27/43
27
花の手が震えだす。
(こないで! こないで! こないでよ!)
ギュッと水晶を握りしめた。
(ポポン……!)
七色の光が闇を照らす。
ギュウウン。
ポポンが飛び出してフードの男に向かっていく。
「花に手出しはさせないポポ!」
小さな体の精霊の背中が花の目にはその時、頼もしく見えた。
「アアアアアアアアアアアアアアアア!」
男の絶叫が闇に響く。
闇から次々と手が伸びてきた。
ポポンはその手によって捕まえられる。
「花! 勇氣を持って立ち向かうポポ!」
ポポンは消えた。
(いや……)
涙が溢れてきた。
膝を折って膝立ちに呆然とする。
もう男の姿はない。
また空間は闇だけになった。
なにも聞こえてこない。
花は闇に一人きりになった。
闇が割れた。
そこからかずさと萌が来た。
「花ちゃん!」
花はとめどなく声を出さずに泣き出した。




