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間違いが見当たらない

ゆめちゃんの同人誌は夏の時と変わらず、大盛況で飛ぶように売れていく。

夏の時は好評のおかげで一時的に品切れになったが、今回は前回よりかなり部数を増やしたらしく、品切れになることもなく、どんどんと売り上げを伸ばしていっている。

それはとても喜ばしいことなのだが……


「うう……」


こんな中でイスに座っているだけという居心地の悪さに、たまらず声を漏らしてしまう。


こんな忙しい状況の中で後ろからゆめちゃんを見守るだけってのは、精神的に辛すぎる……

だって、買いに来たお客さんがたまに「何か手伝えよ……」的な視線を飛ばしてくるんだもんなぁ……

かといって、手伝うわけにもいかず、耐えながら、じっと座ってることしかできない。


でも、そろそろこの状況にも限界寸前だぞ……

何とか抜け出せる方法はないものか……


冷や汗を流しながら、うつむき、頭を働かせようとしたその時。


「とも姉、そろそろ休憩に行ってきたら?」


いつの間にか目の前まで来ていたゆめちゃんにそう言われる。


「え?」


慌てて我に返り、辺りを見回すと人混みも少しだけ落ち着いたようだった。

腕時計に目をやると時刻は昼過ぎ。どうやら、お客さん達もご飯を食べに行く時間のようだ。


「あー、うん。そうだね……お言葉に甘えて何か食べてくるね」


「うん。アタシ達はまだここにいるから、戻ってきたら声かけてね」


「了ー解」


オレはそうゆめちゃんに返事をすると、足早に会場の外に出ることにした。

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