第9話、ブルースーパーマーケット
彼女たちはレゲームセンターを出たあと、エレク図書館に戻り、コインロッカーからピースの楽譜を取り出しました。
渉夢はピースの楽譜の3節目のところを歌ってみます。
「僕らは~、囚われのENCOURAGE~、本の世界の中で~、1人動けずに歌う~。蒸発した友よ~、そこにいるなら~、この歌を歌う君のことを~、守ってあげて欲しい~。ともに歩め~、ゴー!」
「蒸発した友よって、どう考えても……」
「そうだよな」
「みゃー」
渉夢がピースの楽譜曲の3節目を歌い終えると、オープたちが、ビリービングの方をじっと見ていました。
「何だよ、そんなガン見して」
と、ビリービングは苦笑です。
「ピースさんの3節目の歌詞、本当は君、知ってたでしょう。どうして、ゲーセンに行く前、私たちに教えないでコインロッカーに預けたりしたの?」
渉夢がむっとした表情で尋ねると、
「お前にピースたちを捜すことをやめて欲しかったから」
と、ビリービングは渉夢が今歌ったピースの楽譜曲の部分のところを、少し口笛を吹いたあとにそう言いました。
「それだけ?」
「それだけじゃない。お前を守るなんてごめんだと思ったからだ。冗談じゃない。ピースの歌詞がふざけている」
「ビリービングくん、そんなに考えなくていいよ。自分のことは自分で守るから」
「………」
渉夢が自分の顔を真っ直ぐに見て言ったからでしょう。ビリービングは顔をそらします。
「みゃっ、みゃみゃっ、みゃみゃみゃ」
そんな彼に突然、クログーが笑い出し、エレク図書館の中が数秒だけ静まり返ります。けれども、すぐにまた元のにぎやかな雰囲気に戻りました。
「クログー?」
「ごめんなさい。普段、考えすぎな渉夢が、ビリービングにそんなに考えなくていいって言ったことが、おかしくなっちゃって」
「それよりもさ、ピチスお兄ちゃんの楽譜曲の3節目にある“本の世界の中で、1人動けずに歌う”がどういう意味か、気になるんだけど」
そこでオープが、ピースの楽譜曲の3節目について話題を変えます。
「うーん、本の世界の中って……」
「うーん、本の中の世界は本の中の世界だよね」
ファオと渉夢がうなっていると、
「お前ら、ピースの歌詞の“本の世界の中で”の意味が図書館の本の中だって、すぐに気付けよ」
ビリービングが両腕を組んで言いました。
「あ、そっか!」
「おー、ビリービング、頭いいな!」
「あんたらが鈍感なの」
相槌を打った渉夢と、拍手をするファオに呆れていたビリービングです。
「ビリービングくんが気付いたことを言ってくれたから助かったよ。私、2階の本棚の方に行って捜してくるね」
「みゃみゃー」
「ゴー、あたしも2階の本棚を手伝うよ」
「よーし、捜せ、捜せーい、捜せーい!」
渉夢たちが2階へ行ったあと、ファオも1階の左端にある本棚の本から取り出し、めくり始めると、ビリービングも右端にある本棚の本をめくり始めながら、
「あんたは昔のどこかの武士かよ。俳優みたいに上手く演じているな」
と、言いました。
「って、ぼく、俳優だけど」
「マジで……?」
そうして、渉夢たちは2階の本棚の本、ビリービングたちは1階の本棚の本を隅々までめくっていきます。
渉夢たちのいる2階で起こった出来事です。右端の1番奥の本棚に並べられた本をめくっていたときのことです。オープが悲鳴をあげます。
「ロッビ!」
少女の悲鳴の声が分かったのでしょう。ファオが2階まで階段を急いで上ってきました。
「何があったんだ?」
ビリービングもファオのあとに2階に来ます。
「ほ、ほほ、ほほほ……」
「ロッビ?」
「ほほほ……」
「こりゃ、だめだ。ぼくと外に出よう」
ファオはパニック状態で目が回っているオープをおぶり、エレク図書館を出たのでした。
「オープ、大丈夫かな……」
