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王に相応しい愛妾とは…Ⅲ

王の秘密の恋人アンヌ・カロリーナ・ベンターゲンと王妃との対話で娼婦を公娼にすべく案を王に提示する為また王の義務を説得する為王妃の寝室を訪れる王と一夜を共にする。


アンヌの承諾を得て威風堂々と宮殿に帰ってくる。


するとなんとレヴェルディルが私が帰るまではと言って無理やり王妃の私的エリア手前の扉の前で待っていると侍女から報告があった。


「昨夜は君の事を考えながら過ごした。

 いろいろと遠回りしたけれど私は君に甘えているだけかもしれない。

 よくよく考えれば君の心の広さで私達の関係は成り立っているのだ。

 そんな君を私が今から愛していると言って許されるのだろうか?

 君を放置してしまった事を本当に後悔している。

 白い肌と屈託のない素直さと明るさは神から純朴な天使だろう。

 そろそろ私も認めなくては……。と思っている。

 レヴェルディルにこの手紙を託して……。いつも君を思っている。


 貴方の夫 クリスチャンより」


そう昨夜は私があなたお気に入りの娼婦の部屋にいた時、貴方は心無いこのラブレターを書いていたのね。


王家に生まれ高貴な家に嫁ぐ事が当たり前。

そこには愛情があるなしに関わらない。

ただ家と家との契約。

自分の腹を痛めて産んだ子にのみ与えられる青い血を引き継ぐ為の契約。


おそらくレヴェルディルに何度の書き直されれたものだろう。



まあ~こちらも誠意があるとは言えないからお互い様だ。 

手紙を読み終えふっと吐息をついてレヴェルディルの顔に視線を移す。


今日は私が読むのを確認する為にレヴェルディルがモジモジしながら心配そうに扉の前で静かにまっている。


「陛下にお伝えして、今夜はお待ちしていると。

 大切なお話があるからと……」


レヴェルディルはいつもの後ろめたさのある上目遣いの視線とは違い期待に胸膨んだ表情をしている。


「王妃陛下。

 必ず私が国内陛下をお連れ致します。

 必ずこの身に代えましても」


涙ながらに答える言葉にはレヴェルディルの忠誠心に頭が下がる。

まさに陛下に必要な臣下は彼しかいないと思うけど。

陛下には届きそうにないわね。


はぁ〜自分で計画したけどやはり今夜の事を思うと少しブルーな気分になる。

でも……私はイギリス王族で。

これは義務。

そして運命。

そう私はアンヌとある駆け引きをした。

そう寛大で慈悲深い王の妻。



「ええ。期待しています。

 そういう事は置いておいて陛下とお話出来るのは楽しみです」


心にもない言葉を息を吐くようにして一気にレヴェルディルに伝えた。


その夜婚姻して初めての国王との初夜を迎える。

本当なら仮面夫婦白い結婚が私の理想よ。

でもね。


すぐに計画を実行しても失敗するのは目に見えている。

前世でも夜逃げを計画しては見事に悟られて失敗して城に幽閉された。

次は慎重に極秘に淡々と成功へ導びかなくてはいけない。


そのための一歩。


勇気を出して身体は清いままだけど、私はこの夜の行為は知ってるのだから……。

大丈夫。

陛下が変態でなければ……。


その夜は侍女に身体を拭いて香油でマッサージをされなすがまま。

たっぷりの薔薇水とオリーブオイルを顔に塗られて夜の支度に余念がない。


「王妃様。美しいです。」


アンナ言い過ぎだと思う。

私は醜女だわ。

でも心は美しくと思う事にしている。


「とにかく良き夜となりますわね。

 王妃様~~」


とにかく嬉しそうなアンナに少しの後ろめたさが………憂鬱になる。


その時だ扉をノックする音が聞こえた。


「陛下。国王陛下がお越しです」


侍女の声だ。


「ええ。お連れして」


扉の暗闇からふっと浮かび上がる男の影。

陛下だ。

少し酔っているのかふらつき気味に入る足音にやや拒否を感じる。

挿絵(By みてみん)

私はすでに寝台に腰を降ろしていた。


彼は無言でその前に立ったかと思うと隣に腰をかけた。


「陛下。

 今宵は初めて陛下にお会いした気分でございます」


すると夫はポカンと呆気にとられたような表情をして目を丸くして私を凝視している。


「……そうか?

 今朝も会っているぞ」

瞳の奥は死んだ魚の様な目をしている。


まあ随分レヴェルディルに説得されたんだろうけれど。

その表情は明らかにこれから始まる蜜事に興味がありそうには見えない。

でもそんな事はどうでもいい。

全ては結果だから。


「いえ。

 真の陛下の姿を拝見しているように思います」


毅然として自分に答える私の顔を不思議そうに眺めている。

顔は本当に整ってる。

狂気に陥っていると噂は本当なのかと思うほど。


「そうか?」

私から視線を外す。

明らかに落ち着きのない虚ろ瞳がキョロキョロしてせわしなく動いている。



私は行為の前に本題を切り出す。


「陛下。

 これは私からの提案でございますが…」


「……?いきなりなんだ?」


夫は私の声にギョッとした様に反応した。

「陛下………」


「ン?」


一瞬時が止まったような沈黙の寝室。


「公娼をお持ちください。

 ベンダーゲン嬢を推薦します」



取引と同時にようやく夫婦として正常な関係を築こうとしていた。

さてアンヌ・カトリーナ・ベンダーゲンは夫婦の接着剤となるのか?

はたまた嵐を巻き起こすのか?

次回宮廷に現れた娼婦が大暴れ?

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