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-勝負①-

バタンッ!!


メールをしてから5分後屋上のドアが勢いよく開いた…



「なんだよ話って!あぁ、俺にお前の事黙ってて欲しいってこと?」


「はっ?別にそれはばらしたきゃばらせよ!俺がムカついてんのは優紀に手出してたって事だよっ!!」



そういうや否や楓は蓮に殴りかかろうとした。



「…ッやめてー!」



気付けばあたしは思いっきり叫んでいた…


あまりの剣幕に楓と蓮は驚いたようにこちらを見ていた。



「楓、さっき話した通り悪いのは蓮だけじゃない…あたしにも責任はある…だから、そういうことはしないで…2人はあたしにとって大切な人なんだから怪我とかしてほしくない。わがままでごめん…」



あたしは思ったことをすべて言った。


楓はその言葉を受けて振り上げていた拳をおろしてくれた。


でも…



「あーくっそ!でも、このままじゃすっきりしねぇ。なぁ蓮。俺に提案がある」


「はぁ?内容次第だな!」


「来週ある葉山体会で俺が勝ったら優紀を諦めろ!」



葉山体会とは男女混合のマラソン大会…


葉山学園に昔から伝わる伝統の大会で距離は5Km。


蓮はサッカー部のエースを務めてたくらいだから足はめちゃくちゃ速い…


楓からはスポーツ系の話はあまり聞いたことはない…言いだしたくらいだから自信はあるんだろうけど、でも蓮相手に…



「あっ…楓…『はっ。おもしれーじゃん。ただ、俺が勝ったらお前はどうすんの?』



先に蓮に遮られてしまった…



「俺が負けたら、みんなの前で『男』だって言うよ!」


「えっ!?」


「交渉成立。お前を負かしてここから去ってもらうからな!覚悟しとけ!」


「俺が負けるわけねーだろ!」



そう言って蓮は戻って行った。



「ちょ、ちょっと待ってよ!楓そんなことしたら…」


「優紀は俺が負けると思ってんの?」


「そんなことないけど…ただ…」


「ただ何?優紀は俺だけを信じて。絶対に負けないし、離さないって言っただろ。なっ?」


「…うん。」


「素直でよろしい。」



そんな笑顔で自信満々に言われたら楓を信じるに決まってるじゃん。


でも、楓がここからいなくなったらあたし…どうしよ…



なのに…そんなあたしの心配をよそに楓がさ…こんなこと言うんだもん。



「なぁ、優紀せっかくだしこのままどっか行かね?」


「えぇ!?ダメだよ!あたし仮病つかってココ来てるんだからね。」


「まぢ!?だよな…真面目な副会長がさぼったなんてばれたら一大事だ(笑)」


「もぅ。今度から心配してあげない!!」


「あっ。ごめんって。」


「ふーんだ!」


「優紀様ごめんってー」



明るく振る舞えたかな?


この勝負、負けたら楓は…結果的にこの学校からいなくなる。


さすがに生徒や先生にばれたらどう言っても残ることは難しいだろうから…


あたしに出来る事…


楓を信じる。



―楓サイド―


俺らは結局3限目もさぼった。


蓮との話の後、俺を信じるとは言ったけど、


優紀はやっぱりどこか不安げな表情をしていた…


だよな…


さすがに今さら『男』でしたって言ったらこの学校にはいれないだろうし…


なんだかんだでこの学校は結構楽しい。


それに優紀と離れるのは絶対に嫌だ!


優紀、この勝負絶対に負けないからな!!俺は心の中で誓った。


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