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転生王妃やっぱり夫とすれ違うⅤ

天敵ホルク伯爵にばったり会った王妃は嫌味をたらっと言って立ち去った後に残されたホルツ伯爵は?

「王妃陛下。

 そろそろ国王陛下と共にイギリス大使がお待ちです」


ここぞというタイミングで隣のプレッセン侯爵夫人はホルク伯爵の方を向きながらすました表情で話を打ち切ってくれた。


GOOD JOB


何せ国王にありとあらゆる欲望を植え付けた悪魔の様な男です。

この生真面目模範生の侯爵夫人が好意があるはずがありません。

日頃から彼の悪行の数々をどれだけ聞いてきたか。

普段は愛想笑いもするのに完全に表情が死んでます。

これには同感よ侯爵夫人!


「いきましょうか。

 プレッセン侯爵夫人」


無機質な表情で静かに侯爵夫人に言葉をかける。


「はい王妃陛下」


何事もなかったように凍り付いた空気を振り払い私と侯爵夫人はその場を去る。

後には苦虫をすり潰した様な表情をしたホルク伯爵が不機嫌そうに残された。


私が目線を後ろに移しホルク伯爵の様子を確認すると、彼はキョロキョロと誰かを探しているような素振りを見せていた。


目的を見つけたのか?

一直線に駆け寄った先にいた人物は夫だ。

彼の耳元で何かを囁いている。


あぁ〜国王にチクってるなとすぐにわかった。

まぁ〜今は夫婦関係がギクシャクしているから何を言われてもされてもどっちにしても同じだし。

これで関係が今以上に悪くなってもどうってことはない。


扇で口元を隠した貴婦人がヒソヒソと話している脇をにこやかに微笑んでやる。

貴婦人達は大慌てで何も話していませんと言わんばかりに扇を口元に当てながら軽く会釈して礼を尽くしてくる。


よしよし!!


しかしホルク伯爵の横行は止めれないのかしら?

大臣達は問題児の国王をホルク伯爵に任せていたから彼に頭が上がらなかった。

夫は彼のいう事はなんでもかんでも首を縦に振るから、異論も言えずましてや国王の愚行や狂気をある程度押さえられ得るホルク伯爵という存在は大臣達には必要不可欠だったの。


なのでホルク伯爵が宮廷の悪行の限りをつくして王をたぶらかしても。

賄賂を貰って懐を肥やしても。

取り巻き達が何をしても文句も言えず容認するしかない。



「国王陛下。

 王妃陛下から私は嫌われているようでございます。

 さきほども私が王妃をないがしろにしているかのような発言をされ。

 困惑しております」


ホルク伯爵はさっきの怒りを完全に隠しきりこれみよがしに悲痛な表情で国王にうったえかける。

しかしその胸中は狂わんばかりに沸々と煮えたぎっている。

イギリス王族とはいえ、国王の妹で父親は王太子に過ぎず。

王女とは言い難いそんな人物に権力を奪われてなるものか!

ようやく思い通りに動く高貴な人形を手放してなるものか!

野心と権力の独占欲の塊で出来たような男に異国の王妃は脅威でしかない。

しかも国王がいつ信頼しきって自分を見捨てるような事態は是が非でも避けたかった。

なぜなら伯爵でしかない自分がデンマーク宮廷で重用されるのは国王の信頼を受けているにすぎないと十分に理解ししかもそれが薄氷を踏む身分でしかないともだ。


自分よりも身分の高い血統のよい侯爵、公爵は掃いて捨てるくらいいるのだ。

この君主を操り続ける事が政界に生き残る道だ。 

それには国王が王妃に興味を持って寵愛でもしたら、自分は用無しで宮廷を追われる事だけは避けたかったらしいわ。


国王は葡萄酒を片手に水を飲むようにグビグビ飲んですでに顔は真っ赤でふらついている。

しかしそれを止めようともせず空いたグラスに侍従は酒を注いでいる。


「それは蛮行だな。

 忠臣であるそなたを嫌うなど。

 もってのほか。

 朕からきつく注意しよう」


「いえそれにはおよびません陛下。

 これからは少し王妃陛下と距離を保ちませ。

 王妃陛下は外国人。

 イギリスの内政干渉を受ける事になると歴代国王陛下達に顔向け出来ません」


「もっともだ。

 さすが忠臣のそなただけある。

 思慮深いな」

挿絵(By みてみん)

アルコールで顔を真っ赤にして機嫌が良さそうにニヤニヤしながらなんども頷いた。


「陛下。

 それはさておき、次の娼館にはいつ?

 かの人が陛下のお越しがないと拗ねている

 と館の主人が泣きついてきて困っております」


「そうかそうか。

 明日にでも行こう」


ニヤニヤと嬉しそうに何度も頷く。


「御意」


この後のイギリス大使との謁見は国王の体調不良を口実に謁見は簡略化されたのは言うまでもない。

私はなおざりにされたのだ。

まぁ〜この仕打ちはそのうちやり返しますからね!と心に誓う。





史実上猟奇的な夫クリスチャンⅦ世を怖がってキャロライン王妃は関わらないようにしていたといいます。

キャロライン自身はそれほど宮廷で評価は低くなかったものの、王の寵愛が薄い為大きな影響力はありませんでした。

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