少女たちを心配そうに渉夢が見送っていると、
「今、オブーが見てた本はこれか?」
ビリービングが床に落ちていた赤茶色の表紙の本を拾おうとします。赤茶色の表紙の本は開いたままの状態で落ちていました。
「うん、それ」
渉夢の返事を聞き、赤茶色の表紙の本を拾ったビリービングは、本の内容を見てみます。すると、彼は驚いた表情になったのです。
渉夢も彼の横から本の中身をのぞくと、目を丸くします。黒のジャケットにズボン、白のシャツを着た緑のメッシュが入った金髪の男性が、本の中にいたからです。ENCOURAGEのエフォートでした。
エフォートは口をパクパクと、渉夢たちに何かを訴えていました。
「何て言っているのか、さっぱりだけど、オレたちに助けを求めてる感じはする」
「エフォートさん、すぐに助けますからね」
歩夢はピースの楽譜曲の1節目を歌い、エフォートを救出します。彼は、赤茶色の表紙の本から脱出することができたのです。
「あゆむちゃん、サンキューな。ふー、死ぬかと思った。本の中の世界どころか、本の中にただ閉じ込められただけだから、周りが真っ暗だった」
「怖かったですね」
「さあ、あとENCOURAGEは何人だ? 早く全員、見つけようぜ!」
「へーい、まだオレ、何も話してないんだけど」
エフォートが片手をあげます。
「ビリービングくん、もうちょっとエレク図書館にいよう」
と、渉夢が言いましたが、彼は階段の手すりに掴つかまり、2階から下りようとします。
「いようって、もうここには用はねえじゃん。次どんどん捜して行かないと、デューブルにこの異世界を変えられてしまうんだよ」
「!」
渉夢はデューブルの名前に反応します。そして、まだ会ったことがないのに、とても怖い男性の姿を再び想像してしまっていたのでした。
「まったく、ビリービング、お前は人との接し方と会話の努力をもう少しした方がいい」
エフォートが指摘しますが、ビリービングは知らん顔です。
「だって、そんなにあんたと会話することなんか、別にないだろ」
「それもそうかもしれないが……」
「エフォートさん、ピースさんたちのことなのですが」
渉夢が声を掛けると、
「ほら、ビリービング、この子のように優しく話し掛けに来ないか。あゆむちゃん、どうした?」
と、エフォートは彼女の肩を軽くぽんと叩きます。
渉夢はエフォートにも、ピースたちが失踪してしまったことを話しました。それを知った彼は、つい腕が後ろに動き、近くにあった本棚に気付かなかったか、肘をぶつけ、2階にあったいくつかの本棚を倒してしまいます。
エレク図書館2階の本棚をエフォートが倒してしまったことで騒ぎになり、渉夢たちは彼と司書たちに追い出されてしまったのでした。
「みゃー、みゃみゃー、あんなに怒って追い出さなくたっていいのにー」
クログーは首をぷるぷるっと振っていました。
「ネコくん、オレが悪かったんだ。あとはこれで、おまいさんの怒りをぶつけておくれ」
エフォートは黒の鞄から、ネコ用のコンパクトサイズの爪磨きをクログーに与えます。クログーはすぐに爪磨きの上で、がりがりと爪とぎをしていたのでした。
「ゴーたち、大丈夫かー!?」
渉夢たちが、エレク図書館の司書に追い出されたところが見えたのでしょう。ファオがまだ真っ青な表情のオープとやってきました。
「あれ、エフォートさんだ。何だ、さっきあたしが見た本の中で動いていたのは、エフォートさんだったんですね。あたし、エフォートさんだって知らないで、勝手にボギーノイズが本の中にいたのかと勘違いしてしまっていました。よく確かめられなくてすみません……」
オープは彼の姿を見ると、顔色がだんだんと良くなります。
「オープ、ピースたちのことは、あゆむちゃんから聞いた。いとこのお兄さんのことで辛かったな」
