第84話 初めての出会い系サイト(18未満で)
食事を終えた俺たちは各自の割り当てられた個室に行き、休息の一時を得ていた。
5畳ほどのスペースに普通のホテルとなんら変わらない内装。でも会社のビルにしてはホテルの個室があると言うのも些か違和感があるがこの会社はかなり特殊なイメージが印象付けられているせいか、すんなりと受け入れていた。
ドンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ!!
ドアから不意に鳴る強烈な音に俺は思わずビクンと反応する。
「なんだ、なんだ。一体誰だ?」
少し動揺しながらも俺は恐る恐る扉を開けた。
「ヤッホー!ワン兄!!遊びに来たぞ!」
目の前に現れたのはドンとシルビーとダイス、そして湯江だった。ドンの片手には大量に詰め合わせたお菓子の入った大きなビニール袋を手にしていた。
「あれ、みんなどうしたの?」
俺はなんで、このメンバーで部屋に来たのかと首を傾げる。
「明日は作戦決行の日だろ。その前に決起会でもしようと思ってさ」
ダイスが満面の笑みでそう答える。
「だったら他のみんなは?レイナとキャンシーとか、あと光輝とかも」
「女性メンバーは分け合って招待しませんバイ。後、光輝お兄ちゃんなら既に仕事に向かったバイ」
あれ、そうなの。光輝が仕事で呼べないのは分かるけど。なんで女性が呼べないんだろう?」
何か嫌な感じがする。
「まあ、分かったよ。取り合えず入ってきて」
俺は手招きしてみんなを部屋へと招き入れる。そしてテーブルを囲んで姿勢を崩して座り始める。そしてドンが大量に詰め合わせたお菓子の入ったビニール袋をテーブルにぶちまけた。
「食べよ食べよ!」
ドンは勢いよくポテチやらクッキーなど様々なお菓子の袋を手あたり次第、開けていく。
「それにしても湯江さん。なぜ女性だけは招待しなかったのですか?もしかして女性が苦手なのですか?」
シルビー達も事情を聞かされていなかったため、その事について聞いてみる事に。
「別にそういう訳ではないバイ。実はこの催しを機会に、あるゲームをするバイ。その為には女性関係者には秘密裏にする必要があったバイ」
え、どういう意味?
俺はポテチを手にしたまま間抜け顔で硬直する。
「と言いますと?」
「そうですね。分かりやすく言うとこの場で、出会い系サイトを使ったアプリで各々が会員登録し、女性とチャットしてその女性を恋に落としてもらうバイ。」
「なんでそんなことしなきゃいけないの!?」
なんの脈絡の感じない湯江の説明に俺は盛大にツッコミを入れる。
そして湯江は深刻な面持ちで俯き始める。
「今この地域では少子化が加速しており深刻な問題になってるバイ。なので少しでもそれを解消しようとあれやこれやと手を打っているのですが八方塞がりなのですバイ。なので手段は択ばず我が社で恋愛に悩んでいる初心な若人たちの変わりにアチキ達が女性の心を射止めその若人たちに紹介するバイ」
「ちょっと待って!そもそも出会い系サイトって18歳未満は利用できないはずじゃ!?」
湯江の淡々とした説明に俺は待ったをかける。
「今回の案件に関しては我が社はヒーリング会社ならぬサイコスピリチュアルとして活動するバイ。これならここにいる全員が合法としてこのサイトを安心して活用できるバイ」
「できるか!!!そもそも俺らはお前の社員じゃないし!おまけに裏稼業のスタイルでなら法に触れる事を合法として取り扱えるなんてルールないからな!!」
ドヤ顔で自信満々に言う湯江に俺は心の奥底から噴火するんじゃないかと言う盛大なツッコミを入れる。




