旅支度
明け方、美美は布団から起き上がり、まだ寝ている樹衣に気を使い、そっと部屋の外に出た。そして、自分の部屋に戻ると、自分の布団で二度寝をした。
「美美、美美。早く起きなさい。旅支度をせねばならないのよ」
美美は、舞雪の声で目を覚ました。そして、今は何時かと思い、日時計を見ると、すでに8時を回っていた。
「す、すみません。朝餉の準備に間に合いませんでした」
美美は布団からおりながら謝罪をする。だが、舞雪は首をふる。
「良いのよ、けど、樹衣さまから旅支度をするようにと言われているわ」
「分かりました、では、失礼ですが部屋から出ていただけませんか?着替えをしますので」
美美はそう言い、舞雪を部屋から追い出した。
ふう、着替え着替え、っと。わたしはさっさと着替えを済ませた。そして、舞雪さまを呼ぶ。
「それで、旅支度をしろとのことですね」
「ええ。着替えに舞の衣装、太刀に髪飾り、化粧に浴衣、寝間着は最低限必要だと、樹衣さまがおっしゃっています」
「分かりました。支度は自分で済ませますので、仕事にお戻りください」
美美は風呂敷を引っ張り出す。そして、着替えを4着、舞の衣装を3着、太刀を2本、浴衣を2着、寝間着を3着風呂敷に詰め込んだ。
「ふう、これで終わり…あっ、化粧と髪飾り入れ忘れた!風呂敷もう一回開けないと…(ちーん)」
美美は悲しく思いながら苦労して閉じた風呂敷を開ける。そして髪飾り4個と目元に着ける用の紅、白粉を風呂敷に突っ込む。そして、また苦労して風呂敷を閉じた。
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