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序節 『始まりの節』 六話 そして……

はい、なんか書きたくて連続投稿です。

目がさめると最近では日課になったランニングと筋トレをする。


この世界に来てから一ヶ月がたった。俺がここを出るまで半分の日程を過ぎたことになる。この一ヶ月で全員ある程度は戦えるようになった。初期ステータスが高い俺は言わずもがな、意外だったのは赤名が訓練に精を出していたことぐらいか。梨乃にイイトコ見せたいってのは大体分かるがな。

まあ、赤名と俺たち3人はそれぞれ模擬戦はしたが、3人とも負けなしだ。

赤名がムキになってるのはそれが原因ってのもあるだろう。



「なぁ遼。模擬戦しねーか?」


中庭で筋トレをしていると優也が近づいてくる。


「はいはい、お前がそんなに戦いたいのは分かったから」

「なっ!俺が戦闘狂みたいな風に言うなよ」

「風じゃなくて実際そうだろ?」

「だ〜か〜ら〜!」

「わかったわかった。やるならさっさとやるぞ」

「うぐっ。まあやるならいいんだが」

「じゃあスタートはコイントスでいいよな?」

「ああ、いいぜ」


ピンッ!


この世界の硬貨である鉄貨を指で弾く。硬貨は全世界共通で、一番安いのがこの鉄貨だ。単位は1ユルと言うらしい。これは日本の1円と同じくらいの価値だろう。硬貨は順に並べると、鉄貨、大鉄貨、銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、白銀貨で、金額は一つ上がるごとに10倍だ。つまり鉄貨が1ユルなら大鉄貨は10ユルである。俺たちはまだ大銀貨までしか見たことがない。

話を戻すと、この頃拳闘士のスキルを天地従属者ネイチャー・ルーラーのスキルとして習得した。努力の賜物ですな。

魔法に関しては基本4属性の『火』『水』『風』『土』とその上位属性の『炎』『氷』『嵐』『地』、そして特殊属性の『光』『闇』『無』の3つ。これ全てを基本的に使えるようになった。上位属性に関しては炎ならば火が酸素と結びつき強くなるイメージ、水氷ならば水の中の分子が止まるイメージ、嵐ならば下降気流や上昇気流をイメージしてから強く吹くイメージ、地ならば土を押しかためそれをさらに硬くして岩盤をイメージしてたら習得した。

