初めてのクエスト?(2)
クエスト名
《一角竜の角が欲しいんだ!》
内容・詳細
一角竜の角がどうしても必要で、4本ほど欲しいんだ。
すまないがお願いしてもいいだろうか。
一角竜の生息地は〈モンスターエリア42島 D地点〉が一番近いだろう。
報酬・見返り
5000ルキ
最終確認・注意事項
無理だけはしないでくれ。
角が集まったらギルドマスターに渡してくれ!
☆
俺は今、リトと〈モンスターエリア42島 D地点〉に来ている。このエリアは草木が生えていないので砂漠エリアの部類にはいる。
この〈モンスターエリア42島〉というのを説明しよう。
この世界には主に2つのエリアが共存している。
1つは〈人類生息域〉だ。この〈人類生息域〉の中心部は王都である。その王都から無数に道が作られ、道の途中で町や都市、国が作られた。そうして今の〈人類生息域〉は膨大な広さを手にいれた。だが、これ以上道を作ることは無理になってしまった。
その原因が2つ目の〈モンスターエリア〉だ。その名のとおり、モンスターが無数に生息しており、武装もなにもしていない人が入ると100%に近い確率で生きて帰ってくることはできない。この〈モンスターエリア〉は所々に存在し、〈人類生息域〉を作ろうとしても〈モンスターエリア〉が邪魔して道を作れないと言うわけだ。
しかも、たちが悪いのは、モンスター達が〈人類生息域〉を脅かす存在だと言うことだ。
モンスター達が大規模で〈人類生息域〉に侵略してきたことはないが、小規模な被害などが、国や町で出ている。
そこで、王都のお偉いさん達が作戦をたて、実行日を決める(くじ引きで)。そうして、人類による〈モンスターエリア〉への侵略が始まった。最初のうちは苦戦していたが、だんだんと冒険家も加わるようになり、楽に〈モンスターエリア〉を侵略できるようになっていったそうだ。
いつか、俺も王都に呼ばれる戦士になる!とか思ってたっけ。
まぁ、そんなこんなで人類は〈モンスターエリア〉滅亡を掲げていると言うことだ。
そして今来ている〈モンスターエリア42島〉の42島だが、たいして意味はない。分かる人には分かると思うが、42島なんてくじ引きで番号が割り振られただけだ。
そして〈モンスターエリア42島 D地点〉のD地点も42島と同じ成り立ちだ。
「リト、本当にいいのか?全額俺にくれるなんて。」
「何度もそういっただろ?誕生日なんだから遠慮すんなよ!」
「なら、ありがたく頂くよ。」
いい親友を持ったな。本当に。
俺たちは久しぶりの再開ということもあり、話が弾んだ。クエスト中と言うことも忘れるくらい楽しかった。
しかし、楽しい時間もここまで、どうやら、敵がおいでなさったようだ。
一角竜が俺たちに気づき、明かな殺意を向けている。
「よっしゃ!レワン、ちゃちゃっと終わらせるぞ!」
「おう!」
おう!っと言ったところまでは良かった。だが、俺は一角竜の前になってようやく気が付いた。
俺ってどうやって戦えばいいんだろう。
待てよ?[ギルドマスター]って確か戦闘スキルないよね?
あれ?詰んだくね?死んだくね?チェックメイトじゃね?
動揺している俺の前に一角竜が集まってきた。
「ちょっ、ちょっと待ってくれよ。お前ら、なにも出来ないやつを狙うなんて最低だぞ!」
そんな俺の言葉を無視して一角竜達は近づいてくる。
こうなったら出来ることはただ一つ。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
全速力で逃げるだけだ!
全速力で逃げる俺に全速力で一角竜達が追いかけてくる。
リトが俺に何かを言っているような気がしたが、そんなのに構っていられない。
というか、なんか一角竜、足速くね?
なんかだんだん近づいてきてるような。
「はぁ、はぁ、はぁ、ぐはっ!」
何かと思ったら、石につまずいて転けてしまったようだ。
なんだ、脅かせんなよ。転んだだけでよかった。
って、あれ?なんでもう目の前に一角竜さんが?
・・・あー!なるほど。はいはいはい。
全然よくなかったわ!!
「や、止めてくれ!俺は美味しくなんかないぞ。」
もう終わった。そう思って、目を瞑った。
・・・?いつまで経っても食われる感触がしない。
まさか、飲み込まれたのか?そんな、不幸にも度が過ぎるだろ!
「いつまでビビってんだよ。ほら、もう目を開けろ。」
「・・・・え?」
「ったく、なにが「俺は美味しくなんかないぞ!」だ。人の話を聞かないからこう言うことに。って!なに泣いてんだ!」
「リト~~~!!」
初めてのクエストは悲惨な思いでとして残った。