表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/66

とりあえず全部間違えている

帰省3日目は本当にのんびりと過ごした。


久しぶりに遊んだせいか、昼過ぎまでグッスリと眠っていたし、起きてからも適当にご飯を食べながらテレビを見たり、部屋に置いてある昔買った漫画を懐かしみながら読んだり、自由に過ごした。


あーあ、こんな日がずっと続けばいいのに……

けど、暇すぎてやることがないと早く働きたいとか思うんだよな。

人間ってぜいたくだな。

なんて思いながら一日が過ぎていった…


そして、帰省4日目。

オレはボストンバッグを担ぎ、自宅へと向かっていた。

本当なら明日の夕方くらいまでは実家にいるはずだったのだが、急遽帰ることにした。

なぜならば、大切なことを忘れていたのである。


そう、借りたDVDの返却を!!


自宅近くにあるレンタル屋は他のところと違い、少し勝手が違う。

まず、旧作、準新作のレンタル期間が2週間なのだ。

このサービスは社会人にとっては有難い。

これのおかげで日にちに追われずにゆっくりと借りたDVDを鑑賞することができる。


ただし、期間が長いかわりに延滞料金が半端じゃない。

1つ返却が遅れただけでも札が一枚飛ぶ。

このことはしっかりと頭に叩きこんでいたはずなのに、最近色々あったせいかすっかり忘れてしまっていた。

だが、土壇場で思い出してよかった。

もう少し、家でゆっくりしたかったが仕方ない。


次は夏に帰れたらいいな。

そう思いながら、オレは電車に揺られていた。

そして、そろそろ夕方になろうかという時に自宅に到着。


早速バッグをリビングに下ろし、DVDを手提げ用のカバンに入れて家を出ようとした。

だが、何かが心にひっかかった。


あれ?

なんか忘れてる気がする……

けど、それが何か分からない。

サイフはある。鍵も持ってる。


DVDはカバンに入れた。

一体何を忘れてるんだろう…

頭の中で必死に考えるが結局それが何か分からず、相変わらず気になっていたが、家を出ていくのだった。


それから、自宅を出てから10分ほどでレンタル屋に到着。

そのまま、店の外にある返却BOXにDVDを投入。

よし、これでミッションコンプリート。


しかし、せっかく来たんだからまた何か借りようかな。

借りてたアニメの続きも気になるし。

ということで、店に入ることにした。

店に入ると早速アニメコーナーの前へ。


最終話まで一気に借りようと思い、お目当てのところまで進む。

ちょうど観たいところから最後までの巻が置いてあった。

よかった、よかった。

心の中でほくそ笑むとレジに向かう。


レジの店員さんは女性だった。

いや、女性っていうより女の子って感じだった。おそらく、学生。

GWだし、バイトかな?


なんて考えていた時だった。

急にオレの顔を奇異な目でジッと見てきた。


ん、なんだ?

何かおかしな所があるのか?

念のために顔を髪をペタペタ触ってみるが特におかしなところはない。


そして、その視線はほんの一瞬でその後は何事もなかったように済んでいった。

結局、店を出てからも何故奇異な目で見られたのか分からなかった。

とくにおかしいところはないよな…


そう思って歩いていると、ちょうどいいところに巨大なショーウインドウがあった。

オレはウインドウの正面に立ち、自分の姿を確認する。

うん、とくにおかしいところはないよな。


いたってノーマルな格好をしたオトコで。

オトコ………?


はっ!!

そこでオレは気づいた。

家を出るときに感じた違和感の正体が。

それは女装することを忘れていたのだ……!!


実家からそのまんまの格好で来たから気づかなかった。

しかもカバンとサイフ、女性ものだ……!


慌てて周りを確かめると案の定、道行く人にジロジロと見られていた。

し、しまった……

や、ヤバイ!どうしよ……!

めちゃくちゃ恥ずかしい~!!


顔が真っ赤になっていくのが、自分でも分かった。

そして唐突に納得した。

あー、だから店員の女の子に変な目で見られたのか…


女性もののアイテムを身に付けるオトコ、いや、もしかしたらオカマとか思われたのかもしれない………

はぁ、なんとなく次からあの店に行きづらくなった。


ガックリと肩を落としながら周りの視線に気づき、急いで家まで帰るのであった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