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<休載中>豪運 違う世界に飛んでしまいましたが、お金の使い方はよくわかりました。  作者: ノニジュース


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商会設立

ちょこちょこ更新していこうとおもいます。

またどうぞよろしくお願いします。


「とりあえず、なにができてなにができないのか、だよね。」


「そうだな、ちゃっちゃっと調べてみよう。」


そう言いながらあきらは虚空に手をかざす。


あきらの装着するレンズには、ユーザーだけが利用できる立体ホログラムによる操作が可能なパソコンが搭載されている。


そのパソコンを利用して、現在も惑星全体の情報収集を行なっているシャトルのデータベースにアクセスする。


「なにかわかった?」


「いま魔法の使い方をダウンロードしてる。」


「ちょっと私の方にもダウンロードしといて。」


「了解。」


親機であるあきらのレンズから子機の瞳のレンズにも情報をコピーする。

そして、アクセス権限を一部譲渡することによってシャトルのデータベースにもアクセスできるようにした。


「アクセス権限渡しといたからひとみのほうでもシャトルにアクセスできるよ。」


「やった!ありがとう!!!」


「はーい。」



そうしてしばらくののち、二人はこの世にある魔法の扱い方を全てほどほどに熟知した。



「魔法って結構あっけなく使えちゃうもんだね。」


「ほんとね。」


二人は掌に顕現させた火の玉を弄んだり、水の玉を弄んだりしながら呟いた。


ちなみにこうやって弄んでいる間にも料金が発生しており、口座からは毎秒あたり500円程度失われていっている。

しかし、あきらの残高の920兆円は、銀行の預け入れ利息によって毎秒数十万円の勢いで増えていくため、毎秒500円の出費などほぼノーリスクに等しい。



「この世界でなにしよっか。」


「うん。まず水でも売ってみようか。」


「水?水なんて売れるの?」


「俺たちの世界の水とこちらの世界の水は味が違う。」


「たしかに。」


「こちらの世界の水は、俺たちの世界でいう『昔の水』みたいた。」


「うそっ!?まだ無処理水なの!?」


「昨日成分解析にかけてみたらそうだった。

でも俺たちが大学生の頃の水道水よりは質が高いのはたしかだけどな。」


「そうなのね…。」.


「で、いま俺たちが魔法で出した水は、俺たちのイメージに引っ張られてる水だから、成分処理水が出てる。


この成分処理水、こっちの世界にもちゃんとあって、名前がついてる。

なんて名前だと思う?」


「えっ、酒?」


「アルコールは入ってねぇよ。


名前はね、ハイポーション。」



「…っ!」


「ちょっとこれを売ってみる。」


「わかったわ。」


二人は昨日の金子さんの教え通り、商工会に向かった。



「すいません、昨日泊まったホテルの金子支配人に聞いて伺ったんですが、こちらで商売を始めようと思いまして挨拶に伺いました。」


「かしこまりました。金子様からお話は伺っております。


霧島様でございますね?

