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-学祭①-

学祭2日目。


あたしは今まで生きてきた中で一番緊張していた…



それにはこんな理由があった…


生徒会顧問をしているお兄ちゃんの提案で決まった『学祭』での生徒会役員の1日フリー制度。


毎年、生徒会は実行委員として学祭の運営で大忙しだった。


今年もそうだと思ってたのに…お兄ちゃん職権乱用するんだもん!!


話を聞くとあたしのことを思ってらしいけど…にしてもやり過ぎでしょ!!



…でこの話をいち早く聞きつけた楓が「一緒にまわろっ♪」って言ってくれたんだけどばれずに回るってどうするつもりなのかな??


楓は準備があるとかで後から連絡するって言ってたんだけど…


とりあえず、楓から連絡が来るのを待つ間に1度生徒会室に顔を出した…


「おはよーございます…」


静かにドアを開けると中には智がいた。


「あれ~?優紀じゃん!?今日フリーの日じゃなかったけ??」


智が不思議そうな顔をしている…


だよね。他の人はせっかくのフリーの日にこんなとこに顔なんてださないよね…


「ちょっとね。友達からの連絡待ちで…」


「そうなんだ。でも、優紀が友達とってなんか珍しいね!俺以外とあんまつるまないじゃん?」


「まぁそうなんだけど…なんか俺フリーの日あるって言ったら地元の奴が来るっていうからさ…」


嘘ついちゃった…すでに『男装』してる時点で嘘ついてるけどやっぱ苦手だな…


それにちょっと微妙な嘘だった気がするし。変に思ったかな?



…それはあたしの考えすぎだったみたい。


智は普通に信じてるっぽい(笑



「あっ!!そういやさ…今日のミスコン『楓ちゃん』出ないんだって…」


「えっ!?そ、そうなの…?」


び、びっくりした…一瞬ばれたのかと


「俺、めっちゃ楽しみにしてたのになぁ。それに、みんなからの推薦で俺、出ることになったから優勝したら一緒に写真とれたのに…」


優勝って…まぁ、確かに智も楓も美男美女だしね。


でも本当に残念そうな智みてたら楓と一緒に回ることになってるあたしが申し訳ない気がしてきた…


「…~♪~♪」


携帯が鳴った!楓からメールだ!!


『今からいつもの公園に来て!』


「なんで公園?」学祭回るはずなのに…とりあえず謎は残ったままだけど公園に向かうことにした。


「じゃ、智。俺行くから今日のことはまかせたぞ!!」


「おぉ!まかされた!!」



あたしは急いで楓の待つ公園に向かった。


やっぱり学祭ってこともあって校外にも人はいっぱいいた。


幸い生徒は準備等ですでに学校にいるから誰にも見つからなかったけど・・・


「優紀―!!」


公園に入ると楓の声がした!声のした方には


「えっ!?」


あたしは目を疑った。そこには…


私服の楓が…


「なんで??」あたしの頭は混乱していた。


「ちょっ、ちょっと!!楓どういうこと!?」


あたしは楓に詰め寄るように聞いた!


「やっぱ。驚いた?」


楓は楽しそうに笑ってる!って笑ってる場合じゃないよー!!


これじゃ楓が男だってばれるじゃん!!


「驚いたじゃないよ!!説明して!!」


あたしはなかば叫ぶような感じになっていた。


「まぁまぁ。優紀落ち着きなって。それに考えてみなよ!俺は学校だと『女』って思われてるし、それに普段はウィッグもしてるから、男の格好してたって誰も気づかないよ!それに俺体調不良で寝込んでることになってるし、気付かれそうでも似た人は世界に3人いるっていうじゃん!勘違いだって思ってくれるよ♪」


楓って実はバカ?あたしは声も出なかった…


「おーい?優紀―?」


はぁ。でも、楓なりに一生懸命考えてくれたんだよね…


「わかったよ。楓。」


「ホント!!わかってくれたならそれでよしっ!!じゃぁ…次は優紀だね!」


「へっ!?あたし?」


また、楓か変なこと言い出した…


「俺の作戦はね…聞いて驚くなよ!!優紀も女の子の格好して普通にカップルとして回ること!!どぅ?いい考えじゃない??」


「……っっっ!?」


驚くをこえて呆れるだよ…


でも、今日の楓の様子からだと何言っても聞きそうがない…


諦めたあたしは楓の話にのった


「…ふぅ。仕方ない今日だけだからね!!」


「サンキュ!優紀、じゃ着替えに優紀んちに行こうか!」


それにあたしの方が楓よりはばれなさそうだしね…




てな訳で、あたしは着替えを済ませ楓と2人で学祭に来ているわけだが…


ばれないってわかっててもやっぱり緊張する。


知ってる人が通り過ぎるだけであたしの心臓は持たない気がした…


これがあたしが緊張してた理由だ…


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