第五章 魔法ノ特訓
特訓一日目。
今日は快晴。風もちょうどいいくらいに吹いている。
ソーヌの家の裏の広い草原で僕たちは特訓を始める。
「ところで、お前何魔法使んの? 俺は炎魔法と氷魔法。人はいくつかの魔法を使えるんだ。種類はいっぱいあるけど、大体は役職に関係する」
「僕は重力魔法だ」
「重力……? 聞いたことねぇな。どんな魔法なんだ?」
「……百聞は一見に如かず。実践しよう」
重さ一キロ位の大きめの石を地面に置き、僕は右手を広げ下に軽く降る。
すると石は瞬く間に砕け、木端微塵となった。
「っ!?」
「これが僕の魔法。物体に圧をかけたり、浮かせたり出来る。すごい硬いなら無理だけど」
「……すげえ。これなら鍛えれば魔法団体に入れるかもな‼」
だといいけど。と言おうとした。でも、
「そうだな」
このほうが、きっといい。棘もない。だが、なんでこういったのか分からない。
優しくなりたいのだろうか。
「うっし。練習開始だー‼」
1.走り込み
広い草原を1時間走った後、10分の休憩。そしてまた、1時間走るの繰り返し。
主に体力の向上を目的とする。
「……これは……かなりつかれる、っな……」
「そうだな。でも……毎日やってると体力つくぜ」
「ああ」
正直かなりしんどいが、ここでへばってしまっては埒が明かない。
「大丈夫?……しんどい?」
「……まさか……」
僕は、少し微笑んだ。
「まだ、行ける」
力強く言った。
じゃないと、また一人になる気がしたから。
有難うございました。