第2号 うけるけど うけるけど
(広辞苑 第七版)より
かんげい【歓迎】 クワン--
よろこび迎えること。好意をもって受け入れること。「減税を―する」「新入生―会」
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面接に落ちるのは何回目だろうか?
大学生活にも慣れ始めた10月、小生は初めてバイトをすることを決断した。しかし、なかなか採用させていただけない。言動か、容姿か、心根か、はたまた文字の汚さか。存在を否定されたようだ。もちろん、採用担当者はさらさらそんなつもりはなかろう。少なくとも都合の悪い人間と見られたのは確かだが。社会人として言い換えるならば、縁がなかった人間というべきか。小生はバイト面接を甘く見ていた。なぜなら、募集要項には「未経験者“大歓迎”」、「大学生“大歓迎”」、「週2でも“大歓迎”」等々の『絶対採用しますよ』的な文字が並んでいたからだ。しかし、どこも小生を採用はしてくれぬ。これほどまである一つの言葉に対して懐疑的に思ったことはない。ああ、どうか小生にそんな甘い言葉を掛けないでおくれ。
石川啄木の「はたらけど はたらけど 猶わが生活 楽にならざり ぢっと手を見る」という労働者の虚しさを歌った名句があるが、小生にはその虚しさにさえ触れることができぬようだ。
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以上、2点の語釈を“大学紀行辞典”に採用とする。
めんせつ【面接】
面を合わせて、採用するかどうかなどを決めるもの。採用されなかった場合は、存在を否定されるような気持になる。実際は存在を否定されたわけではなく、募集した側と応募した側の都合が合わなかっただけである。ご縁がなかったともいう。「―を受ける人が全員合格すればいいのに」
だい‐かんげい【大歓迎】
迎えることに大きな喜びの意思があること。ただし、バイトの募集要項に{『未経験者“大歓迎”』、『大学生“大歓迎”』等々}記載されている場合があるが、該当者だとしても喜んで迎えいれてくれないことがある。“大”とあるが、相手側はそこまでの気持ちはないことがある。「―という言葉は、気をつけろ」
― 2024年10月某日 ぢっと紙を見ながら ―
※参考文献
『広辞苑 第七版』