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デビルズカード【赤】  作者: にがよもぎ
14/14

ハートK スペードA そしてJOKER

一気に3話投稿、その3

 今日もがんばるぞ~、うん、笑顔、良し。


「お姉ちゃん、お誕生日おめでとう」

「えっ! ぁ、そうだった。ありがとう」

「しっかりしてよぅ。もぅ」

「美咲、今日からお父さん

出張だって。プレゼントは預かってるから帰ったら渡すわね」

「は~い」


 今日誕生日だった。

マジで忘れてた。

え?

なんかへん、なんだろ?


「お姉ちゃん速くぅ」

「は~い」



 今日も玲奈をくっつけて登校する。

教室にはあいつが先に座っていた。


「はい、これ」

「なに、それ」

「お、おう」


 手渡した日記帳に玲奈があいつより先に反応する。


「えっとね」


 息を吸う、大きく。


「美咲ちゃん好きだ~~~って書いてある告白集」


 あ、教室の時間が止った。


「私も好きだよ」


 へっへっへ。


「駅前のドーナツの次ぐらいに」




 そんなわけで放課後、駅前のドーナツ屋さん。

あいつの向いに私が座っている。

私の隣に玲奈が座ってるんだけれど。


「おぃ、なんてことしてくれるんだ」

「例の疑惑の払拭」

「例の疑惑って何?」

「お、お前……」

「ひ・み・つ ね?」

「なになに?」

「玲奈は彼の噂って知らない?」

「あ、あぁ、アレね、納得」

「おぃ納得するのかよ」

「例のビーエ」

「おい!」

「なんだ、それで頼まれたんだ」

「でも好きだ~~~はマジだって」

「へ~がんばってね」

「そうそう、まずドーナツ代からがんばってくれるんだって」

「ごちそうさま~」

「あのなぁ、そもそもなんで玲奈がここにいるんだよ、何で俺のおごりなんだよ。そこんとこおかしいだろ」

「え~男なら細かいことは気にしない。って普通はこんな美女が付いてくれば喜ぶよ?」


 あいつはなかなかいじりがいがあった。

でも彼女が別の子連れてくるってねぇ。

かわいそ。


 後は特になんてことなく家路につく。


「美咲~小包届いてるわよ~」

「は~い」


 今日は私の誕生日なのでお父さん以外はパーティーの支度のために家にいる、だけどなんだろう?

知らないお店?

誕生日発送サービス……。

だれだろ?

あっ!

依頼主は本田君だった。

入っていたのは熊のぬいぐるみとメッセージカード。

彼、今日着くようにこれをあらかじめ注文してたんだ。

カードの封筒を開ける。


 入っていたのは、”誕生日おめでとう。ところで誰の誕生日かなぁ?”

ふざけてる。

そして……黒いジョーカー。


 そのカードを手にしたとき、黒のゲームで何が起きたのか、全てのことが流れ込んできた。

何をどのように交換されたかが蘇る。

私はダイヤで本田君と全てを交換された、ううん漏れてるものが有る。

たとえば誕生日、今日は、そして……いやーーーーーー!


 ふぅ、なんで取り乱す必要が有るんだろう。

別にそんなのどうでもいいことだよね。

そう、本田の魂は片桐と一緒に連れて行かれた。

悪は全滅した、で、めでたしめでたし。


 そして夜は最後のゲーム。

ハートK スペードAで私の勝ち。

あいつは驚いていたけど、勝負は終わった。


 

 朝、起きたら机の上においてあっためったに使わないトランプが別のものと交換されていた。

赤と黒のジョーカー2枚とあとは全部そろってる。

これで私以外、ゲームのことを覚えているものはいない。


 そう、私・い・が・い は覚えていない。


 




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