る。
それでもポポンを助けたいんです
「君は行ってなにができるんだ」
花はさらに泣き出した。
「おじさん、花ちゃんは私が守るから」
「おじさんの仕事を増やさないでくれ」
「おじさんなんて嫌い!まいちゃーん」
萌は舞に抱きつく。




