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赤い日記帳  作者: 大和香織子
第二章 日記帳
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3

同じクラスで後ろの席の子が「よろしくね」と話しかけてくれたのです。これをきっかけに、すごく仲良くなり、友人が少しずつ増えました。


 けれど、高校生になり今度は、いじめられる側からいじめる側になってしまいました。

 いじめられ続けてきた私は、いじめられるよりもいじめる方がいいと、そう思ってしまったのです。


 それから高校を卒業し、なるべく家から遠い所に就職しようと思ったのです。

 見つけたところは静岡でした。

 事務員の仕事です。静岡なら私の過去を知る者はいない、私はそういう場所を望みました。


 両親の反対を押し切って就職した私は、住み込みで働きましたが人間関係が嫌になり3か月位でやめてしまいました。


 生活に困った私は、情けないながらにも父親にお金を援助してもらい、一人暮らし用の部屋を借り、その後清掃の仕事を始めました。


 清掃なら人と話をしなくてもいいので選んだのです。この仕事は私にはあっていたようで結局14年も勤めました。

 ですが、気が付いたら三十二歳になっていて、子供も欲しかったので両親が持ってきたお見合いの話に乗りました。


 それが今の主人である藤崎信一郎さんです。

 好みのタイプではなかったけれど、早く結婚して子供が欲しい私は必死でした。


 積極的に自分から食事に誘ったりしたお蔭で、トントン拍子で話が進んで結婚することになりました。

 一緒に暮らし始めて一週間が経った頃でしょうか、仕事から帰った主人が私に突然暴力を振るってきました。


 悲しくって辛くて痛くて…恐怖で震えながら泣くことしかできませんでした。

我に返った主人は私を後ろから優しく抱きしめてくれました。

 こういう愛情表現しかできない主人を私は許しました。

 主人は私がいないとダメなのですから。愛されているという証拠なのです。


結婚して一年くらいは子供が出来なかったので、妊娠したと分かった時には嬉しくて幸せいっぱいでした。

 主人も、もちろん喜んでくれました。でも、妊娠してからも暴力は止みませんでした。暴力を受けながらも必死におなかだけは隠しました。

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