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 細かな水が細長く流れ落ちる。

 サーと、緑の葉にあたっては弾かれ地面までつたい土の色を濃くする。

 今週はクラスで育てている畑の水やり当番だった。

 花が来る前に先生が来ていて、畑の草いじりをしていた。

「原田先生、おはようございます」

「おはよー」

「先生、いつも畑にいるんですねえ」

「好きだからね」

「めんどくさくないんですか?」

「やりたくてやってたら、そんなこと思わないよ。花さんは好きなこととかないの?」

「本を読むのが好きです」

「本を読むのはめんどくさい?」

「めんどくさく思う時もあります」

 先生は苦笑いを浮かべる。

「けど、好きだから読んでいるんでしょう」

「うん」

「そういうことだよ」

「本を読むことはいいことでね、そうだなあ、先生は本をちゃんと読みだしたのは二十歳を超えてからだったんだけどね、もっと早く読んでいればなって思うの。本を読む習慣さえつけてしまえば勉強するのってかなり楽になるし、知識を頭に入れるのってとても楽しいことだって思えてくるようになるんだよね。それに氣づくのが遅すぎたのは痛かったなあ。あと十年早く、読む習慣を身につけていたらもっと違う人生だったかもとか思ったりもするけど、たぶん、東大だって夢じゃなかったね!とか言いたいけど、どうなんだろうね」

「でもさ、勉強って自分でやるものだから、学校に行って強制的にやらされるものに意味あるの?って思っちゃうけど、こんなこと生徒に言うもんじゃないわね、ごめん、ごめん」

先生は軍手を土で黒くして手を止めずに話し続けていた。

「じゃあ先生、わたし行きます」

「うん、またね」


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