「ありがとうございます。あ、エフォートさん、コンティーニュさんがモッズドタウンで見つかりましたよ」
「おお、そっか。コンティーニュはどこ?」
「ワールドタウンに帰りました」
「オレも一旦、そっち帰った方がいいか。おふくろと親父と、シロネコの姉貴に心配掛けているよな」
「失礼しますが、エフォートさんのお姉さん、ネコなのですか?」
渉夢が気になったことを彼に聞くと、
「ああ、オレより長く生きてる。大きさは君のネコくんとそんなに変わらないけど、しっかりとした姉貴だよ」
と、答えてくれます。
「いいな、ネコの姉貴」
ビリービングはそう言ったあと、後ろを向きます。
「そう? オレが帰るといつも姉貴にわめかれるけど」
「そういうのもいいな」
「よくわからない奴だな、ビリービングは。じゃ、オレ、ワールドタウンに帰るけど、あゆむちゃんたちの助けになれることをコンティーニュと話し合ってくるわ」
エフォートは渉夢たちに手を振ったあと、ちょうど足もとに落ちていた木の枝の棒で平行な五本線を書きました。
次に五本線の上にト音記号を書きます。そのあと彼は「ワールドタウンへ」とドレミファソラシドのメロディーで歌うと、姿を消したのでした。
「ゴー、あたしたちも行こうか」
「そうだね」
エフォートが魔法を使ってワールドタウンへワープしてから、渉夢たちもエレクトタウンをあとにしました。
「次、どっちに言ったらいいだろう」
「おい、進実渉夢」
「何よ」
渉夢の代わりに返事をしたオープです。
「オブーは呼んでねえ」
「あんた、その呼び方、何とかならないの?」
「そうだよ、オブーって何?」
渉夢もオープと怒った表情で聞きました。
「お前は、オレと2年前に出会ったときから、ピースたちによくおんぶされてただろう。だから、オブーだ。さっきのエレク図書館のときも、そこの俳優におんぶされてただろう」
ビリービングに言われ、オープとファオは顔が赤くなります。
「うー」
「ああ、おぶってたな」
「オブーはわかるけど、どうして、あんたが顔を真っ赤にしているんだ?」
「え、オレ、そんなに顔が赤くなってた?」
「そりゃあな」
「よしなよ、ビリービングくん。ねえ、さっき、私に用がなかった?」
ファオを冷やかすビリービングを止めた渉夢です。
「用は、お前、ピースの楽譜をちゃんと小まめにチェックしろ。歌詞が増えてるかもしれないから」
ビリービングは渉夢にびしっと言ってきます。
「チェックなら、してるよ。ピースさんの楽譜曲の最初を歌うと、矢印方向に変化する光の音符が出たり、歌詞がずらっと出たりするよ」
むっとなった渉夢でしたが、自分の黄緑のストライプが入ったリュックからピースの楽譜を取り出して見ます。
「あのな、ピースの楽譜曲の最初ら辺を歌って、道案内の音符を出したところまでのアイデアはナイスだ。でも、それだけじゃ、新しい歌詞は出てこないぜ」
「ビリービングくん、ピースさんの楽譜のことで詳しいんだね」
「2年前にオレがENCOURAGEと異世界ミュージーンを旅していたとき、途中でピースとはぐれたときがあったんだ。で、オレは今のようにピースの楽譜歌詞と曲を頼りにしてきた。こういうふうにな」
と、ビリービングはいつも背負っている青のデニムのリュックから、オカリナを取り出します。
「君が持ってるオカリナもまさか、ゴーたちの持ってるマジックインストルメントのようなものなのか?」
ファオがビリービングの持つオカリナを見て尋ねると、彼は頷き、
「真っ暗の中~、それでも歌う~、僕らは君に~、期待の歌を送る~、僕らは~、囚われのENCOURAGE~。この歌を歌う君よ~、僕らをきっと~、捜し出してくれ~、今こそ進め~、ゴー!」
と、歌ったあと、ビリービングはオカリナで歌詞の“ゴー!”の曲のところを吹いたのです。
