真っ暗な部屋で
この作品は完全にフィクションです。途中ででてくる「歌」は自分のオリジナルです。えぇ、パクりじゃないですよ。それではどーぞ☆
・・・今、何時くらいだろうか。
もう、時計を見る気も起きない。
真っ暗な部屋で、布団の中で何度も寝返りをうつ。
・・・・・・とても、眠れそうにない。
だけど、起き上がって何かしようとする気もない。
布団から、手だけを伸ばして、カーテンを開ける。
なんだ、結局まだ夜中か。
外も、自分がいる部屋と同じ暗さだった。
ただ違うのは。
とても月が綺麗だということ。
何故か、外へ出たくなった。
いくら重ね着をしようと、まだ冬だ。寒い。
自分を抱き締めながら、月を見上げ歩いた。
この時間なら、車も通らない。
そう思ったから。
誰もいないはずの、夜の公園。
昔は夜の六時を過ぎた公園にはお化けがでると思っていて、それまでには公園から帰っていたな。
と、昔に浸っていると、
僕しかいないはずの公園を、誰かが歩いている。
そして、僕の方を見るなり、近付いてきた。
・・・まさか、お化け?
なわけないか。
やがて、そいつの顔が見えた。
「今晩は。眠れないの?」
女性だった。僕より少し年上に見える。
「はい。」
僕は、それだけ答えた。
「そう。月が綺麗だよ。」
「はい、ほんとに。」
初対面なのに、会話がはずんだ。
でも、名前は聞かなかった。
もう、会うこともないだろうから。
「それじゃ、僕戻ります。」
彼女は少し寂しそうに、
「ええ。それじゃあ。またいつか。」
と笑った。
僕は彼女に頭を下げ、振り返らずに家まで歩いた。
なんだったんだろう。
そして、僕は夜中だというのにギターを持ち出して来て、今さっき起こった事と、今までに思ったこと、感じた事を、歌にした。
ある日、僕は真っ暗な部屋の、布団の中で何度も寝返りをうっていた。
・・・とても、眠れそうにない。
だけど、起きて何かをする気もない。
そして、布団から手だけを伸ばして、カーテンを開けた。
・・・・・・月が綺麗だ。
いつぶりだろう。月が綺麗に見えたのは。
たしか、前にもこんなことあったな。
そして僕は思い出して、ギターを持ち出して、あの公園に行った。
夜中の誰もいないはずの公園。
ベンチに誰か座っている。女性だった。
いつか、ここで出会った。
「また、会いましたね。」
僕は、彼女にそういった。
すると彼女は、
僕に向かって微笑んで、こう言った。
「聞かせてください。あなたの歌を。」
真っ暗な部屋で
音のない世界
眠れない夜
僕は何を思ったのか
カーテンを開く
月が綺麗な
冬のある日
素敵なあなたに会いに
歩き出すよ
この胸は今は
空っぽだけど
いつかシアワセで一杯に
なると信じて
歌うよ
君がくれた小さな光
真っ暗な部屋で
小さく光った
壊れそうな明日に
しがみついて
愛を探すよ
いつかみんな忘れて
孤独になるけど
そうなったらもう一度
僕に光をくれないか
君がくれた小さな気持ち
毎日水を与えて
今やっと花が咲いたよ
もう枯れたりすんなよと
ありったけの笑顔で
光をわけた
君がくれた小さな光
真っ暗な部屋で
愛に変わった
壊れてしまった日々に
ありがとうって言って
愛を与えた
最後に僕に残ったものは
真っ暗な部屋と
シアワセ一杯の僕
歌い終わった僕の隣に、
彼女はもういなかった。
僕は、黙ってギターをしまい、
振り返らずに家まで歩いた。
振り返らずに。
たまーには、こーゆーのいかがですか?ちなみに、ワタクシはたまに、外にでたりします。眠れない時にね。まぁ、だいたいそんなかんじでさぁ★それではまた、機会があれば。