表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君の為の進行劇  作者: ラツィオ
74/111

第74話 お茶目な修道院


 ようやく終わったと俺は安堵したが、光輝は遠い目で空をぼんやりと眺めていた。先程の死闘とは思えない程、周りも静かだった。


 そう言えばあの女の名前も分からず終いだったな


 「たく、胸糞悪いぜ。こんな後味の悪い結末は」


 光輝の言葉に俺は美優ちゃんの顔が脳裏を過る。そして俺の表情に雲行きが増していく。


 「美優ちゃんは......もう......」

 「あの女が言ってたろ。......食われたんだ」


 そうだ。あれだけ必死に安否を気にし、助けを求めていた田辺さんの娘である美優ちゃんは......もう......。


 俺は奥歯を噛みしめる思いで涙腺から大粒の涙を零していた。


 「そうだ東条。お前この中で異能を使えるか?」

 「えっ、......ちょっとまって」


 光輝は不と俺にロストワールドの中で異能が使えるか試してみたいと申し出る。俺は瞼を擦り少し間を置き手の平に黒炎弾を浮かばせてみる。


 ボッ!


 あっ!出来た!でもなんで?ロストワールドはあらゆる異能を封じることが出来るのに。


 「やっぱりな、お前の力は気でも魔力でもない異質な物だからもしやと思ったんだ」

 「......なるほど」

 「すまんな、個人的に気になっただけだ」



 そう言えば俺が扱うのは超気だからロストワールドはそれを封じる対象には出来ないって事か。


 でも、こんな事が分かった所で美優ちゃんは戻ってくるわけでもないし......。


 気晴らしにもならないと、俺は再び美優ちゃんを助けられなかった悔しさに呑まれていく。


 「それじゃ行くか」


 光輝はそう言うと片指を鳴らしロストワールドを解いた。


 「......田辺さんの所だよね」


 気を重くして俺はそう呟く。先の事を考えると田辺さんの涙が嫌でも脳裏に浮かぶ。


 「いや、その前に寄る所がある」

 「寄るとこ?」

 「ああ、行くぞ」


 そして俺は言われるがまま光輝の後に着いて行く。


 道中会話もなく、しばらく歩道を歩いてから教会が見えた。ステンドガラスに三角屋根で三階建ての高さの外観だった。


 「ここだ」


 光輝が先頭に教会の中に入り俺も後に続いた。中に入ってみると側面は何枚ものステンドガラスで覆われ何列もの椅子があり西洋風をモチーフにした内装だった。


 「おい、バハモ!いるか!」

 「はーーーーい!今行きますね!」


 光輝の呼び出しに元気な挨拶で答えるのは白と黒のカトリックの修道服を着た女の人だった。


 「はいはい、お待たせしました光輝さん!久しぶりですね!」


 駆け足で来たその女性はバハモ。20代後半と言った所だろうか、均衡が取れた顔立に、母性的な面持ちで見ているだけで癒されそうな女性のシスターだった。


 「悪いな急に訪ねて。今日来たのは、お前に折り入って頼みたい事があるんだ」

 「もちろんいいですよ!その代わり私とデート1000回してもらいますからね!そしてデートをする度にあんな事やこーんな事も......うふふふふふ」


 何やら妄想中なバハマは頬を赤く染め身体をくねくねと動かしていた。


 なんだこのシスター。既に頭のネジが飛んでいるような。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

お茶目な修道院はここで終わります。

引き続き書いていきますのでよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