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-昼休み②-

さっきの出来事を整理しようと思ったあたしはとりあえず椅子に腰かけようと思った。


その時!


「…あのぉー。優紀?」


「えっ!?」


蓮はさっき出て行ったはず…


ま、まさか!?


あたしは恐る恐るその声のした方を見た…


「…っ!!!!と…も…っ」


「あー。ごめん、聞く気はなかったというか出ていくタイミング逃しちゃって…」


たしかに、さっき部屋を見た時は誰もいないと思ったのに…


あっ!


智がいる場所。


そこは唯一、生徒会室の中で死角になる場所…ソファーの上…


そういえば、たまに寝不足だからって昼休みに寝に来てるって言ってたな…


って、問題はそこじゃない!!


「あのさぁ、智。話どこから聞いてたの…?」


「あー…。男として入学?ってあたりから…かな?」


あぁ。智に知られてしまった…


もぅダメだ。いくら智でも…軽蔑される…


「あのさ、優紀…俺、お前が女だって知ってたよ。」


「えっ!?」


あたしは聞き間違いをしたのではないかと思った…


「智、今、なんて…?」


「実は、そうなんじゃないかってずっと思ってて…ある時、桜川先生に聞いてみたんだ。優紀、『兄弟じゃない。』って言ってたけどやっぱ生徒会の時とか見てると生徒と先生には見えなかったし…だから…」


「……」


「ごめん。先生から事情は全部聞いたから、優紀の演技に付き合おうって思ったし守ってやろうと思ったんだ。」


そっか…知ってたんだ。


でも、1番嘘つくのが苦しかった智でよかった…


「今まで隠しててごめんね。智にはいつか言おうとは思ってたんだけど嫌われるのが怖くて…」


「ううん。いいよ。あんな事情があったなら責められない!それに、俺にとって優紀は親友&パートナーだしな!生徒会長やれるのも優紀がいるからだよ!」


「…ありがとう…とも…」


あたしは、泣き出してしまった。


心に突っかかっていたものがとれた気がしたから…



しばらく時間が過ぎた。


その間、智はずっとそばにいてくれた。


「ねぇ、智。いつから気付いてたの?」


「ん~…楓ちゃんが転入してきてからかな…?確信持ち始めたのは学祭辺りからだけど!」


「えっ!?」


「優紀、気付いてないかもしれないけど楓ちゃんと話してる時、女の子の顔してるよ!」


「えっ…///」


「それに、楓ちゃん…男でしょ!?」


「えぇー!?」


今日のあたし、なんか驚いてばっかりな気がする…


「ほら、俺、楓ちゃんのこと好きだったじゃん。だから、結構2人の事見てたんだよね~。そしたら、楓ちゃんが男だったら全部つじつまが合うなぁって思って。」


「じゃぁ、そのあとも楓の事好きって言ってたりしてたのは嘘だったの!?」


「まぁ、嘘って言ったら嘘になるけど…でも、楓ちゃんほんとに女の子だったらまじ理想通りだったんだよね(笑」


「そうだったんだ…なんか1度にいろんなことが起こって頭が混乱してるよ…」


「だろうね。でも。優紀の事も楓ちゃんのことも誰にも言わないから!それに、クラスにいるときの2人の演技は完璧だからね!俺がたまたま気付いちゃっただけだから気にしないで!」


智はやっぱり優しい…


智と友達になれてよかった…


「ありがとう…」


「でさ、俺から1つお願いがあるんだけど今度3人で会わない?変装なしで!」


「いいけど…なんで?」


「いいじゃん、いいじゃん!じゃ、今週の日曜10時に駅前な!」


「うん…」


「じゃぁ、そろそろ教室戻るか!」


あたしは涙をふいて気持ちを切り替えた。


「そうだな!」


「あっ、男モードだ(笑」


「笑うなよ!!」


こうして、あたしたちはさらに友達として絆を深めた。


ん?なんか忘れてない…?


あー!!!蓮…


とりあえず楓に全部話してから考えよ!!


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