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君の為の進行劇  作者: ラツィオ
95/111

第95話 師弟の仲


 ◇◇


 時は遡り午後13時。俺たちと別行動で離れていた光輝はルクシス星から500万キロ程離れていたエンドラス星にいた。


 外は薄暗く焼かれた草木、一つもない水たまりに、ひび割れた大地は、その世界の絶望を物語っていた。


 光輝は憂いを帯びた瞳で世界を見渡す様に眺めていた。誰かが生活しているようには思えない程、静寂な風景は光輝の心に針を通すような小さい穴を開けていた。


 そんな中、光輝は札幌ドームの三倍はある円盤型の巨大な宇宙船に入っていた。


 「こちらです。光輝様」 

 「......」


 黒いスーツの渋顔の男の案内に無言で着いて行く光輝。その表情は険しく眼前と前だけを見ていた。


 楯列に並んで歩く足音のみが、狭く薄暗い通路にコツコツと鳴る。信頼関係など微塵も感じさせない距離感で。


 1分程歩いていると、明るい光が見えて来た。その光の下に辿り着くとある人物が階段の先で豪華な王座の椅子に座って光輝を俯瞰していた。


 「久しぶりですね......師匠」


 光から映し出されたその男は不敵な笑みを浮かべる。


 「今のお前に師匠と呼ばれる筋合いはない。......ゼファイア」


 なんとその男の正体は漆黒の覇者の頂点に君臨するゼファイアだった。


 光輝はゼファイアに炯眼の眼差しを向ける。そんな光輝に眉一つ動かさないゼファイア。


 「分かりましたよ。ならば泉さん。一体何が目的で俺に会いに来たんです?貴方とは既に袂を分かった身であったはずですが。まさか俺を()りに来たんですか?」


 今度はゼファイアが光輝を睨み返す。そして周囲の空気は重圧で潰れそうなぐらい重々しくなっていく。


 「ふん、言ったはずだ。お前との師弟関係は終わったんだ。俺がお前に干渉する理由がない以上お前を殺る理由がない」

 「そうですか。今でも師弟関係であるなら世界を危機に貶めている俺の師であった貴方がけじめをつけるために俺を殺しに来ると踏んでいましたがその理由もなさそうですね」


 包み隠さず胸の内を語ろうとする光輝にゼファイアはつまらなさそうな態度でいた。まるで殺しに来ることを期待していたかのような喋り方の様に思える。


 「まあ、いいですよ。実際貴方と殺り合うのは避けたい。百害あって一利なしですしね」


 ゼファイアは両手を左右に上げ、あっけらかんとした面持ちでいた。嘘か本当か、言動と嚙み合わない態度は光輝をイラつかせていた。


 「どうだかな、お前、如何にも殺りたくて仕方ないって面してるぞ」

 「その言葉そっくりそのままお返ししますよ。貴方こそ本当はけじめがつけたいと思い俺と一戦交えたいんでしよう。しかし貴方は俺を弟子として見なくなった以上、それが枷となった。何故ならここで俺に手を出せば未だに師匠だと言う事を認めてしまうからだ」


 ゼファイアの言葉に舌打ちをする光輝。心の隅でぼんやりとした光を盗み見されたかのような感じだった。


 「で、話は戻しますが、本当に何しに来たんです?まさか言葉で俺を改心させるなんて夢物語を語りに来たんじゃないでしょうね?」


 再びつまらなさそうにするゼファイアは自分の爪の長さをぼんやりと見つめていた。


 「......交渉に来た」


 静かに口を開いた光輝は何かを決心していた。


 それは、いったい......。

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