アレルギーは気にせざるをえない
私は食に興味が無い。
のだが困った事に、私はアレルギー体質なのだ。
幸運にも小麦や卵などの幅広過ぎるものではないものの、エビ、カニ、貝、イカ、タコ、etc.etc……いわゆる甲殻類を始めとした海産物に多くアレルギーを持っている。
つまり、興味を持たざるをえないのである。
なにせ、気にしないと死ぬ。
そう、死ぬレベル、重度のアレルギー体質なのである。
該当する食物を摂取すると全身に蕁麻疹が起きる。
痒いだけならまだ良いのだが、厄介な事に気道にもそれは発症し、呼吸困難になってしまうのである。過去それで一度死にかけた。
あれはそう……私が中学生の頃……。
当時はまだアレルギーというものが浸透していなかった時代。給食にイカが含まれていた。
別にそれまでイカを食べてナニカなった事など無い。イカリングとか大好きであった。超美味しい。
故に美味しくいただき、昼休みを終え、午後の授業の体育をこなし……掃除の時間にそれは起こった。
腕が、痒い。
腕に、ポツッとナニカ出てる。
幼少期、体が弱かった私は蕁麻疹の経験が人よりもめちゃくちゃ多かった。故にすぐさまこれは蕁麻疹の前兆だと気付く事が出来た。
が、謎である。なんで?である。
が、蕁麻疹は進行していく。
故にすぐさま保健室直行……したものの、症状は時間と共に回復。私的にはなんだったんじゃろな、で当時は終わった。
後になって家族に聞いたら、食物アレルギーというものを初めてそこで認識したらしい。一族初とのこと。何もめでたくない。
確かに思い出してみれば、それ以降の食卓にイカが出る事はなかった。
本人だけがのほほんと暮らしていて、家族は非常に気を遣っていたに違いない。いやはや感謝である。
さて時は流れ、高校時代。
レクリエーションか何かで、クラスで鍋パをした。
エビである。
発症した。
めっちゃ発症した。
気道が狭まっていくのが自覚出来た。
時間経過で治るわけがない。このままでは死ぬと思った。
保健室に行ったものの、養護教諭不在。
死んだと思った。
が、付き添ってくれた先生が棚を漁ってくれて、抗アレルギー薬と思われるものを飲ませてくれた。
気は楽になったものの、症状は治らない。
病院に連れて行って欲しいと涙ながらに訴えた。
……が、何故か学校は救急車を呼んでくれなかった。今これを書いてて思い出したのだが、なんか闇を感じる。おのれ⚪︎⚪︎高校、私が死んでたら全国ニュースだったぞ。
でまぁ、その付き添ってくれた先生が車で総合病院まで連れて行ってくれたのだが、診察中にようやく症状が少しずつ治っていった。
恐らくあの薬が効いたのだと今でも信じている。あれが無かったら死んでいたかもしれない。
故にあの先生には感謝している。サンキュー名前も忘れたナントカ先生。
ちなみにその時の看護師には、はぁ?症状治ってるじゃないですか大袈裟な、みたいに扱われたのを今でも恨んでいる。ファッキュー名前も知らない看護師。
とまぁそんな経験をしてしまい、お前の体はちょっとおかしいぞ、となった。
故にアレルギー検査を受けた。
すると出るわ出るわ。
エビ、イカ。致死レベル。
タコ、貝、カニ。食べちゃダメよ。
魚卵、赤身魚。本当は食べるの控えてね。
おぉもぅ、海のもので食べれるのはなんだ?草だけか?ってレベルだった。
故に、前置きが長くなったが、食料品を買う時、食べる時、原材料に興味を持たなくてはならなくなってしまったのだ。
オイスターソース……カキ、貝、駄目。
魚醤……何由来か分からん、駄目。
魚介エキス……だから何由来か分からん、駄目。
もーめんどくさい。マジめんどくさい。
買う時に商品ひっくり返して目を凝らすのマジ面倒。
外食でチェーン店を選びがちになる理由がこれだ。正直もう全部の店アレルギー表示して欲しい。
いちいち「これエビ入ってますか?」と聞くのが気が引けるのだ、混んでると特に。
そして何が面倒かというと、誰かと一緒にご飯を食べに行く時が一番面倒なのだ。
気を遣わせてしまう。超気を遣わせる。
あ……貴女これ食べれないんだよね、別のにする?店変える?的な。
あと宴会、一人だけ別メニュー用意させてしまうのが、本当にもう、その、色々手間なのだ……。
私は食に興味が無い。
だがアレルギーには非常に気を付けている。