30歳の私から愛を込めて。
恋は盲目。
私は盲目どころか、見ざる言わざる聞かざる。
自分に都合の悪いものを遮断して、彼とのためだけにお金も時間も使い、大学生時代をとても台無しにしました。奨学金まで借りていって、残ったものは苦い経験です。
私だけを選んでくれるはず、そのためになんでもする。
そんな夢物語、あるわけなかったんです。
今の幸せがあるのは、過去があったから。
人にたくさん迷惑をかけて、心配をかけて。
もう取り返しのつかないところまでいって、ようやく自分が周りから大切にされてた事に気づいた。
今でもあのときの事がなければ、今はもっと幸せだったのかもしれない。そう考えることがある。あの時の経験が今も自分の心臓が握り潰そうとしてくる。
30歳を迎える私が、19歳から22歳の間の過去の私に送りたい。
これから語るのは、私の過去の経験を基にしたフィクションです。
18歳、春。女子高上がり、共学私立大学。
18歳、夏。初めての彼氏。はじめての経験。
18歳、秋。勉強より、部活より、バイトより。
18歳、冬。閉ざされていく交友関係。
19歳、春。浮気疑惑。
19歳、夏。ウシナウ。
19歳、秋。オレノコトガスキナラ。
19歳、冬。アナタガスキダカラ。
20歳、春。偽善者。
20歳、夏。貢ぐ。
20歳、秋。会えなくなるくらいなら。
20歳、冬。トラウマ。
21歳、春。崩れてく未来。
21歳、夏。ダレニモイエナイ。
21歳、秋。増える傷、痣。逃げられない。
21歳、冬。父の涙。母の愛。
22歳、春。サヨウナラ。
30歳を迎え、そのタイミングで10年前に自分が過ごした時間を振り返ってみようと思いました。そのきっかけは、過去の経験をようやく親友に打ち明けることが出来ました。涙を流す親友を見て、「私のために涙し、怒り、悲しんでくれる。そんな人たちの話を、あのときの私はなぜ聞けなかったのだろう。」と改めて考えました。当時、父や母が私に見せた涙、怒り、悲しみ。
あの気持ちを経験する瞬間が、つい最近ありました。仕事関係で知り合った女性が恋愛で悩み、心と身体を病みました。彼女のためを思い、もうやめな、と言っても
届かない。そこで、はっとしました。
過去の私と同じだ。
アノヒトが与えるものが全てで、アノヒトが正しくて、私はだめで、悪いやつで、そんな私を愛してくれてるのだと勘違いしていた。
実際はそんな事はなくて、私が思っている以上に、周りは私を愛していてくれていたと、今では痛感しています。
私を捨てずに、縁を切らずにいてくれた