転生王妃やっぱり夫とすれ違うⅣ
国王の寵臣ホルク伯爵に夜会でばったり会ってしまったキャロライン王妃。
どう立ち回るのか?
ホルク伯爵はいつも夫が私に近づかないようにするのに。
なぜ今日は一人でいます。
私は無視する訳にはいかず、なんせ高位の者から話しかけないといけないルール。
それを無視したら後からあれこれ噂話が流れるし。
夫にチクってこれ以上関係が悪化するのは避けたい。想像しただけで面倒くさい事になる。
「ホルク伯爵。
ごきげんよう」
わからない程度に平静を装って話しかけると、一瞬驚いたような顔つきをした。
あのいやらしい目を細めて見る視線が上から目線でめっちゃむかつく!!
ああ~でも彼すぐにさっと口角をあげて微笑みを浮かべた。
でも瞳は笑っていない。
本当に馬鹿にしたような眼差しは隠しきれないしいや不快感さえ伝わってくる。
「王妃陛下におかれましてはごきげん麗しく。
国政に追われ王妃陛下を補佐出来ず心苦し
い限りでございます」
夫が私の寝室にこない事を言っているのよね。
ケッ!
ホルク伯爵は心情は知らないまでもその外見からは想像も出来ないくらい冷淡に考察していた。
私はさも敬意を込めて王妃の言葉に礼を籠めて深々と礼をする。
そこに礼儀はないが。
前王妃の実家イギリス王室からやってきた異国の王族である王妃。
デンマークの王国にどんな波紋を広げるかわからない。
王妃といえど所詮は外国人。
国王陛下は今は私の言いなりだか。
陛下は優柔不断で不安定な精神と狂気に取りつかれている。
私ですらいつ宮廷を追われるかはわからない。
もし王妃を寵愛するような事になれば…私の権力の泡となる。
それが宮廷闘争だ。
芽は摘んでおかないといけない。
国王が王妃に興味を引かない様に国王陛下には強烈な刺激が必要だ。
それとさらなる王妃への猜疑心を植え付ける必要になる。
ただこの王妃の顔立ちからそう不安に思う事はないかもしれない。
しかし宮廷人達は一応にそのビジュアルには概ね凡庸か並み以下だが、その仕草や話す言葉には魅力があると評判だ。
侮ってはいけないな。
「ホルク伯爵もおかわりないようで。
こうお話するのは私が初めてデンマークに来て以来かしら?」
聖母のようなにこやかに笑いかけチクリと嫌味を言ってやる。
「王妃陛下。
私の失礼お詫び申し上げます。
当時はまだ見合った身分ではなく王妃陛下
に近づくなど。
恐れ多く。
けれど考えが浅はかでございました。
どうかお許しくださいませ」
まぁ模範解答が返ってきた。
さすがです。
顔つきも柔らかく微笑みを讃え私は敵ではありませんオーラ全開です。
吐きそう!
「まぁ。そんな事とは思いもしませんでした。
てっきり嫌われているかと」
これみよがしに少し高い声を出してやる。
周りの貴族に聞こえるように。
「王妃陛下。
誤解でございます。
国王陛下への忠臣が仇になり、王妃陛下の
お気持ちに気もつきませんでした。
お許しくださいませ」
さらに深々と頭を下げる。
まぁ〜この場はこれで納めよう。
「まぁホルク伯爵。
まだ若くいたらない私です。
国王陛下同様導いてくださいな」
あんたより若いよねっていう嫌みでね。けろっといいきってやる。
ホルツ伯爵はわざとらしく満面の笑顔を見せ答えてやったわ。
「私には力が及ばないとは存じますが。
デンマークの繁栄と王室の威厳のため
に粉骨する所存でございます」
「宜しくね。ホルク伯爵」
私は落ち着いた声でゆっくりと目尻を下げた。
若干の嫌味を残し立ち去った王妃にホルク伯爵は激怒。
しかし顔には出しません。
仕返しどうする?




