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赤い日記帳  作者: 大和香織子
第二章 日記帳
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5

ただ聞いてくれる人。


7月〇日


 もう広田さんしか思い浮かびませんでした。

 広田さんの所に主人と別居すると言って…。いけないことだとは分かっている。

 けれど、もう限界。自分の胸だけにしまいこむことが出来なくなってしまいました。


 心までは奪われることはありませんでした。

 信一郎さんに分からないように逢わないといけない。

 遠慮することなく自分の気持ちを言えるのは彼だけ。

 信一郎さんには言ってはいけないのです。


9月〇日


 信一郎さんが投げた皿の破片が美緒に当たらなくて良かった。

 気がついいたら私は床の上で寝ていて、身体の上には毛布が掛けられていました。

 生きていてよかった。


9月△日


 信一郎さんは会社を休みました。

 痣だらけの身体の私を病院に行くことは許さず「悪かった、俺をゆるしてくれ」と言って美緒を幼稚園に送った一郎さん。

 「君がいなきゃ」という信一郎さんの言葉が心にも傷口にも染み渡ります。

 私が我慢すればいい。

 美緒の事も私が守らなければ。


10月〇日


 美緒の様子がおかしいと先生に聞かされました。

 情緒不安定の様だと。

 信一郎さんには言えませんでした。

 相談してはいけない。


10月△日


 このところ広田さんの家にいる時間だけが本当の自分でいられる場所です。

 私は、それでも信一郎さん以外の人を愛しません。

 お腹の痣が大分薄れてきました。

 でも、痔だらけでどれがいつの痣なのか…自分でも分かりません。


11月〇日


 広田さんの日記を見てしまいました。

 もう広田さんとはこれで終わらなければ…。

 最初から計算していたということなのか?


12月〇日


 どうも狙われているような感じがします。

 私には逃げ場がない。

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