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第4号 MT車という機械

(旺文社 標準国語辞典 第七版)より

じどうしゃ【自動車】

(名)

おもにガソリンを燃料とし、エンジンの力で道路を走る車。


   ***


自動車免許を取得しているだろうか。


昨今、どうやら若者たちは自動車を所有していなくとも免許証を持っている人達が多い。その免許の獲得のためには、必ず選択をしなければならないことがある。MT車か、AT車のコースの選択である。ほとんどの読者はAT車のコースを選ぶだろう。MT車は難しいから、と。私はこのリスクを鑑みてもMT車のコースを選んだ。結果を言ってしまえば、度外視できるほどの難しさではなかったということだ。クッラチの操作がたいへん面倒くさい。MT車がいかに大変か。それを書き留めるのも億劫なので省かしていただく。それほどまでのMT車に挑戦したのは、ルパン三世の愛車やワイルドスピードのアメ車、紳士のT型自動車を将来乗ることを夢見たからである。だからこそ、ルパン三世やドミニクは運転がめちゃくちゃうまいことがわかる。ただカッコいいという理由で、ローギアからセカンドギアに変えていた訳ではないことを気づいたときの恥ずかしさたるや。何度もエンストしては、教官が頭痛を発するほどの下手さの私は彼らに頭が上がらない。


そして、自動車免許において厄介なものがもう一つある。筆記試験である。〇×問題であり、一見簡単に見えるが、ところがどっこい。問題文の意味がよく分からず、解けないのだ。ぜひ、調べて各々で確認して欲しいのだが、それを例えるのであれば村上春樹氏の比喩というべきであろうか。一読したままではよく分からないが、その文章の背景や技法を理解すれば納得のできる答えを導くことが出来る。つまりは、周りに回ったくどい文章を紐解かなければならない。ここまで、いかに自動車免許をとることが難しいことを書き記してきたが、一番納得できないことがある。両親が自動車免許を取得していることである。挙句の果てに父親はMT車の免許取得者だ。もちろん両親は、しっかりと正規のルートで取得している。しかし、なおのこと不思議でたまらない。本当に同じ道を歩き、困難を達成したのか疑問に思ってしまう。もっと違うところですべきであろうが、両親に感心してしまう。


私は両親に負けたくはないので自動車免許を取得したい。


以上、5点の語釈を“大学紀行辞典”に採用とする。

まにゅある‐しゃ【MT車】

自動車という機械のロマンを感じられる車。ただし、AT車と比較してクラッチやギアチェンジという動作が必要であり、面倒くさい。しかし、これがロマンの正体でもある。「隼斗は―の免許を取得しているが、AT車を所有している」


くらっち【クラッチ】

MT車のロマンの正体の一つ。利き手側ではない左の足をつかうため、動作が難しい。「―はしっかりと踏め」


えんすと【エンスト】

MT車を運転している際、動作を見誤った際に起きる現象。車体が前後上下に動き、首を痛めてしまう。MT車のロマンを上手に扱えていない証拠でもある。「何度も-をしてしまい、教官の首を痛めさせてしまった」


おーとま‐しゃ【AT車】

MT車よりも機械のロマンを感じられないが、比較的簡単に運転できる。なによりも、クラッチがないことが大きな特徴である。「運転免許を取得する時は-にすべきだ」


じどうしゃ‐めんきょ【自動車免許】

とりわけ筆記試験が難しい。問題文が村上春樹氏の比喩のようであり、事前に教養を得ていなければ解読ができない。両親が同じ問題を解けたのか、という疑問が残るほど難しい。「現代に-はいらない」


― 2024年12月某日 教本の表紙を横目に ―

※参考文献 

『旺文社 標準国語辞典 第七版』

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