(IF) 触れたい
婚約後の2人ですが、本編で会うのはあり得ないのでIF話です。
削った部分なんですが、気に入っていたのでこちらに投稿しました。
「アルフレッド様のせいで、太りましたのよ」
ツンと唇を尖らせたマグノリアが可愛い。
睨んでるつもりの目元が赤いのも可愛い。
「もう!聞いてらっしゃいます?」
「うん。マグノリアが可愛い」
「なっ。……そ、そんな話は、してません、わ」
段々と小さくなる声につられて近づく。
あ、首まで赤くなった。可愛い。
でも太ったってどこが?見た目全然変わらない気がするけどなぁ。
んー。見えないとこは想像………ダメだ。想像しちゃダメだって、ヤバイから。
首を振って雑念を振り払う。
「マグノリアは細すぎるよ。ほら、手も手首もこんなに細いし、抱きしめたらその細い腰が折れちゃいそうで怖いよ」
細くてすらりとした手を取り手の甲を撫でる。
手の先まで綺麗とか、女神なの?天使なの?
腰も僕の半分以下じゃないかな。ちゃんと内臓入ってる?
「そ、その……て……お離し、ください」
真っ赤なマグノリアに言われて初めて、手を取ったまま抱きしめるように腰を触っていた事に気がついた。
「あ!うわ!すみません」
やば。無意識で触っちゃったよ。
怒られるかな。
うわぁ。……でも、本当に細かったし、柔らかかった。しかもいい匂いがした。
ヤバイ。本気の本気で可愛い。あー、好き。
怒ってないかな。
そっと見れば真っ赤になった顔で睨まれた。
あー、やっぱり怒ってる。
「アルフレッド様だけずるいですわ。私も触りますわね」
そう言うと僕のお腹をそっと押すように触れてくる。
「あら?あら」
首を傾げると、今度は両手でさわさわと触るし、ふにっと指で押される。
これ、なんの拷問?
「意外に硬いんですわね」
「一応、男なので、筋肉はありますよ」
ふわっといい匂いがする。
向かい合うこの体勢って、抱きしめていいの?やっても引かれない?
腕が動きそうになるのを止めようとして、指が変な動きをしてしまう。
これじゃ変な人じゃないか、僕。
ふっとマグノリアが上を見上げると、両手を上げて僕の両頬を触る。
え?え?なに、この体勢?
どういうこと?
至近距離にマグノリアの顔があるんですけどっ。
マグノリアの手が僕の頬をゆっくりと撫でる。
「こちらの方が柔らかくて気持ちいいですわね」
「え、いや、あの、はい。…ありがとうございます?」
マグノリア。ちょっと落ち着いて。
そんな可愛い顔で笑わないで、破壊力すごいから。
僕、どうしたらいいのーー!?
結果 マグノリアの勝利。