序節 『始まりの節』 一話 女神遭遇
ガラガラとなにかが崩れる音がする。
今俺は宙に浮いてる。比喩とかではなく言葉のまんまの意味でだ。
そして、その視線の先には……
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俺、天地遼は今どこかの城らしき建物の中に居る。
近くにはおれの学校のクラスメイトや幼馴染など約40人居る。中にはキョロキョロ周りを見回したり、ボーゼンとしたり、喜んでいるやつもいる。
なぜこんなことになったかというと、話は二時間前に戻る。
「おい、遼。今日の昼飯どうすんだ?」
話しかけてくるのは月風優也という。俺の幼馴染で腐れ縁だ。こいつの容姿はかなり良いとは思うんだがなにせ野球バカなもので彼女も作ろうとしない。なかなかできないから逆にファンクラブまでできてしまって、どうやったら落とせるかとか話し合ってるとかいう噂だ。
まあ、そんなことはともかく。
「優也、今日は梨乃が五人分弁当作ってくるとか言ってたから、教室で待っとこうぜ」
その五人というのが、俺と優也以外に同じく幼馴染の咲葉梨乃、俺の妹の天地秋葉、この学校に入ってからなにかとある中路麗奈の五人だ。
その後五人で集まっていざ食事となったところで異変は起きた。
「な、なにこれ!!」
教室のある生徒が叫んだのを皮切りに、ほとんどの生徒が、「なんだよこれ!」とか、「し、死にたくない!」とか叫んでいた。
当然俺たちも周りの状況を確認するため周りを見ると、部屋一杯に光る魔法陣らしきものが見えた。そこに書いてある文字は、明らかにこの世界の言語ではなく、まったく見たこともない文字だった。
すると、突然その魔法陣が回り始め眩い光を放ち、俺たちは直視できず目を抑えた。
そして、その日この世界から計43名が消えた。
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目を開けると、どこか知らない場所にいた。周りにいた奴らも消え、一面真っ白だった。
ここがどこかを探ろうと歩き出そうもした瞬間、
「それ以上進むと危ないわよ?」
どこからか声が聞こえてきた。
「……誰だ?とりあえず顔を見せたらどうだ?」
俺はそれに動じることなく返答する。
「あらあら、面白くないわね。他の子達は慌てて周りを見渡したりしてたのよ?」
その声を聞き、後ろを振り向くとそこには金髪長身の美女がひっそりと佇んでいた。
「で?ここはどこでお前は誰なんだ?」
「見惚れることもないのね……。まあいいわ、ここは神々に最も近いと言われる場所【ゼウスの庭】よ。名前の通りゼウスが作った場所だからね。そして私は女神レイシス。あなた達が召喚される世界の最高神的立場の者よ。まあ、今言った通りあなた達はこっちの世界のある国に召喚されちゃうのよ」
「俺たちは異世界に召喚されるってわけだな。で、ここに来たのには何か理由があんだろ?というか他の奴らはどこだ?」
「そこまで理解してるなら話が早いわね。今からあなたたちが召喚されるのは【セルフェム】っていう世界の【ヘリアス】って国よ。でここに来た理由ってのが、向こうの世界でも死なないように能力をあげにきたのよ。それと他の子達は別の空間にいるけど心配はいらないわ。あなたと一緒で他の神やら女神が能力をあげているはずよ」
「能力がもらえるのはわかった。だが何故そんだけのために最高神が出てきてんだ?」
「そこはあれよ。あなたの潜在能力が高過ぎて他の人じゃ対処しきれなのよね〜。だから私が出てこなくちゃならなかったのよね〜。よし、じゃあ早速能力をあげましょうか!」
その言葉とともに女神の手元に本らしきものがポンッと出てきた。
「ん?なんだそれ?」
「ふっふ〜、これはですね。なんとs「ああ。能力が全部乗ってんのか」……って!私のセリフ取んないでくださいよ!もう、君はつまらないわね〜。はぁ、そうよこの本はセルフェムに存在する能力が全て記されているわ。他の神ではここまでのは出せないんだけどね。まあ、私は最高神ですから。というわけでここから三つ決めてね」
渡された本はそこまでの厚さはなく、20〜25ページくらいの厚さだった。
中を開いてみると想像以上に多くの能力があった。能力と言っても、色々あるらしくカテゴリーが幾つかあった。大きく分けると三つ。『魔法』、『スキル』、『天職』の三つだ。だから選ぶのが三つだったのだろう。魔法に関してはそのままだが、天職と組み合わせればなかなか良くなりそうだ。スキルは武器や行動に関するものが多い。天職は職によってステータスやスキル、魔法に影響が出るらしい。
パラパラめくって読んでいると、ある天職が目に付いた。それは、
【創造術師】
あらゆる万物を作成可能。詳しい情報があれば作成物の効果上昇。上位派生職有。
創造術師、か。俺は昔から本ばっか読んでたし、これは良いものかもしれない。しかも上位派生があるらしい。それを見てみると、
【天地従属者】
万物を作成可能。また、魔物の使役も可能となっている。初期の場合スキル、魔法ともに前職の状態だが、成長するごとにスキル、魔法を取得可能。最終的に、全てのスキルと無属性を除く全ての魔法は取得可能。
「レイシス、ここに書いてあるのはお前しか出せないんだよな?」
「呼び捨て……まあいいとして、そうね。後半1/3は私しか出せないはずだ」
「そうか、なら俺は天職【天地従属者】と魔法【無属性の極意】、スキル【魔力従属】の3つにしとくよ」
「あら、そんなのでいいの?まああなたが決めたのなら文句はないんだけどね。じゃあ早速……能力付与!」
パンッ!
レイシスが手を叩くと金粉みたいなものが俺に降ってきた。
驚いたことにそれが地面に落ちず、そのまま俺に吸収されていった。
「はい、それで完了よ。これであなたには能力があるはず。じゃあ、能力を上げたところで、そろそろ行く時間ね。オマケでプレゼントもあげとくわね」
「ん?プレゼントって?」
「プレゼントはプレゼントよ。秘密なんだから向こうに行って確認してね」
「分かったよ。向こうでだな」
「はい、じゃあ行ってらっしゃーい」
それと同時に周りの壁がガラガラと崩れ光が差し込んでくる。
そして見えてきたのは…
「なっ!」
「あれがあなた達が行くセルフェムよ。」
「ちょっ!浮いてるって!………落ちない?」
「当たり前じゃない。ここは特殊な空間って言ったでしょ〜?」
今俺の目の前にはセルフェムらしき星が鎮座している。
そして、俺はそれを俯瞰している。
「じゃあ、向こうでも頑張ってね〜」
と、レイシスが手を振ってきところで俺の体が透明になっていき星に吸い込まれるような感覚がした後、俺の意識は闇に落ちていった。
更新は年末年始死ぬ気で頑張ります。多分……
次の話はヘリアスですね。まあ、ありがちな王様とか王女様とか出てくるはずです。
もちろん感想とかその他色々お待ちしてまーす。
ではでは!