間違いをとことん進む。その2
「ん……」
眠り始めてからどのくらい経ったのか、今度は急に寒さを感じた。
なんだろ……風が入ってきてるのかな。
でもこんな状態のオレがいるのに、侑芽ちゃんが窓なんか開けるわけないよな……
いや、待てよ?
なんか一部だけ寒いっていうか…これは……服を着てないって感じ…?
上半身の寝巻きのボタンが開いてるのか…?寒い…!
耐えきれずにハッと目を開ける。
すると。
「はぁ、綺麗な鎖骨……」
うっとりした表情でオレの首筋を撫でている侑芽ちゃんがいた。
「な、何やってんの!!?」
それを見た瞬間、大声を上げて飛び上がった。
「あ、起きちゃった……」
すると、残念そうにオレから離れる侑芽ちゃん。
「汗かいてたから拭いてあげようと思ったんだけど」
言いながら、今度はオレのお腹に手を当ててくる。
「ふあぁ……!」
やべ!突然の感触につい、変な声が……!!
「お腹はこんなに細いし、寝顔はめちゃくちゃ可愛いし、鎖骨はものすごく綺麗だし。ごめんね、つい……」
頬に手を当て、悶絶しだす。
「ダメだって思ってるんだけど、つい手が……」
言いながら手をわきわきさせる。
「そ、その手は何……?」
というか最近、この手をわきわきさせる光景よく見るんだが、何?!はやってんの?!!と、心の中で突っ込んでいる間に。
「と、も、姉……」
虚ろな目をした侑芽ちゃんに両脇を掴まれ。
「もう離さない……」
「ひっ!」
その日の記憶はここで途切れた……ことにしておく……
何故ならあのあと、見た光景については二度と思い出したくないから……