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君の為の進行劇  作者: ラツィオ
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第86話 ダイスの資産が1000億?嘘と真実の攻防戦?


 《初めまして。私はダイ子。貴方の未来のフィアンセとなる男です》

 《あらあら、私の様な影の様な女に興味を持っていただき感謝します》


 どうやらダイ子(ダイス)の最初のアプローチは上手くいったらしい。


 《私はクイーン。職業はギャンブラーです。世界を渡り数々のカジノで富と名声を手にしたカジノ界のカリスマと呼ばれ、それと同時に影のクイーンと異名がついた夜の女王です。こんな私でも光の中で身を肥やすにはやはり男だと思い、この出会い系サイトを悪用......いえ利用しようと思いました。ですのでこのような私に光を与えてくれる清き男性の清き男標(一票)を投じて頂けると幸いです》


 女性の名前はクイーンと言うらしい。て言うかこの女の人からは欲しか感じない。俺だったら絶対スルーだな。



 《いえいえ、影の女王とはとても素晴らしいネーミングだと思いますよ。人間ただ綺麗なだけでは味がありませんからね。少し汚れてるぐらいが愛でやすいというものです。貴女はまさに汚れた布で磨かれた鈍く光った原石なのさ!》


 ダイス!それアウト!!ただクイーンを中傷しているだけだから!!!


 褒めるどころか汚していくダイスに俺は顔を両手で覆い隠す。酷すぎて見てられない。


 《まあ。貴方の様な価値観をお持ちの男性はとても魅力的だと思います》


 まさかの好印象!!


 《ですが私にとって男性の性格は微々たるもの。貴方がどれだけ心が(ずさ)んでいても私は一向に構いません。私が飲む条件はただ一つ。資産が1000億あるかどうかなのです》


 やっぱりギャンブラーなだけあってお金には執着するんだな。それにしても1000億って、石油王か大手の会社の社長でもない限り無理だろ!!


 ダイスはその文面を見て湯江にどうしたらいいか困った顔でサインを送る。


 「問題ないバイ。そのままそのクイーンを落とすバイ」


 さすが社長!!ここの会社も王手と言う訳ですな!!


 それを聞いたダイスは快晴とした表情でスマホをタップする。やはりダイスはこの手のゲームに関しては躍如としている気がする。


 《それなら問題ないさ!私の資産は2000億あるさ!》


 微妙に盛るな!


 《それを聞いて安心しました。もしよろしければ私とお付き合いしてくれませんか?......貴方の通帳と》


 ......。


 はっ?どういう事?


 全員はクイーンの意味不明な返答に首を傾げる


 《と、言いますと?》


 さすがのダイスも通帳とお付き合いさせて欲しいと言う事に対し疑惑の眼差しをスマホに向け噛みつく様に返事を待つ。


 《言葉道理の意味です。私がお付き合いしたいのは貴方の通帳......つまりお金です。私の心は未来永劫、お金が恋人であり人はATMなのです》


 そのメールを見たダイスは額をテーブルの上にドンッとぶつけ項垂れていた。


 まあ、無理もないね。俺から見ても気が滅入る文面だ。それでもお金目当てで相手を騙さず、裏表がない分クイーンはまだましかもしれない。


 ......ましなのか?


 

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