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-危機-

すでにこの話を読んだ方に『お詫び』です。

読んでいない方はそのまま読んでください。


最後の方にありました、楓サイドのお話ですが今後の話の展開のため内容を少し変更させていただきました。申し訳ありません。今後はこのような事がないように話をきちんと練ってから投稿したいと思います。


これからも『クローバー』をよろしくお願いします。

あの勝負が終わってからの日常はすごい穏やかだった…

楓と蓮もケンカしつつも仲よさげだし、それに智も加わって人生で1番楽しい時間を過ごしているかもしれない。


そして、あたしと楓はとうとう『付き合う』宣言をしたのだ!

そんな大袈裟じゃないんだけどね…

とりあえず、聞かれたら付き合ってるって言うことにしたんだけど…

噂ってすごいな…1人に言ったらその日のうちに広まっちゃった。

それも、たぶん学校1の美女の『楓』の事だからだろうけど(笑)



そんな日が続いたある日。

先生から1冊のしおりが渡された…

それは…


『修学旅行のしおり』


…?


そういえば!!12月にあるのすっかり忘れてた…

勝負とかでそれどころじゃなかったから…


今年は2泊3日で京都・奈良に行くことになっている。

そして、しおりを開くまであたしはあることを忘れていたのだ。



「ん~?」



あたしは、しおりを開いたまま悩んでいた。



「どうしたの優紀君。」



不思議そうな顔をした楓が隣から声をかけてきた…



「それがさ。部屋割り見てたんだけど見つけられなくて…」


「えっ?あるじゃん!優紀君どこ見てるの?ほらココ」



そういって楓に示されたところをみると…



「―ッ!?」



思わず教室だということを忘れて大声を上げそうになって口を抑えた。

楓の示すしおりをよく見ると…



「えっ!?男…子…部…屋…?」



あぁー……

そうでした…あたし、桜川優紀は『男装』してるんでした。

つい浮かれてすっかりそのことを忘れていたあたしのテンションはガタ落ちだった…。

むしろ修学旅行にさえ行きたくなくなってきた。



「楓さん…昼、生徒会室来てくれない…?」



あたしのこの胸の内の叫びを分かってくれるのは楓だけどだと思ったのに…

帰って来た返事はいつもと変わらない…満面の笑み。



「うん。いいよ!」



なんで、楓はそんな普通なんだろう?

こっちは不安でいっぱいだって言うのに…




―昼休み。


あたしたちは生徒会室に来ていた。

そして、途中お兄ちゃんを見つけたから無理やり連れてきた。



「はぁ…」



あたしは部屋に入るなり大きなため息をついた。

そんな様子を見たお兄ちゃんは心配そうだった。



「優紀、どうしたんだよ…楓、何か知ってる?」


「あぁ、たぶん。修学旅行の事だと思います…」


「そういえば、今日しおりが配られたんだよな?」



2人はあたしの気持ちを知らずか普通に話をしている…

何があたしを落ち込ませてるのかなんて全く見当が付いていないようだし。



「てか、楓はなんでそんな普通なの!?」


「いや。むしろ優紀は何をそんなに凹んでんの?」



やっぱり…



「…だってさぁ。いくら男装してたって男だらけの部屋で寝泊まりするなんて…それにお風呂だってどうしたらいいの…?」


「「―ッ!?」」



楓とお兄ちゃんは同じように驚き固まっている…



「もしかして、2人とも気付いてなかったの?さすがに楓はちょっとくらいは気付いてたと思ってたけど…」


「あーいや。気づい…て…なかった…。」


「ゆ、ゆう…きが!男と…寝泊まり?…ゆるさーん!!」



お、お兄ちゃん…


とりあえず、気付いたらしい2人はそれぞれに何か呟いている。



「それに…楓が…他の女の子たちと…一緒にいるの…なんかヤダ…」


「えっ!?優紀?それって…やきもち?」



小さな声で言ったと思ったのに楓には聞こえてたみたい。

は、恥ずかしい…



「ち、ちがうもん///」


「優紀、顔真っ赤―!!素直な優紀かわいいー」


「もぅ、楓のバカ―」




このやり取りを1人冷静に見ている人物を忘れていた…



「おぃ!なーに、いちゃついてんだお前ら!お兄ちゃんキレるぞ!」


「お、お兄ちゃん!?い、いちゃついてないょー!!」


「慎哉さん!?す、すいません!」


「…で、さっきの話だけどどうすんだ?」



そういえば、修学旅行のこと…



「仕方ないなぁ、お前らに朗報だ!」


「「え、なになに??」」


「俺ら、教員は1人部屋だし、部屋にシャワーついてるからそれ使え!さすがに、寝る場所はそのまんまだけどシャワーだけでも使えれば充分だろ?」


「うん!お兄ちゃんありがとう」


「ありがとうございます!」


「でもなぁ…」



どうしたんだろう?

せっかく、少しは解決したはずなのにうかない顔のお兄ちゃん…



「どうしたのお兄ちゃん?」


「やっぱり…優紀が男部屋で寝るのは嫌だ―!!そだ!お兄ちゃんと寝るか?」


「慎哉さんそれずるいっす!だったら俺も!」


「楓はダメだ!お前、優紀の寝込み襲うつもりだろ?」


「なっ///んなことする訳ないじゃないですか!?」


「2人とも何でもめてんの///お兄ちゃん気持ちは嬉しいけど、大丈夫だよ!それに智も蓮も同じ部屋だから!」


「…ぃゃ、それが危ないんだけどな…」


「え?何?聞こえないよ!?」


「ん~。なんでもない!」



変なお兄ちゃん。

でも、これで修学旅行も楽しめそうだな。



「じゃぁ、お兄ちゃんありがとう。教室戻るね!楓も、戻るでしょ?」


「いや、先行ってて!楓、ちょっといいか?」



そう言ったのはお兄ちゃんだった。



「じゃぁ、先行ってるよー!」


「おぉ!」



あたしは一足先に教室に戻った。


―楓サイド―


優紀は先に教室に戻った…



「慎哉さん、なんですか?」


「お前ら、付き合ってるって宣言したらしいけど大丈夫なのか?」



そのことか…



「まぁ、2人で決めたことなんで大丈夫ですよ!いざとなったら俺が優紀を守ります!」


「なら、いいんだけど。優紀を泣かせるんじゃねーぞ」


「はいっ!!」


「話はそれだけだ、何かあったら俺に相談しろ!それから、修学旅行楽しめよ!じゃ。」



やっぱ、心配だよな…

蓮が昔の優紀に戻ったって言ってたけど優紀の心の傷が癒えたかどうかなんて本人以外には分かるはずもねーもんな…

俺が絶対優紀を守る!必ず…


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