美しいオカリナが響くと、渉夢が持っていたピースの楽譜から光の音符がたくさん現れ、ビリービングの周りを1周します。
そして、ピースの楽譜に歌詞の4節目だけが自動的に書き込まれていきました。
「歌詞の続きが現れた!?」
オープは渉夢が持っていたピースの楽譜をのぞきます。
「ビリービング、すごいな。今、歌詞を見ないでピースの曲を歌ってたよな」
ファオが褒めると、
「ピースの楽譜歌詞と曲は、あんたたちがエレク図書館の近くの休憩場でボギーノイズを相手にしている間に覚えた。オレは歌と歌詞を覚えることは得意だからな」
と、口の端を上げたビリービングです。
「ゴー、4節目、何て書いてあるの?」
オープに聞かれ、渉夢は歌ってみます。
「僕らは~、囚われのENCOURAGE~、カプセルの中で~、1人動けずに歌う~。この歌を歌う君よ~、蒸発した友よ~、それぞれが怯まず進め~、ゴー!」
「何だ、この歌詞と曲……」
「そう言っているのビリービング、あんただけだよ。ピチスお兄ちゃんの曲はね、勇気が出てくるんだから」
両手を腰にやり、ビリービングの方を見上げたオープです。
「けど、歌詞の“カプセルの中で”が分からないな。次、どこへ行ったらいいのか……」
「ファオさん、大丈夫です」
ファオが頬を指でかいていると、渉夢はピースの楽譜曲の1節目に入る前にある最初の音符をらららと歌い、矢印方向に変化する光の音符を出しました。
「みゃ、みゃみゃ!」
矢印方向に変化する光の音符が現れると、またじゃれようとしていたクログーです。
「こら、クログー!」
渉夢はペットを抱っこし、矢印方向に変化する光の音符のあとを仲間たちと追いました。
エレクトタウンから、しばらく直線を走り、左に曲がった道を走ると、キラキラの音符のトンネルが見えてきます。渉夢たちはそのまま、トンネルをくぐりました。
キラキラの音符のトンネルを抜けると、フラットの音符に囲まれた看板に『ブルージータウンへようこそ!』と書いてあります。その看板を通りすぎた先に、目立つスーパーがありました。
「おー、ブルースーパー、ブルースーパーだ!」
「ゴーたち、スーパーに寄ろうよ、寄ろう!」
「げ、スーパー……」
オープとファオが張り切っていると、ビリービングはうんざりとした表情です。
「ビリービングくん、そんなこと言わないでさ、行こう」
「みゃー」
「お前ら3人と1匹で行ってきな」
渉夢たちに断り、ビリービングがどこかへ行こうとすると、渉夢は彼を強引に引っ張り、
「だめ、勝手にどっか行こうとしないで」
と、無理矢理ブルースーパーへ連れて行ったのでした。そんな渉夢たちのやりとりに、オープたちも笑いながらついて行きます。
異世界ミュージーンのブルースーパーの外装は、渉夢たちの故郷である地球のスーパーとそんなに変わらないようです。
渉夢はスーパーの買い物カゴを持ち、どんどん先へ進みます。
「さすが、進実渉夢だな」
ビリービングは先ほどのことで根に持っているか、皮肉っぽく言いました。
「でも、前のあんたなら、それでも別行動をとってたじゃん」
オープがにやりと笑うと、
「うるせーよ、オブー」
と、ビリービングです。彼は渉夢が見ていたパンのコーナーと別の食品コーナーを見ていました。クログーもビリービングのあとについてきていたのでした。
「ゴー、それ買いたいのか?」
ファオが渉夢のところに来ます。
「うん、花のパン欲しい。けど、そうだ私、異世界ミュージーンに来てからお金がないんだった」
「もう、ゴー、買い物カゴを持ってる意味ないよ。お金のことなら、あたしがあるから大丈夫だよ」
ファオのあとに来たオープが明るくそう言うと、
「ぼくもお金があるから、遠慮しないでどんどん好きなものを買いな」
と、ファオも渉夢にそう言ってくれたのでした。
