流れていく間違い
ゆめちゃんは、しばらく別室に込もって作業に集中するということだったので、手持ちぶさたになったオレはとりあえず身近なところから掃除を始めてみた。
しかし思いの外、汚れていなく、30分程度で掃除は終わってしまった。
ううん、どうしよう。
再び手持ちぶさたになったオレはリビングにあるソファに座り、頭を悩ませる。
ゆめちゃんからは、部屋にあるものは好きに使っていいからと言われているが、従兄弟とはいえ、人様の物なのでおいそれと気軽には使えない。
とりあえずテレビの電源を入れてみるが、休日なので特番やドラマの再放送ばかりで面白そうなものはなかった。
買い物にでも行こうかな。と、思ってソファから立ち上がり、冷蔵庫を開けてみるが、中には大量の食材が。
どうやら、ストーカー対策のため、しばらく外に出なくていいようにしているようだ。
さて、それじゃどうしよう……
再び頭を悩ませたところで、テレビボードに置いてあるものに気づく。
そこにはゲーム機が置いてあったのだ。
これって、確か少し前に出たゲーム機だけど、結構高いんだよな。しかし、さすがゆめちゃん。しっかりと持っているんだな。もしかしたらファンの人から送られてきたのかも。
オレは興味本位にゲーム機のスイッチを入れ、起動させた。
そしてディスクを自動再生にしているのか、ゲーム会社のロゴが表示されたあとにタイトル画面に。
ん?これって……ギャルゲーじゃん。確か、少し前に発売されたばっかのはず。ネットニュースで待望のコンシューマー化!って大々的に宣伝されてたんだよな。
画面には二次元ならではの可愛らしい容姿で描かれた女の子が4人表示されていた。
うーん、ギャルゲーに興味はないけど物は試しだし、とりあえずやってみるか。
オレはコントローラーを握り、カーソルを動かし、はじめから。の項目を押した。