美しい太陽
昔から人に囲まれてきた。
可愛いねって言われてなれてきた。
先輩にも、後輩にも、同級生にも、告白された。
私は、世間一般ではどうやら整った顔らしかった。
姉のようになりたい、そんな思いから姉に似せた性格。
姉は優しくて、いつも笑顔で、可愛らしい人。
多くの人から受け入れられた。
私は、異性からはちやほやされたが、同性の友人はそんなにいなかった。
女性とはめんどくさいもので、私を酷く僻んだのだ。
だけど私は気にしなかった。友達なんて一人いれば良かったから。
先輩とも、後輩とも、同級生とも付き合った。
告白してきた異性と沢山付き合った。
でも長続きしなかった。
誰一人長続きしなかった。
そんなある日、私に告白して来たのは私より背の高い美しい後輩だった。
女性、だった。
「先輩、気持ち悪かったらごめんなさい」
少女は俯く。
美しい顔がセミロングの髪の毛で少し隠れた。
行き場の無さそうな手は、胸の前で組まれている。
気持ち悪いってなんのことだろう。
私は、この子を美しいとしか思えないのに、
「……思わないよ?なに?」
背の高い少女に目線を合わせるために少し顔を上げると、艶やかな黒髪の隙間から、色素の薄い瞳と目が合った。
にこりと微笑む。
「柏崎先輩…わたし 先輩の事が好きです」
紡がれた綺麗な声。
この子が、私のことを、好き?
沢山告白されたことがあったのに、同性から告白されたのは初めてだった。
予想外の言葉に動揺する。
「突然、ごめんなさい」
少女は、私の動揺を感じ取ったのか、瞳に涙を貯めて謝ってきた。
「ううん、大丈夫。突然のことだからびっくりしちゃって。」
そっと胸の前で組まれた少女の手を取る。
少女は驚いて体を小さく震わせたが、きゅっと優しく握り返してきた。
暖かい手のひら。風に流れて香ってくる清潔なシャンプーの香り。
不思議と嫌悪感はない。
それどころか安心する。
私、今日初めてこの子のこと認識したのに。
「……ねえ」
「はい…?」
私は握られた手を絡めて、笑みを浮かべた。
女の子と付き合ってみるのもいいと思うの。
「名前、教えて?私、あなたと付き合ってみたい」
そう言うと、少女は綺麗な笑顔を作って大きくうなずいた。「私、十六夜 日菜っていうんです」
きらきらと輝く涙を絡めた手とは逆の手で掬う。
なんて美しい子。
「私のこと、桃って読んでね、日菜」