「ありがとうございます!」
渉夢は嬉しそうに二人にお礼を言います。
そうして、渉夢はスーパーのパンのコーナーから花のパンをたくさん、オープはデザートのコーナーからプリンゼリーをたくさん、買い物カゴに入れました。
ファオも、ドリンクのコーナーからメロティーを10本以上は買い物カゴに入れ、レジに並ぼうとします。
お菓子コーナーを見ていたビリービングとクログーは、渉夢たちがレジに並ぶところを目にし、
「あいつら、買いすぎじゃね?」
「みゃ、みゃみゃ、渉夢たち、とても買い物好きだったのね……」
そうつぶやいていたのでした。
ブルースーパーのレジは、カラフルなエプロンを着た店員の人やデグーに似た動物たちがギターを持って立っていました。
渉夢たちは彼らに精算をしてもらいます。合計金額が出たときのことです。店員やデグーたちが、ギターでブルース音楽を演奏し始めました。
「あれ、サービス?」
演奏にうっとりしていた渉夢がオープか、ファオに振ると、少女たちは首を振り、
「ちがうよ、ゴー」
「あの演奏をしているときは、会計のとき、早くお金をきちんと払わないといけないんだ」
と、オープとファオは財布からそれぞれ、急ぎながらお金を出し合います。
精算が済むと、店員やデグーたちの演奏は止まり、
「ありがとうございましたー」
と、何匹かいたうちの1匹のデグーが、渉夢たちを出口まで見送ったのでした。それに続き、何も買わなかったビリービングとクログーもブルースーパーの外に出ました。
「そうだ、オープ、スーパーといったら、あとはガチャガチャだよね。ガチャガチャってある?」
「あ!」
渉夢の言葉を聞き、オープが何か思いついたようです。
「ロッビ、どうかしたか?」
ファオが尋ねると、オープは彼に何度も頷いたあと、渉夢たちに言います。
「ピチスお兄ちゃんの楽譜曲の4節目に書かれてあった歌詞の“カプセルの中に”のところ、意味がわかったかもしれない。ガチャガチャのカプセルのことだ」
「もし、そうなら、ピースさんの楽譜を出してっと……」
渉夢が、彼の楽譜曲の最初を再びらららと歌うと、ピースの楽譜はヒラヒラとブルースーパーの外にあったガチャガチャコーナーの方へ飛んで行きました。
「やっぱり、ここに失踪したENCOURAGEの歌手の誰かが囚われているんだね」
「みゃー、渉夢、ガチャガチャコーナーのマシーンからどうやって探すの?」
「ネコの言うとおり、ガチャガチャは有料だ。さっき、スーパーでお前ら、いっぱい何か買ってただろう。お金、まだあるのか?」
「あるから、大丈夫だよ」
「ぼくも大丈夫。ENCOURAGEを助けるためなら、ガチャガチャにお金を使うよ」
「オープ、ファオさん……」
少女たちにじんとなった渉夢でした。
オープはピースの楽譜が落ちた場所のガチャガチャのマシーンを選び、ファオとお金を出し合い、ガチャガチャマシーンを回します。
1回目に出したガチャガチャのカプセルを開けると、中身は可愛いグッズです。2回目、3回目のガチャガチャマシーンを回しても、中身は同じ可愛いグッズで、オープとファオは10回以上、ガチャガチャを回していました。
ようやく、16回目にガチャガチャを回し、オープがカプセルを開けたとき、変化が見られます。
可愛いグッズが光り出し、ぽんっと黒のジャケットにズボン、白のシャツのワイルドヘアーにメガネをかけた男性が現れたのです。
ENCOURAGEのメイクでした。渉夢たちは彼を連れ、ほぼ売り切れ状態の1台のガチャガチャマシーンを残し、ブルースーパーから移動したのでした。
一方、渉夢たちが移動してから、しばらく経ったあと、渉夢の先輩の夕葉未莉が単独でブルースーパーで買い物をしに来ていました。彼女はアイスコーナーでアイスチップスと書かれてあった商品を買ったあと、姿を消しました。