特殊属性については無属性以外いつ手に入れたかすら分からない。

他にも色々と便利なスキルを入手したが、それは後々使うとして、今は優也との模擬戦に集中する。


「行くぞ!でやっ!」


パンチが来たと思ったらそれはフェイクで下から蹴り上げが飛んでくる。それを半身になって横から殴ることで流す。

重騎士なだけあって一撃の威力は相当なものだ。それは本人も分かっていることだ。だが、攻撃が当たらないと威力が高くとも意味がない。

優也は蹴りの勢いを殺さず、回転して裏拳を打とうとしてくる。俺はそれを踏み込んで肘を近距離から抑えることで止める。


「おい優也、こんなもんじゃねぇだろ?」

「当たり前だ、ろっ!」


抑えられた腕と逆の腕で肘突きを鳩尾に正確に放ってくる。

それを後ろに飛んで避ける。それと同時に優也が振り向きこっちに近づいてくる。

俺はそれをもう一度後ろに飛んで距離を取る。

優也はそこからさらに踏み込んで正拳突きをしてくる。

俺はそれを抱え込みながら腕を外側に捻り軸がぶれた所で足を払い倒れた所で顔を殴る…寸前で拳を止める。


「参った参った。やっぱ遼強すぎるだろ。いまだに一勝もできないってどんなだよ。俺もそこそこ強いと思うんだがなー」

「実際優也は強いと思うぞ。殴る威力もかなり高くなってるしな。だが攻めが単調すぎるから次の行動が読めることがあるからそこを工夫したほうがいいだろうな」

「うーむ、難しいのな」

「遼も優也もお疲れー」

「うぉっ!梨乃、いつから居たんだ?」

「おう梨乃サンキュ」

「え?優也気づいてなかったの?遼は来た時には気づいてたみたいだったから、優也も気づいてるもんと思ったんだけどな」

「は?!遼気づいてたのか!」

「ああ、中庭に近づいてきてるのも気づいてた」

「お前の規格外さはほんとどうなってんだろうな」


そう言いながら俺たちは食堂に足を運ぶ。今日はおっさんから話があるとかなので朝食の時間の少し前に集合させられる。


全員が食堂の席に着いた所でおっさんが話し出す。


「お前ら、今日は王都から少し離れたところにある【ヘルト大迷宮】に行く。この間の合同演習を思い出して気を抜かずしっかりとやれ!話は以上だ」


合同演習というのは武術組と魔法組とが合同で王都周辺の魔物のと戦闘演習を行うというもの。これは一週間くらい前に行った。


ヘルト大迷宮は所謂ダンジョンで、この人間大陸の三大ダンジョンに数えられる迷宮だ。人間大陸には他に【ケイルズ魔法迷宮】と【オルム霊峰】の二つがある。どれも現在進行形で探索が進んでいる。

人間大陸、と言ったが、この世界は大きな5つの大陸によって形成されている。一つ目はこの人間大陸、二つ目は獣人大陸、三つ目は魔大陸、四つ目は五龍大陸、五つ目は魔物大陸だ。人間大陸は人間8、獣人1、その他1くらいの割合で住んでいる。獣人大陸は逆に獣人8、人間1、その他1くらいの割合だ。

魔大陸は人間が住んでいることはまずありえない。そのため魔族9、その他1くらいの割合になっている。

五龍大陸はどの種族も入り混じっており、特に多い種族は居ない。なら何故五龍なのかと言うと、この大陸にある五大迷宮を守護する五体の古龍に由来している。

魔物大陸は環境が厳しい分、魔物の発達が異常で、どの種族も手をこまねいている状態らしい。そのため、魔物大陸は未開の土地が残っている大陸だ。




王都郊外 ヘルト大迷宮入口ーーー


そんなこんなで大迷宮の前までやってきた。初めてのダンジョンと言うことで全員が緊張で少し硬くなっている。


「お前ら大丈夫だ!危なくなったら俺がお前らを助ける!」


そんなイケメンなことを言う奴はなんとなんと、勇者の赤名だ。この一ヶ月一心不乱に訓練して他の奴らとも打ち解けたらしく、クラスの中ではリーダーシップを発揮してみんなをまとめるほど信頼を受けていた。


「お前ら赤名を見習え。魔物と戦うのは先日の合同演習となんら変わらない。場所が外かダンジョンか、それだけだ!気負わずに頑張れ!」


おっさんもみんなに檄を飛ばしている。


「なぁ遼。俺たちも負けないようにしねーとな」

「ああそうだな。だが、お前らならそこらの魔物には負ける気がしないんだが」

「あら嬉しいこと言ってくれるじゃない、遼」

「お兄ちゃんは私が守るからね!」

「わ、私も頑張ります!」


それぞれが適度に緊張をほぐしたところで、


「よし、じゃあそろそろ行くぞ!隊列を崩すなよ!」


ここが俺たちのこの世界での分岐点になるとも知らず、おっさんの号令でヘルト大迷宮へと入っていった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



ヘリアス王国 王城の一室ーーー


「報告します。勇者達は今ヘルト大迷宮へと入りました。先行隊、実行部隊に通達後、作戦を決行します」

「やっとか。とうとう私の悲願も達成への一歩を踏み出す事ができたな。作戦、決して失敗するでないぞ」

「はっ!もう一つはどういたしましょうか?」

「ふむ、あちらはあまり捗っていないと聞く。まずは勇者の方だ。もう一つはお前に任せる」

「御意に。ありがたき幸せ」

「任せたぞ」


男の言葉と共に1人が消える。そして男も部屋から出て、二人がこの部屋から居なくなる。


「ふーん。なんだか分かんないけどきな臭くなってきたわね」

やはり使います作者の必殺技「〜後」。

自分で書いてて早くもキャラが崩れてきた奴いるよなーとか思っちゃう。


次回はヘルト大迷宮に挑戦です。なんとかフラグも回収できる?と思う。


次の投稿は明日か明後日!多分……頑張って書きます。

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