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ウィルゼンの1日

誤字報告、いつも本当にありがとうございます。


こんにちは。ウィルゼン・サジ・マークロウです。

7歳になりました。


妹のシェラザードは4歳です。よく喋るし、たまに生意気な話し方をするけど、仕方ないからたまに遊んであげます。

僕の方が年上だからね。下の子の面倒を見るのは僕のお役目だと母さまも言ってました。

たまに遊びに来る従兄弟のゾイドも2つ下だから、僕が面倒を見ないといけない。年上って大変。


僕の生まれるちょっと前にドラゴンのキュイが赤ちゃんを産んだので、僕と赤ちゃんドラゴンは同い年なんだ。

キュイはペットじゃなくて、父さまのお友達なんだって。

だから、僕も赤ちゃんドラゴンと友達になりたくて、キュイが来た時はいつも会いに行っていた。

赤ちゃんの名前はリュクスって名前の男の子なんだよ。

初めはキュイから離れなくて、僕を見てもフンってそっぽを向いていたけど、好物の葡萄を持っていくと寄ってくるようになった。

リュクスは肉も食べるけど、葡萄が好きみたいで持っていくと匂いがするからそわそわしてるのがすごく可愛い。

僕と同い年なのに、弟みたい。

リュクスはあっという間に大きくなったけど、葡萄を強請る仕草や甘えてくるところは全然変わらない。

本当に可愛くてカッコいい。

最近やっと体を磨かせてくれるようになった。専用のブラシで鱗を磨いてあげると喜ぶんだよ。

特に首は気持ちいいみたい。顎の下を磨くとくすぐったいのかよく笑う。たまに笑いすぎて火を吐いて危なかった。


もう少し飛ぶのが上手になったら、乗せてもらうんだ。

僕1人乗れるぐらい大きくなったけど、自由に飛びすぎるから乗るのは危ないんだって。キュイに父様と乗せてもらいながら、僕は乗り方を覚えて、リュクスはその横を飛んで飛び方を覚えてる。

んふふふ。楽しみ。

シェラも乗りたいって言うけど、まだ小さいからダメなんだよね。でも我儘言って泣く時があるから、言い聞かせるのが大変。

もう!シェラなんていなくていいのに。

たまにそんな事思っちゃう。思っちゃう僕も本当だけど、でも、大切だって思う僕も本当なんだ。

むぅ。なんか、難しいよね。

シェラは今お昼寝中だから、僕はぞんぶんにリュクスと遊べた。

おかげでたくさん遊べたから、今度はシェラとも遊んであげなくちゃ。シェラのお兄さまだもんね。


キュイとリュクスを見送って、草や土だらけのお洋服を見る。

これは、母さまに怒られる。

こそっと帰って、こそっと着替えてこよう。

よし。これはスパイ作戦だ。

父さまと母さまにバレないように、お部屋に戻って着替える事がスパイである僕のしめい!

壁に貼り付いて、そっと歩きながら移動する。

途中、使用人のみんなに会ったけど「しーっ」ってしたら笑って肯いてくれた。

スパイには協力者が必要だもんね。

そーっと、そっーと、歩いていく。

絨毯の赤い部分は火の海で、青いところは深い海だから落ちたら大変。緑は草だから大丈夫。でも、緑少ない。

あ、黒はリュクスの目とおんなじだから大丈夫。

進んでいくと、声が聞こえた。

父さまの声だけど、なにを話してるんだろう。


開いていた扉からお部屋の中を覗くと、父さまが母さまを抱っこしていた。

いいな、母さまお膝に乗ってる。

2人で内緒話してるみたいにおしゃべりして笑ってる。

むぅ。なんかずるい。

作戦変更。そっと近づいて父さまに抱っこしてもらおう。


足音を消してそっと近づいたのに、父さまには、バレていた。父さますごい。

母さまは僕の格好を見てビックリして慌てて父さまのお膝から下りてた。なんでお顔が赤いのかな。

父さまが笑いながら母さまのほっぺにチュッとキスをする。

いいなぁ。でも、もう大きくなったからちょっと恥ずかしいから言わないよ。


「ついでだから、父様とお風呂に入ろうか」

「はいっ!入ります」


元気よく返事をしたら、抱っこされた。


「父さまっ、僕もう赤ちゃんじゃないですっ」

「うん。そうだね。でも、その格好じゃ廊下が汚れるからね」


あ、そうか。それじゃあ、仕方ないよね。

んふふふ。仕方ないよね。

抱っこされると母さまを見下ろせる。背が高くなったみたい。


「マグノリアも一緒に入る?」

「結構ですわ。お二人で仲良く入ってらっしゃいませ」

「残念。じゃあ、夜に一緒に入ろうね」

「っ!は、入りませんわっ」


父さまが誘ったけど、母さまは真っ赤になって怒っちゃった。

父さまは母さまが怒っても嬉しそう。

僕は怒られると悲しくなるのに、父さまは変だと思う。

母さまに「いってきます」と手を振ると、振り返してくれた。

作戦変更。父さまとお風呂。背中を流してあげよう。


僕はお風呂で、リュクスと遊んだ話や今日やった勉強の話をした。

今日も楽しかった。

明日はシェラと遊んであげよう。

仕方ないから、お人形遊びにも付き合ってあげるよ。

だって、僕はお兄さまだからね。


使用人みんな子どもたちが大好きです。

のびのび育ちそうな環境ですよね。


ゾイドくんはクラウドの子どもです。

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