表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤い日記帳  作者: 大和香織子
第一章 事件
4/24

4

彼女は、藤崎さんの事が一番だったようで、藤崎さんから電話がかかってくると、例え隣に僕の所にいようが、関係なく普通に電話に出ていました。


 僕から、藤崎さんに言う勇気もありませんし、この事が藤崎さんの耳に入ると思うと僕は怖くてたまりません。


_____幼稚園の役員をやっていたことは聞いていますか?


 知っていますよ。

 彼女は僕の家に来てよく愚痴っていましたし、外で一緒に居るところを誰かに見られた場合は、お兄さんだということにして、接してほしいと言われていましたので。


 そうですね、僕は藤崎さんにとって、都合よく動く玩具の様でした。

 靖子さんは、特に親しい友人がいないようで、話を聞いてくれる人もいないし、藤崎さんには絶対愚痴なんか言えないと、僕に不満を言っていました。


 夫婦なのだから聞いてもらえばいいのではないかと、言ってはみたのですが、結婚したことがない貴方に何が分かるのよ?なんて言われたので、、それ以上僕には何も言う事が出来ませんでした。


 まぁ、僕としても罪滅ぼしでもないのですが、藤崎さんに彼女が愚痴って、藤崎さんが嫌な思いをする位なら、僕が聞いてあげた方がいいんだと、そう思っていました。


 正直、彼女の話を聞いても、僕は結婚した事がないですし、子供もいませんので幼稚園だの役員だの保護者会だどうだこうだと聞かされても、全く話についていけませんでした。


 ただ、頷いて聞くだけでした。

 僕が一言言おうものなら、倍以上になって返ってきますしね。黙っているのが一番だったんです。

 それは結構疲れましたね。


 だって、僕だって経営者ですし、仕事で疲れている中での愚痴ですからね。


 でも、彼女と一緒に過ごしてみて、よく感じたのは彼女は極度の人間不信であるということでした。


 僕によく人に馬鹿にされない方法を教えて欲しいとか人の上に立つにはどうしたらいいかなどと聞いてきていましたし。


 そんな時は僕の家にある本を適当に選んで渡していましたが、結局彼女が本を読む姿は一度も見ることはありませんでした。


 読書が趣味と言っていたのは、虚言だったのでしょう。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