どうぞご案内申し上げます。」


「恐れ入ります。」


夫妻は受付の方に案内され、奥の応接室に通された。


「こんにちは、当商工会の会頭を務めております野村と申します。」


応接室にはすでに野村が控えており、名刺を差し出してきた。


「これはこれは、恐れ入ります。

私、DAYSホールディングスの霧島あきらでございます。

こちらは妻のひとみです。


「よろしくお願いします。」


そう言いつつ野村に二人分の名刺を渡す。


こちらの世界にはホールディングスという概念はまだ無いので、あまりピンときてはないようだがそんなことは些事である。



「ありがとうございます、霧島様。

それでは本題に移らせていただきますが、金子から聞くところによるとご商売をお考えだとか?」


「そうですね。とりあえずは小売か卸売を考えております。」


「品目をお聞きしてもよろしいですか?」


「ポーションです。」


ポーションと聞いた瞬間、野村が唾を飲み込んだのを感じた。


「ぽ、ポーションですか。」


「はい、特殊な製造方法を確立しておりますので、高品質なポーションのまとまった在庫がございます。」


「高品質…。」


「しかも聞くところによると、こちらのポーションはあまり味が…。」


「ポーションといえば、あのような味が普通なのでは?」


「たしかに、薬効成分の高い植物を使う以上青臭さや苦味は避けては通れませんよね。

でもそれはもう昔の話ですよ。」


どうぞ。と言ってあきらは装飾が施されたガラス瓶を取り出す。


「こ、これは!?」


野村が失礼しますと言って鑑定を発動した。

さすがは商工会で若くして会頭まで上り詰めているだけある。

かなり高精度の鑑定魔法が使えるようだ。


「我々が確保しているポーションです。」


「こちらは私の鑑定魔法によると、ハイポーションⅢと出ております。

クラスⅡから上級ポーションとなりますので、こちらは最上級ポーションですね…。」


「そうですね。こちらが以前出した別の機関による鑑定結果も同じです。」


もちろん嘘だ。

なにもわからないこの世界では情報が一番の財産であることなどわかりきったことなので、鑑定魔法などは、いの一番に自分で取得した。

金にものを言わせて使いまくってカンストさせておいたのは言うまでもない。


「こちらのポーションを幾らで卸す、もしくは販売のご予定で?」


「うーん。野村さんならいくらで買い取りますか?

もちろん野村さんが販売されると考えての卸での買値です。」


「うーん、1本当たり20万円でどうでしょうか。」


ハイポーションⅢは具体的にいうと骨折が治るレベルの治療補助薬だ。医療機関などでもよく利用されており、医者の技術や魔法で骨をまっすぐに戻した後幹部に塗り込むという使い方をする。

医療機関に卸す場合だと、大量に仕入れてくれるので一本あたり大体6〜70万円。

もちろん服用も可能なので、小売販売もされており、その場合の売値は大体80〜100万円と言ったところだ。


ちなみにポーションにはランクがⅤまであり、Ⅳで部位欠損の回復、Ⅴで即死以外は即治療と言ったぶっ壊れ性能になっている。

もちろん値段もⅣから跳ね上がり、Ⅴに至ってはもし売れば末代まで遊んで暮らせるという。



もちろん安定的な製造は出来ず、探索者と呼ばれる職種の方々が世界を探索して発見してくる。

ハイポーションⅣの発見例はこれまでに136件

ハイポーションⅤの発見例はこれまでに7件のみとなっている。


「1本当たり20万円ですかぁ。

野村さんのお考えはよく分かりました。」


「っ!そうですか!!!」


「では、商会を設立致しますので、書類をお願いします。」


「えっ?ポーションを売却してくれるのでは?」


「20万円でこのハイポーションⅢを?」


「っ!」


「売ると思います?」


「25!」


「他にも買い取ってくれるところはありそうですねぇ。」


「貴様っ!

こっ、この街で物を売れなくするぞ!」

野村が青筋を立てて怒り始める。


「そんなことが可能なのですか?」


「商工会で圧力をかけます。」


「それは怖い。」


「でしょう。いまならそのポーションの在庫を全て渡すのなら手を打ちます。」


「ひとみ。」


「はいな。」


ひとみが手元を操作すると、応接室の壁に映像が映し出された。

先ほどの恫喝の場面だ。


「で?いくらで買っていただけるので?」


「50万円で買い取らせていただきます。」

顔面蒼白の野村くんは、相場より少し色をつけてくれたようだ。


「野村さん、あなたは鑑定は使えても人を見る目はありませんねぇ。

真っ当な商売をしないと先はありませんよ?

もちろん安く仕入れて高く売るのは商売の基本ですから、悪いこととは言いませんが。」


「はい…。」


「何事もほどほどが肝心です。

売り手良し、買い手良し、世間良しの三方良しでなくては商売は長続きしません。」


「ありがとうございます。」


「それではポーションを5000本お渡ししますので、25億円用意してください。」


「にっ、にじゅ…!

か、かしこまりました!!!」



こうして25億円を手にし、商会を設立したDAYSホールディングス異世界支店は船出の日を迎えた。



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― 新着の感想 ―
[一言] 更新待ってました。 無理のないペースで頑張って下さい。
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