表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/66

間違いの本性

会場内にも多少なりとも食事するところはあるが、何分、すごい混みようなのでオレは外にあるコンビニで菓子パンと紙パックのコーヒーを買い、近くにあったベンチに腰かける。


「はぁ……」


コーヒーにストローを差し、一口すすったところでため息を吐く。


辛かった……

なにもしないだけでこんなに苦痛を受けるのは、生まれて初めてかもしれない。後半もあんな状況の中で過ごさなきゃいけないのか……


がっくりと項垂れながら、無心でパンにかじりつく。


「ちょっといいかしら?」


すると、そんなオレに誰かが話しかけてきた。


「……?」


虚ろな目で頭をあげるとそこには見知らぬ女性が。

彼女はコートにジーンズという格好で、眼鏡をかけていた。見た目からして20代後半だろうか。結構な美人だった。


「あなた、あの会場にいたわよね?」


女性は先程前、オレがいた冬コミの会場を指差した。


「いましたけど……?何で知ってるんですか?」


その問いかけと同時に女性はオレの隣に腰かけた。隣にこられた瞬間、オレのつむじが少しだけ痒くなった。


「私もあそこにいたのよ。好きな作家さんがいてね。そしたら、たまたまあなたを見かけて」


「そう……なんですか」


好きな作家か。意外だな。同人誌とか興味ないような感じなのに。むしろ、嫌ってます。って言ってそうなくらいだ。


「それでアタシに何か用ですか?」


「いや、別に用ってほどじゃないんだけどね。見かけたときになんか疲れてるように見えたから少し気になって」


「あ、ああ、すいません。ちょっと気疲れすることがあって……」


オレは苦笑しながら、頭を下げた。

まさかストーカーから守るために見張ってました。なんて言えないしな。ましてや、初対面なのに。


「そう。その疲れることってもしかして……誰かをストーカーから守るためとか……!」


その言葉と同時に女性は左手にギラリと光る何かを握っており、オレ目掛けて振りかざしてきた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