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蠢く宮廷 宇宙の恋人Ⅲ

宮廷の貴婦人に喧嘩を売ったアンヌは?

宮廷のスキャンダルは最高潮の時を迎えている。



「どうしてあんな無茶な行為をしたのアンヌ?

 宮廷での振る舞いは注意するようにくれぐれも伝えていたのに。

 もう公娼などという地位には到底就けないじゃない。

 それどころか…貴方自分が何をしたのかわかっているの?」


冷静にならないといけないといけないのにワナワナと怒りで身体が震える。

もう出産まじかなのに……ストレスは良くないのよ!


アンヌは全く自分に非はないとばかりに、背もたれにだらしなく腰掛けて不服そうな顔で私を見ている。


夫の看護士にと考えて公娼に出来たら万々歳で私は自由になる。

そうなれば夫との関係性が安定して宮廷生活に余裕が出来てこれからの計画を立てやすくなる。

元々国王は私に興味がないからどこで何をしようと関係ないと無視だろう。

彼の精神が安定するのなら、彼女に任せても構わないと公娼の地位にと提案したの。


でもあの王太后の金魚の糞に喧嘩を売れば、確実に反対されるじゃない……。


「だって仕方ないじゃないか。

 あのアマ! 

 むかつく!!

 陛下がどうしても宮廷に連れて行くって言ってきかないから。

 来たんだ!!

 それをあいつら私を馬鹿にしやがって!!

 絶対許さない!!」


許さないってあなたがどうこうしたら貴族への不敬罪であなた禁固刑か地方へ追放よ!!


腕を組んで足をテーブルに投げ出し、ふてぶてしくふくれっ面のアンヌに私はもうお手上げだ。

今彼女は宮殿の謁見の間の控え室に扉越しに見張りの衛兵が立つ部屋に監禁されている。


「どうしたら……。

 とにかくここは私から王に進言してこの監禁を解いてもらうわ。

 しばらく大人しくしておいて。

 一旦宮廷を出て娼館でたよりを待っていて頂戴な。

 王の容態が戻れば再び会えるように取り計らうわ。

 もう少し我慢してくれたらよかったのにそうしたらあなたを正式に公娼にでもと」


そう提案するのが精一杯だった。

頭が痛いわ……本当に。


どうしたって彼女をこのまま宮廷を自由にはさせられないわ。

公娼なんて横槍はいるのは間違いないわ。

ホルク伯爵だっていくらなんでも庇わないでしょうし。


しかし事はそんなに事は甘くはなかったのよね。

私の知らない所で知らない計画がドンドン進んでいたの………。


彼女ったら私の知らない所で暴動事件の他に王の最大の保護者であり、穏健派で人望のある宮廷の数少ない良識ある臣下レヴェルディルを罷免させたのよ。

レヴェルディルは家庭教師として王に仕え、その信頼も固く政府の要職に就いていた重要人物。

この腹黒い廷臣の中で唯一王の事を一番に仕えた家臣というか。

父的存在というか……彼の精神的な支えになる人物なのに。


「彼を罷免しないと!

 もうあんたとは寝てやらない!

 どころか!

 会ってやらない!!」

といったらしい。

らしいというのは私は現場を知らないから。


晴天の霹靂とはこの事。

レヴェルディルはベンダーゲン嬢が宮廷に現れたと知って真っ青になったのよ。


どこの宮廷に娼婦を迎える所があるのだって。

私の事をおもんばかってだと思うんだけど。

のっけから不機嫌な様子でベンダーゲン嬢に接したのよ。


それを敏感に感じ取った彼女が事ある毎に王を振り廻し、レヴェルディルを排除するように動いたの。

こうなると双方矛を納めるどころか応酬の仕合になるもの。

レヴェルディル真面目だし王室崇拝者だったから、他国のスキャンダルを提供するような事は断じて許せなかったんでしょうね。

プレッセン伯夫人と一緒になってゲンダーベン嬢を中傷していたのですって。


廷臣をいとも簡単に解雇させてしまったこのゲンターベン嬢に貴族達は危機感をMAXにしてしまった。そう一介の娼婦のひと言で全てを失うかもしれない。

プライドを傷つけられるのを彼らは嫌ったから。


でこの結果。

宮廷中を敵に廻してっしまった。

頭が痛いわ。

レヴェルディル長官は元々立身出世に興味はなくあくまで臣下の礼で国王に仕え官房長官に就任したに過ぎないのでこれ幸いにと多額の退職金と年金が保証され田舎に引きこもった。


私としてはもったいない人物だけど仕方がない。

それよりはこれからの方が重要だった。

これでベンターゲン嬢が公娼になる道は完全に閉ざされたといっていい。

しかも王の側近達はあれこれとこの女の処遇を議論するだろう………。果して国王は庇い続けられるのか?


暫く大人しく娼館に戻ってもらうしかない。


「これで公娼という話はなかった事になると思います。

 王太后が息のかかった貴婦人でしたから。

 前面に出て貴女の公娼を阻止してくるでしょう。

 そうなれば私は貴方を庇いきれません。

 わかりますね!

 無論貴女の所へ陛下が通うのは私には権限もなく。

 国王陛下次第です。

 まああの方の事ですから貴方の執着を止めるとは到底思えませんけどね。」


「ふん!

 知らないわ!!

 私は最初から公娼になりたいと言った訳ではないもの。

 本当に高貴な人は約束を守らないね」


おいおい約束以前の話ですよゲンダーベン嬢。


「とにかく暫く娼館に帰り、頭を冷やしていてくださいな。

 流石の陛下もすぐに貴女の所へ通うのは難しいでしょうが。

 そうなったからと言って私のせいにはしないでください。

 私は今回の件ではいっさい口を開きませんので。」


「へえェ~~~~~~」


私の溜息が冷たい宮殿の廊下に白い煙に変わる。

あ~~私もこの煙の様にここから消えてしまいたい~~~。







継母の王太后は政治的影響力に何の興味もなく、唯一の息子の地位や権威だけが望みだった。

さすがに今回は見逃す事が出来そうにない?

どんな手を使ってアンヌを貶めるのか?

そして王妃は?


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