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紅の御簾とき  作者: 鈴のたぬき
第二章 旅
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 「実は、楪蝶殿が身籠ってね」

結局あの女の話か。

「それは、兄さまの子だと認識してもよろしいでしょうか」

「ああ、ようやく初孫だよ」

「つまりわたしの甥か姪だと」

「ああ。なんか、男だったら張凜(チョウリン)で、女だったら愛唯(メイ)という名にするそうだ」

「愛唯のほう、そのまんまの名前ですね。まあ、わたしや菻明からしたらの話ですけれど」

「それもそうだな。張今に美美からの伝言だと言って伝えておこう」

そう言うと、立栄は美美が抱いている蘭蘭には最後まで興味を示さず、部屋を出ていった。

「そういえば樹衣さま。旅の際、護衛はどうするのですか?皇族の場合、他の者は馬車なのと違って牛車で行動されるのでしょう」

「ああ、そこは、4人ほどにしようと思っているのだが、お前は絶対に入れる」

美美は驚きを隠せず、口をあんぐり開けた。これこそまさに空いた口がふさがらないというやつである。

「な、なぜわたしなのです?他にもっと腕が立つ方がいらっしゃるのでは?」

「それがな、他の護衛候補だった者達と一応手合わせをしたんだが、腕が立つ者が3人しかいなかったんだ。護衛候補の者達は俺が手加減をしたのに負けたんだ。それなら、俺が手加減をしたからでも勝ったおさみの方が良いだろう?」

「それもそうですね。つまり、樹衣さまはわたしに2つも借りを作ると」

美美が手をもみ、にやけながら言うと、樹衣は意味がわからないという顔をした。

「は?護衛の件は分かるが、もうひとつとはなんだ?」

「大祭りの時、招待を受けて差し上げたでしょう。あれ、一応条件付きですけど」

「お前が何もなしに素直に受け入れるはずはないと思っていたが、やはり条件付きだったのだな」

樹衣は諦めたように言った。

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