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the くじ引き転職!  作者: 新人
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18才のスタート(3)

どうも、レワン=カルフォザード [ギルドマスター]です。

 さっきまで[ギルドマスター]についての説明を嫌と言うほど聞かされてもう浄化されてしまいそうなレワン=カルフォザードです。

 なんでこんなにも俺が[ギルドマスター]を嫌っているのかと言うと、簡単な話戦いが出来ないからだ。職業の中で唯一戦闘スキルを持っていないのだ。

 職業と言っても、たくさんある。

 大きく分けて2種類だ。

 18才の誕生日の中で手にすることが出来る戦闘に特化した『戦闘性職業』と50才の誕生日の中で手に出来る農家や商人などと言った『生活営業職』の2種類だ。

 この2種類の職業でどちらにも成りうる職業がある。

 それが[ギルドマスター]だ。

 [ギルドマスター]は、戦闘に付いていくことは出来るが、戦闘スキルを持っていないためただの足手まといになってしまう。

 それに『生活営業職』の中で一番効率が悪いとされている。

 たとえば農家なら農業と範囲が限定されているためそれに応じたスキルがつきしっかりとした生活が出来る。

 だが[ギルドマスター]は何にも決まっていないのでスキルが何もない。

 これっぽっちもない。

 なので[ギルドマスター]をしながら農業をしたりすると大抵赤字か元を取るのが精一杯といった感じですぐに辞める。

 ほんとに一番外れな職業なのだ。

 これだけでも最悪なのだが、最後にひとつ重大な問題があるのだ。

 それは、ギルドを建てる金もない。仲間のいない・出来ないということだ。

 もう一度言おう。一番外れな職業なのだ。

 しかし、こんなことを言っても始まらないので、いまは、とりあえず説明のとおり酒場へと来ている。

 説明では、酒場で仲間を集めつつ、簡単な依頼を地道にこなして金を貯めると言われた。

確かギルドの建設条件が《仲間3人以上(マスターも含め)》と《金(その土地に応じた額)》となっていたはずだ。

それが達成できるまでは作業ゲーということか。

戦士などの職業になったときのために、トレーニングはしてきたから、体力には自信がある。

俺は諦めと覚悟を胸に大きく深呼吸して

「・・・・やるしかねーか。」

 と呟き、人知れず笑って見せた。


 酒場はとにかくきつい。

 雑な作りの木造建築なのに人はごみのように多い。人口密度が多いところは苦手だ。

 とりあえず俺は酒場のマスターに『ギルドメンバー募集用紙』の掲示の許可をとりに行くことにした。

 酒場のマスターと思われる男(パッと見40才くらい)の隣に普通の10倍のでかさはある卵が目にはいったが見ないことにした。

「すまない。掲示板に『ギルドメンバー募集用紙』を掲示させてもらいたいのだが。」

 俺は、酒場のマスターと思われる男に話しかけたのだが。

「すまないな。俺はマスターじゃないんだ。」

 マスターじゃないだと?おかしい。この人以外マスターっぽい人はいないのだが。

 じゃあ、マスターは誰なんだと聞こうとしたが、それよりも早く答えが帰ってきた。

「俺がマスターだ。」

 一瞬目を疑った。一瞬耳を疑った。

 この普通の10倍のでかさはある卵から、声が聞こえたのだ。

 この普通の10倍のでかさはある卵に、目と口など、まぁ、顔があったのだ。

「・・・・は?」

 気づけば、こう返していた。

「いやいや、冗談でしょ。卵がマスターだなんて・・・うん、ありえない。」

「ふん、少年よ。現実をしっかり受け止めるというのは、とても大切なことなんだぞ。」

 そういって、卵は細い手でやれやれというしぐさをしている。

「それに、私は卵ではない。卵に似ていると言われることはたまにあるが、私は卵ではなく立派な[妖精]なのだ。」

「妖精⁉️んな、バカな。」

「あの球体食べ物に似ているとか、これから絶対に言うなよ。」

 絶対似てるって言われるのたまにじゃないだろ。

「んで、なんだ、確か『ギルドメンバー募集用紙』の掲示許可を取りに来たんだったな、いいぜ、許可しよう。」

「ありがとう。助かる。」

「おっと待ちな。お前さん[ギルドマスター]の新人だろ?ならこれから長い付き合いになる。自己紹介ぐらいしとかないとな。俺の名前はケッグだ。笑ったら殺す。」

 やばっ!忠告が無ければ今にでも吹き出すところだったぜ。

 たぶん今も抑えるのが精一杯で顔が変になっているだろう。

「お、おう。俺はレワン=カルフォザードだ。よろしく。」

 簡単に挨拶を済ませ、掲示板に張りに行った。

 内容はいたって簡単だ。条件設定は無し。以上だ。

 これで仲間は根気よく待つことしか出来ない。先に金集めをしよう。

「戦闘以外の依頼とか、あるかな。」

 ずっと掲示板に意識を集中していたせいで、周りに気を使っていなかった。

 案の定、他の人にぶつかってしまった。

「すいません!」

 そういってぶつかった方を見た。

 謝った先には、学生時代の親友の姿があった。


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