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どこここ?
昼の太陽の温もりと、生徒たちの騒がしい声がいなくなっている。
無音。
闇しかない。
闇の中には自分しかいなかった。
不安が押し寄せる。
花はどこかにあてもなく走り出した。
暗闇の中を。
行けども、行けども闇が広がるだけ。
誰か!
いないの?
助けて……
花ちゃん!
かずさお姉さん!
信也のおじさん!
お母さん!
お父さん!
お母さん!
ポポン!
花は転ぶ。
(怖いよ……)
足音がして振り向くとすぐそこに人がいた。
よかった人がいた。
と思うのもつかの間、フードをかぶったその人は、昨日会った得体の知れない人物だと、花は思った。
「あ……あ……あ……あたま」
フードを目深にかぶった男は手を頭にあてて苦しげにしている。
「返してくれ……それを、返してくれないと、僕は……おれわああああ!返せえええ」
昨日会った人物とはまるで別の人間だ。
だが確かに声は一緒だ。




